北ぐにのとも子

[音楽] この病院に来て半年。今日は私が初めて 盗夜。看護不要所での2年間。一応 いろんなことを教わったけれどいざ患者 さんの命を預かってみるとすごく責任を 感じてじっとしていられない。 この病棟に入院しているのはお年寄りが 多いので余計心配。 この川さんは脳出血で倒れた患者さん。 滅ったに口を効かないおじいちゃんだけど 、今夜は特に静か 心配になる。 特別室の吉田さんは何度覗いても起きていた。 はい。まだお休みにならないんですか? 怖いのよ。眠るのが。そのまま目が覚めないような気がして。 そんな先生はもうすぐ良くなるっておっしゃったでしょ。あら、可愛い。作ったんですか?あなたいくつだっけ? 17です。 いいわね。これからだもの。元気出してください。ほら、やっちゃんが早く良くなって帰ってきてちょうだいって待ってますよ。 あなたのおばあちゃんお元気?はい。今頃 大きないかいて寝てますわ。きっとうちの おばあちゃんのいびきってものすごいん ですよ。夜中にそのおばあちゃんのいびき で目が覚めるでしょ。腹が立って ゆ入り起こそうとするとピタ。また寝ると ぐーぐ。最後に諦めてこっちが寝ちゃうん です。よっぽどおばあちゃんが好きなのね 。はい。 母さんが忙しくていつもおばあちゃんにくっついてたからですね。小さい時からこと教えてもらったんです。 金がなるてつまいで [音楽] みな帰えろ [音楽] [音楽] 私おばあちゃんのためならどんなことでもしてあげるつもりです。幸せなおばあちゃん。 [音楽] あの、ちょっと はい。 これまた頼まれてくれねえか。 はい。はい。今度どこ出しましょうね。 どこでもいいよ。送り先あんたに任せるよ。ともちゃん嫌してきて。 [音楽] はい。 [音楽] はい、 看護師さん。はい。胸が苦しいのよ。 大丈夫。異ありませんよ。でもお薬もらっ てちょうだい。お願いだから。 はい。はい。待っててね。 井さん面会ですってよ。 はい。 誰だろう? お父ちゃん。 ああ、こっちに急に用事ができたもんだから寄ってみたんだ。元気か? うん。ばあちゃんは神血い痛がってない? ああ、今んとこ具合が良さそうだ。 母ちゃんや郎たちは? あ、みんな元気だ。 忙しいんじゃないのか。 もうすぐ引けるから両で待ってて。 うわあ、可愛いんだ。 夕べちゃんが徹夜で作ってたよ。 ふーん。大変だったろね、母ちゃん。私小学校卒業する時母ちゃんに叱られたっけな。 卒業式に来ていく母ちゃんの着物古くて嫌 だって言ったら [音楽] の光 窓の雪 海 月き に重ね つく [音楽] しか 次 の 開けてのけ は分かれゆ [音楽] 何が恥ずかしいもんか。母ちゃんの洋服どこも破れてもないし、汚れてもないよ。人間の寝ちは来てるもんで決まるわけじゃないし。立派な人はどんなボロ来たって立派なんだよ。 かっちゃん抱い。 た。 [音楽] お前たちにも辛い思いさせたが、あの頃が牛を増やしたり設備を作ったり、うちの一番苦しい時だったんだよ。 [音楽] うん。分かってた。 わがまま言ってよっかちゃんに叱られたっけ?あれはシャコタんだけに初行きが来て忙しいりの頃だったけどお人形さん買ってっって母ちゃんにセがんだらこの間やこばちゃん [音楽] [音楽] からもらったお人をたった 3日で壊したじゃないの。 あれ私がやったんじゃないもん。タツオがやったんだもん。 どこにでも放り出しとくからよ。物を粗末にする子。母ちゃん大嫌い。 母ちゃんのキちんぼ。 [音楽] あの時私は母ちゃんに甘えたかったんだ。 あの頃の母ちゃんや父ちゃんはいつも忙しく働いてばかりてちっとも甘やかしてくれなかったもの。 [音楽] 1度でいい精杯甘えてみたかった。 [音楽] ただいま。 [音楽] あら。 わあ、これ可愛いんだ。 [音楽] ばあちゃんにお礼いなさいよ。その人形夕べばあちゃんが一生懸命作ってくれたんだから。 [音楽] おばあちゃんか。 [音楽] おばあちゃん。ああ、お帰り。 [音楽] あの頃、父ちゃんも母ちゃんもお前たちに ありのままの生活を見てもらおうと思たん だ。ありのままの生活。 ああ、自分の手で働いて暮らしていくってことがどんなに厳しいか。ま、それさえ分かったら人間はお金やものを粗末にはできん。きっと人の命も大切にする。ま、それが分かればお前たちが世の中に出て 1 人で生きていく時きっと役に立つ。そう思ってた。 [音楽] 私はこんな父や母を恨んだことさえ何度も ありました。 でもあれは中学2年の秋だっけ [音楽] うん。 [音楽] [拍手] [音楽] どこ?こ、こ、とこ。 [音楽] [音楽] 気がついたか。もう大丈夫ですよ。 [音楽] どちで一時はどうなることかと思ったぞ。よかった。 [音楽] 父ちゃん。 あ、 講子は 講師? 今夜生まれる講師。 母ちゃんもばあちゃんもついてる。 心配さんでいい。あの場生まれた講師は死んだくてメスの講師だったのに。 よいしょ。ああ。 [音楽] ちゃんや。 今度の石父ちゃんがあんなに借金なにしてたのに。こはまた生まれる。とこの命には変えられないよ。 [音楽] 父ちゃん。 ん、 ごめんね。 父ちゃんの手は汚いぞ。 どうした? うん。父ちゃんや母ちゃんみたいないい人に大切にしてもらって、うちのおばあちゃん幸せだなって考えてたとこ。 当たり前だ。あのおばあちゃんは父ちゃんたちのたった 1人のお袋さんだぞ。 そりゃそうだけど。あ、そうだ。 これ今月の分ばあちゃんにあげて。 そんなことはもうやめとけ。私はもっともっとたくさん送ってあげたいくらいなのよ。 ばあちゃんの面倒を見るのはわしらの勤めだ。今の父ちゃんはそれぐらいの蓄をできてるんだぞ。 でも私 大地今までお前の送ったお金はおばあちゃんがみんな貯金してる。 そんなん少しずつだけど私だって計画立てて貯金してるのよ。 じゃあそのお金もそこに入れとけ。きっと いつかお前の役に立つ。 ばあちゃんのこともうわしらに任せて。 お前はお前の思ったように精一杯やってけ ばいいんだよ。うん。いいな。 シコタのあの伊付きしばれた冬の大地 あそこには父や母がいる。おばあちゃんが いる。 や妹がいる。働いて働いて。今日も生きている。そこに私の愛する人たちがいる。 [音楽] [音楽] 私を生み、私を育ててくれたあの故郷 [音楽] ばちゃんのことはもうわしらに任せて。 お前はお前の思ったように精一杯やって いけばいいんだよ。いいな。 [音楽] あーん。 口を開けてちょうだい。 あーん。 あー。 明日はいよいよですね。 はい。ありがとうよ。 いいね。あんたはみんなが退員するのを待っててくれるんだから。でもね、子供山にみんなでうちに来い。うちに来いって言われると帰って困ってしまうよ。 [笑い] 木村さん、小川さん、やっぱり私じゃダめです。お願いします。小川さん。はい。ご飯ですよ。 ああ。 はい。卵焼き。はい。 あ。 まさかこ、また世話かけるな。もっと病院に行ってくれればいいのに。なんでなんかするのよ。ごめんよ。気をつけて。ありがとう。 じゃ、さよなら。 さよなら。こんな不幸なお年寄りを見ると私はたまらなくなります。もっともっと大切にしてあげたい。お年寄りは好きで年を取ったんじゃないんだもの。 私が看護婦になろうと決心したのもうちの おばあちゃんが年々体の具合が悪くなり その辛そうな様子を見てたまらなくなった からでした。 うう。う。 ばあちゃん痛い。 ああ、いい気持ちだ。 本当は温泉にでも言ってゆっくりしてきてもらえればいいんですけど。 ありがとう。 私はその気持ちだけでたくさん。 でもばあちゃんには本当に苦労ばっかりかけて。おばあちゃんが死んだおじいちゃんのところにお嫁入りしたのが [音楽] 18 の時。その頃私の家の周りは一面の玄やで、その中でおばあちゃんは [音楽] 50 年くも必死になって働き詰めに働いてきたのです。 だから大きくなったらおばあちゃんの役に立ってあげたかった。みんなに可愛がってもらうんだよ。 [音楽] はい。 [音楽] 気をつけてね。 うん。 [音楽] 後悔しないな。 うん。 何度も言うが、看護なりたかったら高校出てからでもいいんだぞ。 私1日も早くなりたいんだもん。 [音楽] [拍手] この病院のお年寄りたちもきっときっと 苦労して子供を育て働いてきたに違いあり ません。 でもいいから黙って手続きしてちょうだい。 前田さん。 はい。お手紙。 おじいさん元気ですか?あき子も元気です。 この彦子っていうのは両親のいない みなしごでなかわいそうな子だが1人前に 手紙をくれるようになった。 また綺麗なきありがとう。私も14歳この 間のスキ大会で一等をもらいました。あの 手紙を書いてきた函館の施設の子もう1年 回して前田さんと分通してるのよ。 本当前田さん自分のうちの人から手紙が欲しいのよ。 8 人もお子さがりって言うんだもの。いつぐらい来てもいいと思うんだけど。 [音楽] また綺麗な絵はきありがとう。 [音楽] お友達や仲間の人たちは年寄りはわがままで自分勝ってだ 世話など真っぴらだと言います。でも誰も お年寄りの面倒を見なくなったらどうなる のでしょう? お年寄りだって一生懸命生きようとして いるのです。 一生懸命精一杯生きようと努力しているん です。 [音楽] ごめんください。 はい、おめでとうございます。長い間お世話になったわね。 教えていただいたお人形やっとできたんですよ。下手くそで恥ずかしいんですけど。 まあ、うまくできたじゃない。 これ私にくださるの? はい。そのつもりで一生懸命作ってみたんです。つまでもお幸せにお元気でいらしてくださいね。 ありがとう。大切に大切にしておくわね。 お母さんそろそろ行きましょう。 はい。はい。本当にありがとう。あ、すみません。はい。 お大事に。お、 ありがとう。 さよなら。さよなら。 [拍手] あの方、老人ホームに自分から入るんですってね。 お嫁さんとの合いが悪くてどうしてもうちに帰りづらいんですってよ。 よくある話よ。 さんください。番さん番あんなにお金持ちで幸せそうなのに。 ホームに入れるお年寄りはまだ恵まれてる方よ。特に吉田さんのように有料のホームに入れる人は限られてるわ。 どうしてもホームに行くんですか? さき子も今までのことは私が悪かったって 謝ってるんだし、 魔たちもみんなおばあちゃんを待ってるん ですよ。ここらで母さんもいい加減児に なるのやめたらどうですか? お金持ちなら一緒に住むお部屋だって いっぱいあるだろうし一緒に暮らして あげればいいのに私には分からない。 世の中の人たちにはね、お年売りが今本当 に欲しがってるものがよくわかってないの よ。 本当に欲しがってるもの。 そう。 みんなお年寄りには老人ホームやお金だけ 与えてればいいと思ってるでしょ。私も こな間だまではお年寄りが不幸なのは みんな世の中や政治のせいだと思ってた けど本当はそれだけじゃないのよ。 を打ち返してちょうだい。 [音楽] 私ももう一度やり直してみるよ。 [音楽] お願いします。小川さん、やっぱり私じゃ お食事してくれないんです。吉田さんから お礼嬢が来てるわよ。 [音楽] 私は年寄りにとってこの世の中は嫌なこと 、辛いことばかりだと思っていました。で も病院にいた半年間、あなたたちに接して 初めて人の誠意や真心を信じることが できるようになりました。年寄りはどうし ても日みやすく意地になるものです。どう か許してください。私も今可愛い孫たちに 囲まれて初めてそれに気がつきました。 これからは精いっぱい幸せに生きていき ます。 [音楽] 小川さんも元気にしてあげたかったら自分 の手で食べさせてあげなさい。あなたの 気持ちきっと通じるはずよ。はい。 あーん。 あー。 あー。 どうしてもダメなの?まだ私のやり方が気に入らないの? 世話かけるやつだが。ともちゃんいいからほっとけよ。 いや、 ともちゃんは不長さんの用事でしょ。いい、私が行くから。 何? わしは今まであんたのような若か [音楽] 最婚に世話かけるのがたまらんかった。こんな汚いを [音楽] そんなそんな暇ないな。 うん。 元気出して。 たくさん食べてちょうだい。 早く良くなって元気になってね。 はい。 [音楽] はい。 おばあちゃん、73歳のお誕生日お めでとう。 これは私が初めて自分で編んだ手袋です。 少し賃ばですがごめんね。 おばあちゃんいつまでも元気でいてね。 いつまでもいつまでも父ちゃんや母ちゃん に大切にされて長意気してね。 [音楽] [拍手] [音楽] [音楽]

受賞歴
文部省特選

作品概要
制作:英映画社 企画:貯蓄増強中央委員会
1974年 カラー 33分

あたたかい人間愛に生きる少女を育てた実在の家庭をモデルに、家庭教育の意味、今日の老人問題の底にあるもの、又貯蓄の真の意味を問い直そうとする。
(映文連「作品登録」データベースより引用)

スタッフ
製作:高橋銀三郎
脚本演出:酒井修
撮影:渡辺勇
照明:徳永忠
音楽:小沢直与志
録音:赤坂修一
製作担当:瀧川正年

キャスト:山内三砂江、本間文子、吉川満子、岡崎夏子、和沢昌治、鶴丸睦彦

4件のコメント

  1. ちょっと悲しくもあり、とも子の純真さ、やさしさ、そして頼もしさも感じられた。
    50年前もいまも、老人問題はなにも変わってないなあ…

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