【べらぼう】第43回 別れの文 横浜流星 & 橋本愛 運命に逆らえなかった二人の、涙で綴る“最後の手紙”。江戸の闇に消えた愛の行方 その夜、蔦重が見た最期の光とは?
吉原の日が夜風に揺れていた。秋の気配が 忍び寄る江戸の町。時代の流れが急速に 変わっていく中で一通の手紙が静かにつや 従ブ郎の元へ届いた。それは江市北川から の最後の文だった。ふを切る手が震えてい た。長年共に夢を見た友からの最後の頼り 。その中にはあの人らしい。丁寧でそれで いてどこか照れ臭い言葉が並んでいた。 20年俺について来てくれてありがとな たったそれだけの文面。しかしその一分に 全てが込められていた。江戸の息を描き人 の城を信じ、時に世間を敵に回しても筆を 止めなかった男。歌まの絵はただの美では なく生きる証だった。スタジは手紙を 握りしめながらかつての記憶をたどる。て 出会った日のこと、まだ若かった頃の夢、 互いに未来を語り合った夜。彼の才能を誰 よりも信じたのは自分だった。世間が前を 潜めるほど大胆でまるで火を放つような 必時代 誰がこんな絵をかけただろう。女たちの 美しさだけでなくその裏に潜む孤独や誇り までも描いた。だからこそ彼の絵には魂が あった。しかし、その魂が時代に理解さ れることはなかった。幕府の取り締まりが 強化され、浮えは次第に風気を乱すものと される。自由に生きる者たちは1人、また 1人と消えていった。歌まもまたその流れ にこえなかった。愛する人がいた。橋本愛 が演じるその女性名も残らぬ1人の友女。 しかし彼女こそ歌まにとって唯一の現実 だった。筆の中でしか触れられないはずの 愛を彼は彼女の笑顔に見い出した。2人の 関係はひやかにそして確かに育まれていっ た。だが江戸の町はそんな純粋な思いさえ 許さなかった。立場も誇りも時代の壁も 2人を引き裂くには十分だった。それでも 彼は描いた。どんなに遠く離れても彼女の おかげを絵の中に閉じ込めた。あなたの 笑顔はいつか江戸を超えて生き続ける。 そう語った夜彼の目は確かに希望を宿して いた。だがその希望もやがて絶望へと 変わっていく。病に虫ばまれ筆を持つても 震えるようになった。それでも描くことを やめなかった。描くことだけが生きる証 だった。スタジオはそんな彼の姿を見て何 度も胸を締めつけられた。友として出版人 としてそして同じ時代を生きるものとして 何度も止めた。しかし歌まは笑っていった 。俺の絵は時代に殺されても残るさ。その 言葉の意味を今ようやく理解した。手紙の 最後には一言だけ彼女の名が書かれていた 。まるでその存在こそが全てであったかの ように。スタジオは涙をこらえながらその 名を指でぞった。かつて吉原の日に照らさ れ2人で歩いた夜。笑い声と写見線の音。 華やかで吐かなくてそしてあまりにも 美しい時間。あの夜がまるで夢のように 蘇える。時代の流れに飲み込まれていく 江戸の町で彼らの物語はひっそりと終わり を迎えた。しかしその終わりは決して悲劇 ではなかった。むしろ彼らにしか書け なかった生様だった。スタジュは手紙を胸 に抱きしめた。外では秋風が吹き抜け吉原 の日がまた1つ消えていく。だがその瞬間 心の中に小さな炎が灯った。あの時代を共 に駆け抜けた友の情熱。その日はまだ消え ていなかった。スタジは空を見上げ静かに つやく。お前の絵はまだ生きてるぞ。その 声は誰に届くでもなく、ただ夜空に溶けて いく。だが確かにその声は未来へと届いて いた。現代の私たちはその名を知っている 。北川歌まろ。その絵は200年を超えて 今も世界中で愛されている。スやザブ郎も また出版の自由と芸術の誇りを貫いた男と して語り継がれている。彼らの生きた江戸 はもう存在しない。 けれどそこにあった情熱と信念は今も確か に生きづいている。もしあの夜もう1度 会えたなら歌まはきっと笑って言うだろう 。俺は描き切ったと。そして津獣は答える 。俺は支えきったと。その短い言葉に20 年の絆と全ての思いが詰まっている。最後 の手紙を見つめながらスタジュはそっと火 を消す。吉原の夜に残された小さな明りが 彼の涙に反射して入れた。その光はまるで 彼らの時代の残強のようにゆっくりと闇に 溶けていった。だが完全には消えなかった 。心のどこかに確かに残っている。愛と 誇りそして別れ。その全てを抱きしめ ながら時代は静かに膜を下ろした。100 年後の今私たちはその物語を思い出す。 竜星と橋本愛が演じる2人の姿はまるで 過去と現在をつぐ橋のように見える。歴史 は繰り返さないが魂は受け継がれる。時代 が変わっても人を思う心、信じる力、 そして別れを超えて生きる強さ。それこそ が江戸から現代へと続くベラボの精神なの だ。そして今日再びその日がる。 江戸の夜に消えた愛の物語が今を生きる 私たちの胸に生きづく。スタの涙が照らし た最後の光は決して消えることなく未来を 優しく照らしている。