河瀨直美監督『たしかにあった幻』アオイヤマダ、永作博美、長谷川京子、藤本壮介の言葉を用いた特別予告【2026年2月6日公開】

河瀨直美監督の最新作『たしかにあった幻』が、ハピネットファントム・スタジオ配給で2月6日よりテアトル新宿ほか全国公開される。“愛のかたち”と“命のつながり”を主題に、日本の失踪者問題と心臓移植医療の現実を重ね合わせて描く、珠玉の人間ドラマだ。

 主人公コリーを演じるのは、『ファントム・スレッド』(2017年)や『蜘蛛の巣を払う女』(2018年)で国際的評価を受けてきたルクセンブルク出身の ヴィッキー・クリープス。聡明な大人の女性としての強さと、ふとした瞬間にのぞかせる少女のような脆さ。その両面を抱えながら孤独と向き合う心の揺らぎを、全身全霊で体現する。

 コリーが運命的に出会う謎めいた青年・迅役には寛一郎。さらに尾野真千子、北村一輝、永瀬正敏ら実力派が脇を固め、物語に奥行きを与えている。

 これまで河瀨監督の作品に主演したアオイヤマダ、永作博美、長谷川京子、大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の設計を担当した建築家の藤本壮介氏の言葉を用いた特別予告が解禁された。

 フランスから来日したコリーは、神戸の臓器移植医療センターで移植コーディネーターとして小児移植医療の普及に尽力するが、日本独自の死生観や倫理観の壁に直面し、無力感に苛まれていく。そんな彼女が一年前、旅先の屋久島で迅と出会い、太古から続く森の中で心を通わせていく。

 河瀨監督にとって「自然」は欠かせない存在だ。これまで撮り続けてきた「森」の中でも、屋久島の森は「王様みたいな存在」だと語る。本作における屋久島は、二人の出会いの地であると同時に、物語全体を包み込む“マザーロケーション”でもある。

 タイトルにある「幻」とは、本来は実在しないもの、あるいは存在自体が疑わしいものを指す言葉だ。それに「たしかにあった」という相反する表現を重ねた本作のタイトルは、二項対立を超えた新しい思想を象徴している。河瀨監督にとって6年ぶりの劇映画、オリジナル脚本としては8年ぶりとなる本作が見据えるテーマは、日本の臓器移植医療の現状と、年間約8万人にのぼる行方不明者問題という二つの現実だ。

 『あん』(2015年)で偏見の先にある生の歓びを、『光』(2017年)で失われゆく視力の中に見出す新たな愛を、『朝が来る』(2020年)で血縁を超えた母たちの絆を描いてきた河瀨監督。本作でも、「死」が終わりではないこと、そして移植医療によって命が受け継がれていくことを通して、「生」の意味を静かに問いかける。

 本作は第78回ロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映され、河瀨監督のマスターピース(傑作)と評された。確かに存在した“幻”のような時間と記憶が、観る者一人ひとりの心に深く刻まれていく。

ヴィッキー・クリープス 寛一郎
尾野真千子 北村一輝 永瀬正敏

中野翠咲 中村旺士郎 土屋陽翔 吉年羽響
山村憲之介 亀田佳明 光祈 林泰文 中川龍太郎

岡本玲 松尾翠 早織
小島聖 平原テツ 利重剛 中嶋朋子

監督・脚本・編集:河瀨直美
製作: CINÉFRANCE STUDIOS 組画 プロデューサー: DAVID GAUQUIÉ et JULIEN DERIS 河瀨直美
音楽:中野公揮 / 撮影:鈴木雅也 百々新 / 照明:太田康裕 / 録音:Roman Dymny 森英司 / 美術:塩川節子 小林楽子 橋本泰至 / 編集:Tina Baz / サウンドデザイナー:Roman Dymny Arnaud ROLLAND / サウンドミキサー: Emmanuel DE BOISSIEU / スタイリスト:望月恵 / ヘアメイク:寺沢ルミ / スチール:山内悠 / 監督補:北條美穂 / 助監督:甲斐聖太郎 
制作プロデューサー:齋藤寛朗 / アソシエイトプロデューサー:平川晴基
制作プロダクション: CINÉFRANCE STUDIOS 組画 / 制作協力:カズモ
日本宣伝・配給: ハピネットファントム・スタジオ /フランス配給:advitam / インターナショナルセールス: CINÉFRANCE STUDIOS
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