年寄りは簡単に説得できる」息子に見下され、家を担保に取られそうになった72歳の私。だがその夜、私は静かに微笑んで決断した。翌朝、息子夫婦は青ざめた。【60代以上の方へ】
年寄りは簡単に説得できるんだ。72歳の さ木は息子の構生がそう言った瞬間自分の 心臓が止まりそうになった台所で朝食の 準備をしようと階談を降りた時偶然聞こえ てきた会は息子と嫁のあ根が自分の家を 担保に3000万円を借りる計画を話して いたのだ。この家だって俺たちが将来んだ から当然だろう。高晴の声はまるで自分が もう死んでいるかのような苦調だった。 その時さは決めた。この家を売ろう。 そして誰にも邪魔されない人生を始めよう 。これは72歳の1人の女性が息子夫婦の 金銭的作れ、真の自由を手に入れるまでの 物語です。もしこの話があなたにとって 意味があるなら是非最後まで聞いて くださいね。その朝さツ木は息子の高生と 嫁のあ根が台所で話している声を聞いて目 を覚ました。朝の6時だった。いつもの ように早起きして朝食の準備をしようと 思ったが2人の会話に足が止まった。 お母さんには今日話そう。高晴の声だった 。もう決まったことなんだから反抗をして もらうだけだ。本当に大丈夫?あ根の不安 そうな声。小ぎボさん、最近なんだか感が 鋭いのよ。大丈夫だって。年寄りは簡単に 説得できるんだ。この家だって。俺たちが 将来んだから当然だろう。さつきの胸が 締めつけられた。この家は夫の2人で30 年かけてローンを払い続けて手に入れた 大切な財産だった。ただ尾が5年前に 亡くなった後、1人でこの家を守り続けて きた台所に入ると高晴根は慌てたように 会話を止めた。おはようお母さん。高晴が 作り笑いを浮かべた。今日大切な話がある んだ。さツキは何も言わずに朝食の準備を 始めた。いつものように高晴の好きな 卵焼きと綾根の好きなフレンチトーストを 作った30分後、3人で食卓に座った お母さん高生が書類を取り出した。実は 新しい事業を始めることになったんだ。で も資金が必要でこの家を担保に入れて借り たいんです。あ根が続けた。大丈夫ですよ 。お母さんには何の負担もかけませんから 。さツ木は箸を置いた。書類を見ると確か に家を担保にした借金の申し込み書だった 。金額は3000万円。どんな事業なの? さツキが聞いた。インターネットを使った 新しいビジネスだよ。構成が曖昧に答えた 。確実に儲かるんだ。さきは黙っていた。 2年前生は株で失敗してさツキの老護資金 から500万円を借りていた。まだ1円も 返してもらっていない。ハ庫はどこにあっ たっけ?あ根が立ち上がった。すぐに済ま せましょう。待って。さツキが手をあげた 。もう少し考えさせて。高晴の顔が曇もっ た。何を考えるって?俺たちは家族だろう 。家族だからこそ慎重になりたいの。 お母さん時間がないんです。あ根の声が 少しきつくなった。来週までに書類を提出 しないとチャンスを逃してしまいます。 さきは書類を持って自分の部屋に戻った 1人になると急に疲れを感じた。最近 こんな会話が増えていた。何かにつけてお 金の話、自分の意見は聞いてもらえず、 いつも家族だからという言葉で押し切ら れるさきは仏壇の前に座り、夫の写真を 見つめたさん、どうしたらいいかしら?夫 が生きていた頃はこんなことはなかった。 ただおは優しい人だったが、お金のことに は厳しかった。老後の資金は絶対に手を つけるな。学癖だった。さツ木は引き出し から通帳を取り出した。ただお尾が残して くれた遺族年金と自分の年金を合わせても 好きに15万円ほど決して余裕があるわけ ではない。それなのに高晴根は当たり前の ように自分のお金を頼りにしてくる。去年 の夏根がエアコンが古いから新しいのに 変えたいと言い出した時のことを思い出し たさはまた使えるからと言ったが結局 25万円の最新型に変えることになった。 支払いはもちろんさき、その半年後高生が 車が故障したと言って100万円の中古車 を買った。これもさつきのお金お袋の家に 住んでやってるんだからこれくらい当然 だろう。高晴はそう言った。でもこの家の 名義はさきだった。固定資産税も高熱費も 全てさきが払っている。高生夫婦は生活費 すら入れていない。さツきは立ち上がって 夫の机の引き出しを開けた。ここには家の 権利書が大切にしまってあった。ただお尾 の名前から自分の名前に変更してからもう 5年が経つ。この家は私のものよ。さツ木 は小声で呟いた。突然携帯電話が鳴った 長女の右かだった。お母さん元気?ええ? 元気よ。高晴の調子はどう?最近変な 投資話にはまってるって聞いたけどさツキ は驚いた。あなた知ってるの?友達から 聞いたの?高生がお金を借りて回って るって。お母さん大丈夫?今のところは お母さん高生に騙されちゃだめよ。あの人 昔から金遣いが荒いんだから電話を切った 後さは考え込んだ。長女のミきは結婚して から1度も金銭的な無理を言ってきたこと がない。むしろ母の日や誕生日には必ず 贈り物を送ってくれる。なぜ同じ子供なの にこんなに違うのだろう夕食後さは2階の 自分の部屋にいた下から高晴根の声が 聞こえてくる。おふなんか怪しくない? 高晴の声だから言ったじゃない。最近の 小母さん前より頭が回るのよ。あ根が答え た。でも年寄りなんだから最後は折れる だろう。今まで俺たちの言うこと聞いてき たんだし。そうね。でももし断られたら どうするの?他に借りられるところもう ないでしょう。大丈夫だって。お袋は俺の ことが1番可愛いんだから。それにこの家 だって将来は俺のものになるんだ。今の うちに有効活用しても問題ないだろう。 さつきの手が震えた。将来は俺のものを まるで自分が死ぬのを待っているような 言い方だった。でも失敗したらどうするの ?この家さんが1人で住めなくなったら 老人ホームにでも入れる。それもいいかも な。正直年寄りの世話は面倒だし。あ根が 笑った。ひどいことを言うのね。でも確か にそうかも。小さん、最近物忘れも多いし さツは頭がクラクラした。物忘れが多い。 そんなことはない。むしろ高晴根の嘘や 矛盾を全て覚えている。明日もう一度話し てみよう。高晴が言った。今度は断らせ ない。さきは静かに部屋のドアを閉めた。 もう十分聞いた。翌朝高生晴と綾根が 出かけた隙にさツ木は担保貸し付けの書類 をもう1度見た連絡先として書かれている 銀行に電話をかけたもしもし田中さと申し ます。昨日息子が住宅担保ローンの相談に 伺ったと思うのですが少々お待ちください 。しばらく待っていると担当者が出た田中 様のご息子様の件ですね。確かに相談は 受けておりますがまだ正式な申し込みには 至っておりません。そうですか。実は私が その家の所有者なのですが、担保に入れる ことには同意していないんです。そうでし たか。所有者様の同意なしには担保設定は できません。ご息子様にはそのようにお 伝えいたします。電話を切った後、さツキ は少し安心した。でもこれは一時しぎに 過ぎない。高晴根は諦めないだろう。さき は改めて権利書を眺めた。この小さな 髪切れに自分の人生が詰まっている夫と 2人で働いて節約してやっと手に入れた。 私が死んだら確かに高生のものになる でしょうね。さツは呟いた。でも私はまだ 死んでいない。その日の午後高生とあ根が 帰ってきた。2人とも不だった。お母さん 銀行に電話したでしょう。高晴がいきなり 言った。ええ、さツ木は同時なかった。私 の家なのだから。当然よ。なんてことして くれたんだ。高晴の声が大きくなった。 せっかくのチャンスが台無しじゃないか。 チャンス?借金のことを投資なんだよ。 投資。お袋は年寄りだから分からないかも しれないが、これからの時代はネット ビジネスが主流なんだ。さツキは冷静に 答えた。2年前の株の失敗は忘れたの? 高生の顔が赤くなった。あれとは違う。 今度は確実なんだ。確実なら自分のお金で やりなさい。俺に金があったら苦労しない よ。高晴が怒鳴った。この家だって将来は 俺のものになるんだから今使っても同じ だろう。その瞬間さツキの中で何かが切れ た。将来さツキが立ち上がった。私が死ぬ まで待てないの?高晴は口ごもった。この 家は私のものよ。私が生きている限り私の もの。あなたたちが当然のように使える ものじゃない。お母さんそんなことを言わ ないで。根が慌てて割り込んだ私たち家族 じゃないですか?家族さが振り返った家族 ならなぜ私の気持ちを考えてくれないの? 家族ならなぜ私を騙そうとするのをその夜 さつきは一もできなかった。でも心は 決まっていた。この家を売ろう。その代金 で高生と綾根の手が届かないところで残り の人生を送ろう。72歳。まだ死ぬには早 すぎる。翌日さは市内の不動産会社を調べ 始めた。インターネットは使えないので 電話帳で探した最初の一件に電話をかけた 。もしもし。家を売りたいのですがどちら にお住まいですか?さツ木は住所を言った 。ああ、あの辺りですね。最近開発が進ん で土地の値段が上がっているエリアです。 蓄年数はどの程度でしょうか?25年です 。わかりました。1度拝見させていただけ ますでしょうか?できるだけ早く売りたい のです。現金で買い取ってくれる業者は ありませんか?担当者は少し驚いたよう だった。現金買い取りをご希望でしたら 弊社でも対応可能です。ただし市場価格 より少し安くなりますが構いません。 いくらくらいになりそうですか?実際に見 てみないと正確な査定はできませんが、 そのエリアでしたら4000万円前後 でしょうか?現金取りの場合は 3500万円程度になると思います。さき は心が踊った。十分な金額だった。今日見 に来てもらえますか?申し訳ございません が、今日は予定が詰まっておりまして、 明日の午前中はいかがでしょうか?お願い します。ただし家族には内緒にして いただけますか?もちろんです。翌日の 午前10時、不動産業者の佐藤という男性 がやってきた50代半ばで誠実そうな人 だったご家族の方はいらっしゃいませんか ?佐藤が聞いた。息子と嫁は仕事に出てい ます。私1人で決められますので大丈夫 です。佐藤は家の中を丁寧に見て回った。 庭も確認し、周辺の環境もチェックした。 とても良い家ですね。手入れも行き届いて います。1時間後、佐藤が査定額を示した 現金で3800万円でいかがでしょうか? 通常の市場価格より少し低めですが、1 週間以内に現金でお支払いできます。さき は迷わず答えた。お願いします。 ありがとうございます。では必要な書類を 準備させていただきます。所有権移転の 手続きも全てこちらで行います。いつ頃 までに引っ越せばいいでしょうか?来週の 金曜日までにけ渡していただければ分かり ました。契約書にサインしながらさツ木は 不思議な気持ちだった。30年間住んだ絵 をこんなに簡単に手放すことになるなんて でも後悔はなかった。むしろ解放感があっ た佐藤が帰った後さは引っ越し先を探し 始めた老人向けのマンションがいくつか あることが分かった。その日からさは密か に荷物の整理を始めた。30年分の思い出 の品じナでも持っていけるものは限られて いる。まず絶対に必要なものを選んだ夫の 写真。結婚指は大切な書類。そして少しの 洋服。次に処分するものを分けた古い家電 。使わなくなった食器。読み終わった本。 最後に子供たちに残すものを決めた。には 母親の着物と宝石箱、高生には父親の時計 とイ環でもお金に関するものは一切渡さ ないことにした。通帳委利書。これらは 新しい住所に持っていく整理をしながら さツ木は改めて思った。この家で過ごした 日々は全てが幸せだったわけではない。 特に最近の数年間は辛いことの方が多かっ た。新しい生活はきっと違う。自分のため だけに生きる生活。誰に気を使うことも ない。誰からお金の無信をされることも ない。水曜日さ木は市内の死に向け マンションを見学に行った駅からと分の 便利な立地にある地区10年の綺麗な建物 だった。こちらが1人暮らし向けのお部屋 です。案内してくれた女性が言った広さは 25m キッチンバストイレが独立しています。 部屋は小さかったがとても清潔だった。 南向きで日当たりも良い。管理費はいくら ですか?月額8万円です。水道高熱費、 インターネット、清掃サービスが含まれて います。お食事は1回のレストランをご 利用いただけます。いつから入れますか? すぐにでも大丈夫です。式金税金は不要で 最初の月の管理費を支払いいただければ さきはその場で契約を決めた。来週の 月曜日から住める完璧なタイミングだった 。帰り道さは軽やかな足取りだった。 新しい生活への期待で胸が踊った。金曜日 の夜、高晴根が帰ってきた時、さツキは すでに荷物をまとめ終わっていた。でも 2人には何も言わなかった。お母さん何か 部屋が片付いてない?あ根が気づいた。大 掃除をしたのよ。さツ木は平然と答えた。 土曜日の朝2人が寝ている間にさは静かに 家を出た。必要な荷物はすでに新しい マンションに送ってある。テーブルの上に 2の封筒を置いた1つは銀行からの担保 貸し付け拒否通知書のコピー。もう1つは 不動産売買契約書のコピー。そして短い メモを添えた構成。あや根家は売却しまし た。新しい住所は教えません。お金の無心 は2度としないでください。母よりさツ木 は振り返ることなく家を出たタクシーに 乗りながら新しい生活への第一歩を 踏み出した月曜日の午後さツキの携帯電話 が鳴った高生からだったお袋なんてことし てくれたんだいきなり怒鳴り声が聞こえた 。さツキは冷静に答えた。こんにちは。 こ晴んじゃないだろう。家を売るなんて 聞いてないぞ。あなたの許可は必要ない でしょう。私の家なんだから俺たちはどこ に住めばいいんだ?それはあなたたちの 問題よ。お袋正気か?俺たちを路島に迷わ せる気か?さつきは深呼吸した。あなた たちは40代の夫婦でしょう。自分たちで 何とかしなさい。お袋の世話をしてやって たのに。お知らずだな。世話。さツキが 笑った。私のお金で生活していたのは どっち?高晴は言葉に詰まった。お母さん 、今度はあ根の声が聞こえた。きっと何か の誤解です。話し合いましょう。誤解 さツキが言った。年寄りは簡単に説得 できる。って言ったのを忘れたの。あ根は 息を飲んだ。将来は俺のものになる。って 言ったのも聞いたわよ。さきは続けた。 まるで私が死ぬのを待ってるみたい。それ はそれはあ根が慌てた老人ホームにでも 入れるとも言ってたわね。年寄りの世話は 面倒だから電話の向こうが静かになった。 私はあなたたちが思っているほど耳が遠く ないのよ。さツが言った。そしてあなた たちが思っているほどでもない。おふ。 どこにいるんだ?高晴が聞いた。教える 必要はないでしょう。でも安心して。 とても快適よ。快適って何だよ。毎朝好き な時間に起きて好きなものを食べて好きな テレビを見る。誰にも文句を言われないし お金の話もない。そんな生活寂しくないか ?寂しいさツが考えた。全然寂しくないわ 。むしろ平和でも家族と離れて住むなんて 家族?さつきの声が冷たくなった。家族 ならもっと私の気持ちを大切にしてくれる はず。あ根がまた電話を変わった。 お母さん、私たち本当に困っているんです 。それは私の問題じゃないでしょう。お金 を貸してください。お願いします。お金 さツキが言った。私のお金は私の老語の ためのもの。あなたたちの借金返済のため じゃないわ。小さん、そんなこと言わない で。あ根が泣き声になった。私たちどこに 住めばいいんですか?賃貸を探しなさい。 普通の人はそうしているのよ。でもお金が 働きなさい。さツきが断言した2人とも 健康で若いんだから働けるでしょう。おふ 冷たすぎるよ。生が言った育ててもらった 恩はないのか?恩さきが起こったあなたを 育てたのは親として当然のことでもそれが あなたに私を利用する権利を与えるわけ じゃない。利用なんて利用よ。さツキが きっぱりと言った。私の家に住み、私のお 金を使い、私の将来を勝手に決めようとし た。それを利用と言わずに何というのを 電話の向こうで高生とあ根がひそひそと 話している声が聞こえた。お母さん、高晴 が再び電話コに出た。わかった。俺たちが 悪かった。だから帰ってきてくれ。帰ら ないわ。なぜだ?この数年間私がどんな 気持ちで生活していたかあなたたちには 分からないでしょうね。教えてくれよ。 毎日ビクビクしていた。さツキが静かに 言った。今度は何を要求されるのか、 いくら取られるのか自分のお金なのに自由 に使えない。そんなつもりじゃ。つもり じゃなくても結果はそうだった。さきが 続けた。私は72歳残り時間は限られて いるの。その時間を自分のために使いたい 。でも家族だろう。家族だからこそお互い を尊重するべきよ。お袋さようなら。高晴 でね。さツは電話を切り、すぐに着信拒否 に設定した3ヶ月が過ぎたさツの新しい 生活は想像以上に充実していた毎朝7時に 起きてマンションの庭を散歩する同じよう に散歩している住人たちと挨拶を交わすの が楽しい。朝食後はマンションの図書室で 読書する昔好きだった推理小説を読むのに 夢中になった。週に2回近くのスポーツ クラブで水中央勤務に参加している。最初 は恥ずかしかったが、今では楽しみの1つ になった田中さん、今日も元気ですね。 インストラクターの山田さんが声をかけて くれた。ありがとうございます。最近 とても調子がいいんです。それは良かった 。運動の効果が出てますね。運動の効果 だけではないとさは思った。心の平安の 効果だ。マンションにはさツキと同じよう な教遇の女性が何人か住んでいた。おの 午後は1回のラウンジでおしり会が開か れる。最初は参加するかどうか迷ったが 思い切って参加してみた。私息子夫婦と 同居していた時は毎日が戦争でした。70 歳の佐々木さんが言ったここに来てから やっと人間らしい生活ができています。 わかります。68歳の伊藤さんが頷いた娘 のところにいた時は孫の世話ばかりさせ られてさツも自分の経験を話したみんなに いたような経験をしていることが分かった 。でも寂しくありませんか?新しく参加し た田村さんが聞いた。最初はそう思った けど佐々木さんが答えた。今は全然。 むしろ家族と一緒にいた時の方が孤独だっ た。みんなが深く頷いた家族なのに理解し てもらえない孤独感ってありますよね。 さツキが言った早そう他人の方が親切だっ たりして伊藤さんが笑ったさツはこの会話 が心地よかった。誰も批判せずみんなが 共感してくれるマンションでは週に1度 生活講座が開かれていた。今月のテーマは 1人暮らしの家計管理。あった。皆さん、 老後の資産管理で大切なことは何だと思い ますか?講師の先生が聞いた。安全性?誰 かが答えた。はい。それも大切です。でも 最も大切なのは自分の意思で使うことです 。さきは身を乗り出した。お金は使うため にあります。でも家族に取られるために 貯めたわけではありませんよね。会場から 小さな笑い声が起こった。例えば旅行に 行きたい、美味しいものを食べたい、 習い事をしたい。そんな時に躊躇なく 使えるのが理想的な老護資金です。口座が 終わった後、さツ木は講師の先生に質問し た。先生、海外旅行なんて考えたことが なかったのですが、1人でも大丈夫 でしょうか?もちろんです。最近は 死に向けの旅行ツアーも充実していますよ 。その夜さツキは初めて旅行の パンフレットを取り寄せることにした。 ある日の午後午後、さきの元に熱い封筒が 届いた。送り主は高晴だった。中には3枚 の民線に書かれた長い手紙が入っていた。 お袋へ、元気にしていますか?もう3ヶ月 も連絡が取れず心配しています。あの日の 電話の後、俺とあ根は真剣に話し合いまし た。お袋の言う通り、俺たちは甘えすぎて いました。今は2人とも働いています。俺 は建設現場で、あ根はスーパーのパートで 小さな人体やパートを借りて2人だけで 生活しています。最初は大変でした。でも だんだん慣れてきました。自分たちの力 だけで生活するのは思っていたより悪く ありません。お袋に迷惑をかけ続けていた 時はいつも罪悪感がありました。でも今は そんな気持ちがありません。お袋の決断は 正しかったと思います。俺たちには1人 たちが必要だったんですね。でもお袋が 元気にしているかやっぱり心配です。時々 でいいから連絡をもらえませんか?構生さ は手紙を読み終えると複雑な気持ちになっ た。怒りは消えていたがすぐに許す気持ち にもなれなかった。でも構成が変わろうと していることは伝わってきた。翌日さきの 携帯電話にメッセージが届いた。根から だった。お母さん、お元気ですか?高晴 から手紙を送ったと聞きました。私からも 一言詫びを言わせてください。お母さんと 一緒に住んでいた時、私はお母さんを1人 の人間として見ていませんでした。ただの 高生のお母さん、お金を出してくれる人と してみていました。でも1人で生活する ようになってわかりました。お母さんも 自分の人生を生きる権利があるんだって。 私たちお母さんからその権利を奪っていた んですね。今は毎日働いています。疲れる けど充実感があります。お母さんに頼らず 生きていけることが嬉しいです。お母さん も新しい生活を楽しんでくださいね。あや ねさツ木は画面を見つめた2人とも本当に 変わったのかもしれない。でもすぐに返事 をする気にはなれなかった。まだ時間が 必要だった。ナツキは高晴の手紙とあ根の メッセージを机の引き出しにしまった。 怒っているわけではない。でも許したわけ でもない。ただ静かに受け取った夕方いつ ものように散歩に出かけたマンションの庭 には季節の花が咲いている田中さん。今日 は何だか考え事をしてますね。同じ マンションの住人。鈴木さんが声をかけて きた息子から手紙が来まして。どうですか ?良い内容だったんですか?悪くはあり ませんでした。でも複雑で鈴木さんは頷い た。家族のことは難しいですからね。鈴木 さんはお子さんと連絡を取っていますか? 月に1度程度です。必要以上に干渉しない ようにしています。それがいいのかもしれ ませんね。2人は黙って花を眺めた。 さツきは決めた。すぐには返事をしない。 でもいつか適切な時が来たら考えよう。 その晩、さツキは旅行会社から取り寄せた パンフレットを眺めていた。韓国3日間の 度。台湾グルメツアー、北海道の自然を 満喫。どれも魅力的だった。お金の心配を しなくてもいい。誰の許可も必要ない。 行きたいと思ったら行ける。この自由が今 のさには何より大切だった。携帯電話で 旅行会社に電話をかけた来月の韓国ツアー 。まだ秋はありますか?はい、ございます 。1人でのご参加でしょうか?はい、 かしこまりました。詳しいご案内をお送り いたします。電話を切った後、さツキは鏡 を見た。3ヶ月前より表情が明るくなって いた。髪型も変えてみようか。新しい洋服 も買おう。72歳人生はまだ続く。そして これからの人生は自分のものだ。翌朝 さツ木はいつもより早く起きた。窓から 差し込む朝日が部屋を温かく照らしていた 。コーヒーを入れながら今日の予定を考え た。午前中は図書館で本を借りる。午後は 美容院で髪を切る。夕方は新しくできた カフェに行ってみよう。小さな予定だ けれど、全て自分で決めたこと、誰にも 文句を言われない。高晴根と住んでいた時 は前やされらの機嫌を伺うことから1日が 始まった。今朝は何を作ろうか。お金の話 を持ち出されないだろうか。いつも不安 だった。でも今は違う。毎朝が新鮮で希望 に満ちているベランダに出ると同じ マンションの人たちが庭で体操をしている のが見えた。今度参加してみよう。さツキ は深呼吸した。すがす々しい朝の空気が肺 に染み渡る。これが本当の自由なのだ。6 ヶ月後の午後さは新しくお気に入りになっ たカフェで読書していた推理小説の最新作 犯人の正体が分からず夢中になっていた 携帯電話の着信音が鳴った知らない番号 だった。はい。田中です。お母さんミきの 声だった。ミきどうしたの?この番号は 携帯が壊れて公衆電話からかけてるの。 お母さん元気?とても元気よ。高晴から 聞いたわ。家を売って1人暮らしを始め たって。そうよ。寂しくない?全然毎日が 楽しいわ。ミきが安心したような声を出し た。それならよかった。実は高晴が心配し てるって聞いて高生がお母さんを怒らせて しまったって後悔してるみたい。あ根も 反省してるってさは少し考えた。そうでも 私は怒ってるわけじゃないのよ。じゃあ なぜ連絡を立ったの?距離が必要だったの ?私もあの子たちもミきは納得したように 頷いているのが電話越しでも分かった。 お母さんが幸せならそれでいいわ。 ありがとうミき、今度新しいお家を見せて もらってもいい?もちろんよ。いつでも いらっしゃい。電話を切った後、さツ木は 本を閉じて外を眺めた。通りを歩く人々を 見ていると、みんなそれぞれの人生を歩ん でいるのだと実感した。高晴もあ根も自分 たちの人生を歩み始めたのだろう。それで いい親子だからと言って同じ道を歩く必要 はない。さツ木は手帳を取り出して来月の 韓国旅行の準備リストを確認した。 パスポートは更新済み。洋服も慎長した。 レストランの予約も取った。1人で焼肉を 食べるのが楽しみだ。田中さん、いつもの コーヒーをお持ちしました。店員さんが声 をかけてくれた。ありがとうございます。 この店ではもうすっかり常連になった毎日 少しずつ新しい居場所を作っているさツは 銀行の残高を確認した。家を売ったお金は まだ十分に残っている。年金と合わせれば 好きなことをして過ごすのに十分だ。明日 は何をしようか。図書館に行って旅行 ガイドブックを借りよう。韓国の次は台湾 に行ってみたい。72歳。まだまだやり たいことがたくさんある夕方マンションに 帰ったさツ木は郵便受けを確認した右から の手紙と行会社からのパンフレットが入っ ていた右の手紙を開くと家族写真が1枚 入っていたミの家族の笑顔が映っている お母さんへ。先日は電話でお話できて 嬉しかったです。お母さんの声がとても 明るくて安心しました。生のことで心配を かけてしまって申し訳ありませんでした。 でもお母さんの決断は正しかったと思い ます。私も結婚してから自立することの 大切さを学びました。親に甘えているうち は本当の大人になれないんですね。高生も 今は働いて自分の力で生活しています。 最初は大変だったようですが最近は充実し ていると話していました。お母さんが教え てくれた自立の意味を高生もようやく理解 できたのかもしれません。今度の休みに 新しいお住まいに伺わせてください。 お母さんの新しい生活ぶりを見てみたい です。ミきさツキは写真を眺めながら 微笑んだ。ミきは最初から自立していた。 だから母親との関係も健全だった。高生と の違いは何だったのだろう。甘やかしすぎ たのか。それとも性格の違いか。でももう そんなことはどうでもいい。構成も変わっ たのならそれでいいさツは旅行の パンフレットを広げた韓国の美しい景色の 写真が並んでいる。1人旅は初めてだが 楽しみだった新しい場所で新しい自分を 発見できるかもしれない。その夜さツ木は ベランダに出て夜景を眺めたマンション から見える町の明りが美しい。この数ヶ月 で自分が大きく変わったことを実感してい た以前は常に誰かのことを心配し、誰かの 機嫌を伺って生きていた。でも今は違う。 朝起きた時、今日は何をしようかと考える 。自分のためだけに考える。誰かに怒ら れることもお金を取られることも理不尽な 要求をされることもない。これが本当の 平安なのだと思った携帯電話におしり会の メンバーからメッセージが届いた。田中 さん、明日のお茶会に参加しますか? 新しいケーキ屋さんに行きましょう。 さツキは返事を入力した。参加します。 楽しみです。送信した後、またベランダに 出た風が気持ち良い。明日は晴れそうだ。 高晴根の手紙のことを思い出した。いつか 返事を書こうでも急ぐ必要はない。自分の ペースで自分のタイミングでそれが今の 生活の全てだった。さツ木は部屋に戻り 明日着る洋服を選んだ。新しく買った ブラウス明るい色で自分でも気に入って いる鏡を見ると数ヶ月前より若々かしく 見える心が軽やかだからだろう。おやすみ なさい。たおさん仏壇に向かって手を 合わせた。私元気にやっているわよ。夫の 写真がいつものように優しく微笑んでいる ように見えた。翌朝さは旅行会社からの 電話で目を覚ました。田中様韓国ツアーの 最終確認のお電話です。ありがとうござい ます。持ち物や注意事項について説明させ ていただきます。電話を受けながらさツは 窓の外を見た。今日も良い天気だ。電話が 終わった後、コーヒーを入れて朝食の準備 をした。今日のメニューは自分の好きな ものだけ。フレンチトースト、フルーツ サラダ、ヨーグルト、高晴根がいた時は 毎朝2人の好みに合わせて料理を作ってい た。自分の好みは2の次だった。でも今は 違う。毎日自分の食べたいものを食べて いる食事を終えた後さは手帳を開いて今日 の予定を確認した。午前中銀行で旅行用の 外貨、午後美容院で旅行前のヘアセット 夕方おしり会のケーキや巡り全て楽しい 予定だった。準備をしながらさツ木は 改めて思った。人生に遅すぎることはない 。72歳でも新しい生活は始められる。 大切なのは勇気。そして自分を大切にする 気持ち、高生と綾根に利用され続けていた 時は自分の価値を見失っていた。でも1人 になってから気づいた自分にも価値があり 、尊重される権利があることをマンション を出る前に郵便受けを確認した。また構生 から手紙が届いていた。今度は読まずに そのままバックにしまった。今は旅行の 準備で忙しい。家族のことは後で考えよう 。外に出るとすがす々しい朝の空気が頬 を撫でた。歩きながらさツキは心の中で歌 を歌った。子供の頃に覚えた同様長い間 忘れていたのにふと思い出した青い空に声 日は響くまさに今の気分だった。青い空に 向かって歌いたい気分。銀行につくと窓口 の女性が笑顔で迎えてくれた田中様。韓国 旅行でいらっしゃいますね。素敵ですね。 ありがとうございます。初めての1人旅な んです。きっと良い旅になりますよ。両替 を済ませた後、さツキは銀行の窓から空を 見上げた。雲1つない青空。まさに新しい 出発にふさわしい空だった。そしてさツキ は確信した。自分の選択は正しかった。 これからの人生は全て自分のもの。誰にも 邪魔されない。本当の自由な人生。72歳 の新しいスタート。まだまだ人生は続く。 そしてこれからの日々はきっと輝いて 見えるだろう。街を歩きながらさツキは 小さく微縁だ。今日も良い1日になりそう だ。
制作スタッフ
企画・制作
企画・脚本: 山田太郎 (Yamada Tarō)
ストーリーテラー: 田中花子 (Tanaka Hanako)
ナレーター: 佐藤明 (Satō Akira)
技術スタッフ
映像編集: 中村浩 (Nakamura Hiroshi)
音響効果: 小林玲 (Kobayashi Rei)
撮影監督: 渡辺大地 (Watanabe Daichi)
デザイン・アート
イラスト制作: 林美久 (Hayashi Miku)
グラフィックデザイン: 藤原颯太 (Fujiwara Sōta)
アニメーション: 松田結衣 (Matsuda Yui)
管理・運営
プロデューサー: 鈴木健太 (Suzuki Kenta)
ディレクター: 木村奈々 (Kimura Nana)
チャンネル運営: 高橋涼 (Takahashi Ryō)
サポート
リサーチャー: 小川恵美 (Ogawa Emi)
翻訳: 石田健二 (Ishida Kenji)
品質管理: 森本彩香 (Morimoto Ayaka)
音楽制作: 井上拓海 (Inoue Takumi)
音声:
VOICEVOX:青山龍星