京都のチアリーダー5人が失踪 17年後、ハイカーが山奥で見つけたものは…
二千六年六月京都名城女子高校 の応援団に所属する五人の女子生徒が夏の公演のあと突 然と姿を消しました何が起きたのか誰にもわ かりません 電話も手掛かりも一切ありませんでしたそ して十七年の歳月が静かに過ぎていきました その沈黙を破ったのは北山 の山中で登山者が偶然見つけた一つの古びたスーツケースで した中に入っていたもの は 京都の街全体を新幹線させるものでしたどうか最後まで ご覧くださいこの事件の全貌が明かされま すそして未解決の物語を見 逃さないためにもぜひチャンネル登録をお 願いいたします少女ごしの朝日が食卓に穏やかな光の 帯を落としていた川が広美はいつものように ダ イニングロールの椅子に座り両手で温かい湯飲みを包み込ん でいた湯気は静かに立ち上がり その奥で彼女の目は虚空を見つめていた右手は反射的に かすかに震えながら茶をかき混ぜてい たがその動作に意識はなかったカチリと時計の音が 一つな るその音がこの家の静けさを際立た せた二千六年のあの夏の日以来ひろみの朝は変わらな かっ たいや変えられなかったあの日の夏の公園の 後双子の娘かなとゆうは突然と姿を消 した携帯も財布も家の鍵もそのままにまるで初 めから存在しなかった かのように最初の数年は警察や地域ボランティアと共 に捜索しポスターを貼あらゆる人づてを合わせた しかし何の手がかりも得られずやがて情報も報道 も消えていった人々の 記憶からも彼女たちの名前 は薄れていったそれでも広みの中であの子たちは 毎朝生きていたあのいのままの笑 顔で朝ごはんの席に座っている姿が今も脳 裏を離れないその時だった性弱 を破るように携帯電話が震えた机の上に置かれてい たそれらかすかな音を 立てながら木の天板の上をかすかに揺れる反射 的に目をやったヒロミは一瞬 瞬きをし そのまま凍りつ いた画面には白石翔る警部補の名前が表示されていた 十七年前に娘たちの失 踪事件を担当していた刑事数 年間は定期的に連絡を取り合っていたが事件が完全に迷宮 入りとされてからは交流も途絶えて いた十年以上ぶりの連絡だったヒロミ 電話白石さんからと向かいに座っていた夫 大輔がそっと声を掛ける彼の声も震えていたヒロ ミは喉が詰まるような思いでゆっくりと通話ボタンを押した かわがさんおは ようございます朝のお時間に失礼いたします 電話の向こうから懐かしくもどこか張り詰めた声が 聞こえてきた白石さん何かありましたか広見の声は 小さくしかし切実だった数秒の間の後白石は言っ た実は今朝北山の山中である 登山者が不審な荷物を発見しま した詳細は電話ではお伝えできませんが お嬢さんたちの事件と関係 がある可能性は高いと私たちは見てい ます 言葉の意味を理解するのにひろみは一瞬 かかった十七年とい う時間の重みが一気に胸にのしかかったそれは それは本当ですか何が 見つかったんですかそうとうのやっとだ った電話の向こうで白石は静かに息を整えた直接お話し したいと思いますでき るだけ早急に来て いただけますかひろみは無言で頷いた後すぐに迎えますと 答 えた電話を切るとまるで空気の色まで変わった かのようだった十七年間止まっていた時間が急 に音を立てて動き出したような感覚だった希望かそれとも 絶望かそれはまだわからないた だヒロミの心の奥に再び思ったものがあったそれ は確かめたいという強くおさえようの ない衝動だった彼女は立ち上がり湯飲みを机 に置いた行きましょう大輔さん静かにそう言うと玄関 へと向かった 川が広美と夫の大輔が所に到着す ると既に数組の夫婦が会議室に通されていた 白い軽公等のし たどの顔にも長い最絶の金が刻まれていた その中には十七年 前に一緒に学校の応援団で活動していた娘たち親たちもいた 木村夫婦は娘の美咲を村岡夫婦は理子を佐藤夫妻は一人 娘のさきをそして田中さんは 当時まだ高校一年 生だった綾香 の母だった全員が同じ想いを胸に抱えそれぞれの時間を 生きてきた人 だった 言葉を交 わさずともその場にただよう空気がすべて を物語っていた目を合わ せればあの日の涙が蘇り互いに何も言えなくなってしまう それでも誰一人 この呼び出 しを無視しなかった何かが再び動き出 したのだという直感があった警部補チライストール が入室し全員に深く一礼した後会議室の壁 に設置されたスクリーンにスライドを映し出 した一枚目の画像が現れた瞬間室内の空気が変わ ったそこに打ち出さ れたのは赤く色合わせたスーツケース森林の中東北 の根元に中場埋めれるようにして見つかったというこ のスーツケースが今朝 北山山中で登山士によって発見されましたと白 い氏は説明した続 けて表示された写真にはスーツケースの中身が映っ ていた埃をかぶった赤と白の布地が丁寧に畳まれていた それは明らかに京都 名城女子高校の応援団の制服だったこれうちの娘 が着ていたものと同じです誰かがそうつ ぶやいたすると佐藤婦人が小さく叫んだ私が塗ったんです あのスカートミシンで何日 もかけて先のために彼女の手が震え涙が頬を伝っ たヒロミは写真 に映る制服をじっと見つめていた縫い目の ほつれ胸元のリボンの折れ方そのすべてが記憶の中 の娘たちと重なった 言葉に ならない思いが喉元までこみ上げただ両手をにぎりしめてい たこれらの死体は現在鑑識班によって詳細な分析が 行われていますと白石は続けたディーエヌエー鑑定や繊 維の状態を調べ可能な限り情報 を得る予定ですその場のお やたちから次と声が上がった現場に行か せてください 自分の目で見たいんですどこで どういう状況だった のか知りたい白石は一瞬眉を潜めた現場は山奥で危険 ですまだすべてが確認されているわ けではありませんし立ち入りは原則として認めら れていませんしかし親たちの目は真剣だった十七年とい う年月は彼らの心を鈍らせるど ころかむしろこの瞬間にすべてを賭 けようとする覚悟を強めていたお願いです田中さんが 前に出て頭を下げたこれだけ待ったんです やっと何かが見つかったの ならどうか行かせてくださいしばらく沈黙が流れた 白い主はみんなの顔を見 渡しふっと小さくため息をついたわかりましたただし条件 があります 現場では警察の指示に必ず従ってください決 して指定された場所 以外には立ち入らないこと触れてはいけな いものにも手を出さないこと はいもちろんです全員が口を揃えて答えたまるでそこ に希望の欠片があると信じている かのようにそれぞれが再び胸に娘の重影を抱き ながら一つの光に導かれるように現場への同行が決まった 警察の車両は静かに北山の山道へと入っていった放送された 道路から未放送の林道へと変わるにつれ車内の 空気も徐に張り詰めていく 川が広美は助手席に座り窓の 外を見 つめていた梅雨のあいまの晴れた日で小蛍が道を照らし木の 葉が風に揺れるたびに日 の光がチラチラと揺れていたその景 色は美しくもどこか儚げだった 彼女の心に浮かん でいたのはあの夏の夜の記憶十七年前双子の娘たち が最後にステージに立ったあの 夜のことだった町内の夏祭りだった 地元の中学校と高校のクラブが合同で 開催する小さなステージに応援団の五人が立った 娘たちはまあるらしい制服に身を包み笑顔でステージに登場 した照明が少女たち の顔を照らし背景には浴衣姿の観客たちが拍手と歓声を送 っていた行け赤天使という声が飛 び交いひろみは客席から娘たちの名前を叫んで いたかなはセンターで力強く腕を振り妹のゆういはそ の隣でリズムよく足を踏み鳴らして いたその瞬間の笑顔は今でも鮮明に目に焼き付いている まるで昨日のこ との ようにその夜彼女たちは公演を終え仲間と一緒に更衣室で着 替えた後しばらくしてからす ぐ帰るとメッセージを送ってきたの が最後の連絡だったあの時どうして迎え に行かなかっ たのか何度も自分を責めた でもまさかそんなことが起きるなん て誰が思えただろうか道がさらに細くなり細さのな い赤土がタイヤの下で軽く滑るハンドル を握る警察官があともう少しで現場で すと告げたヒロミは現実を引き戻され 手のひらを無意識に握りしめてい た今 回スーツケースを発見したのは岩田直樹さんという方です 京都市内の会社に勤めるごく普通の会社員 で週末によく愛犬の空と山を歩くのが 趣味だそうですと後部座席の白石系部長が説明を続ける その時無線が鳴り岩田さん今現場にいますと別の警 察官が知らせてき たまもなく一行は広場のようなになった駐車スペース に到着したパトカーや捜査車両がすでに数台止ま っており現場には白いテントが設置され 黄色いタッチリー禁止テープが風に揺れて いたテントの横には 一人の中年男性と一匹のチュウワケンがあった 男性は日焼けした肌にキャ ップをかぶりリュ ックをしょっていたこちらが岩田直樹さんそして 空ですと警察 官が紹介した岩田は丁寧に頭を下げこん な形でを愛することになるなんて お悔み申し上げますと言ったヒロミは 軽くへしゃくし視線を足元に向けた空にうつし た空は静かに座りまるで全てを分 かっているかのようじっと広見 を見つめていたその日特に変わったと ころを歩いていたわけではないんです いつものルートで木の間を抜けていたんですが 空が急に立ち止まってうなるようにして一箇所を掘り始めて 最初は小動物でも いたのかと思ったんですでも掘ってみると布の切れ端が 見えて引き出すとそれがあのスーツケースでしたと岩田は 語ったその時の光景を思い出したのか彼の表情は曇り目が 少し赤 くなったなんというか空がそれを見つけるた めにそこに導いたような気がしてな りません誰もが言葉を失っていたた だそこにいた全員が犬の直感に導かれたこの 発見が偶然ではないと感じていた 十七年もの間沈黙し続けていた真実が今少しずつ形を見せ始 めていた白いテ ントの下テーブルの上に置かれた古 びた赤いスーツケースが静かに開かれていた 中には色合わせ ところどころほつれた 赤と白の布の京都名城女子高校の応援団の制 服が丁寧に畳まれて収めら れていた制服の胸 元には学校名の刺繍が薄く残 り袖のラインには汗と時間の跡が染み込んでいた 一人また一人が親たちがスーツケー スに近づきそれぞれの娘の記憶を重ね合わせるよ うにじっと制服を見つめた 誰もが無言のままただ涙を浮かべながらそれが確か に我が子のものであると確信していた このリボンの縫い方ゆいのやつです川が広美がそっと言った 私が手直ししてあげた時 ちょっとだけ曲がってしまったのよねその声は震えてい たが確かな愛情は込め られていた周囲は静まり返っていた遠くから鳥の鳴き声 と風に揺れる木の葉のざわめきが聞こえるその静 寂の中突 然誰かの足音が落ち葉を踏む音が聞こえ た光が木の隙間から差し込 みその光を背 にして一人の男がゆっくり と現れた皆さんお久しぶり ですその声に振り返った瞬間数人の親たちが小さく 息を飲んだ現れたのはかつての応援団の顧問 彼はすでに五十代半ばに差し掛かっていたが背筋 は伸び整えら れた髪には白髪がまじり彼はかすのおもかげを色濃く残して いたこんな形でを愛することになるとは彼は深く頭を 下げた私にとってあの子たちは今でも私の教え子で あり娘のような存 在です娘ですって川が広みの 心にひやりと冷たいも のが走った彼の言葉は丁寧で表情も悲しみに満ちていた しかしその今朝にはどこか違和感があったあの子たち がいなくなっ てから私もずっと探していました警察の動 きが鈍くても諦めることはできませんで したそう語るからさわの目は一見誠実そうに見えただが ヒロミの記憶の中には十七年前のささいな違和感が残ってい た当時彼は指導熱心な先生として評判だ ったが時折見せる行き過ぎたスキンシ ップ執物にこだわりすぎる態度 そして一部の生徒だけを特別扱いするその様子に何度 か違和感を覚えたことがあっ たあの時は娘に先生と二人きりになるのはい やと言われ軽く注意をしたがそれ以上 は深く考えなかったそれが今となっては悔やまれるからさ わ先生どうして現場に木村氏が静かに尋ねたニュースを見ま した現場 が北山だと知っていてもたって燃えられな く なってすぐに来 たんです唐澤はスーツケースの中の制服を見下ろした あの頃の笑顔が今でも忘れら れません彼の声には涙が混じっていたがヒロミの胸の中では 不安がますます膨らん でいった彼の登場は偶然かそれとも その場にいた誰もが心のどこかでその 可能性を感じていた現場の緊張が少し緩んだ午後 川が広美は自散したカメラを車に取りに戻ることにしたスマ ートフォンでは 画質が足りないと思い少しでも現場の状況を記録してお きたかった夫大輔も同行し二人は 警察の許可を得て駐車スペースまで 向かった空は少し曇り始め 森に柔らかな陰影を落としていたその 時だった小道の先小道の間に何かが動くのが見えたよ く見ると三人の男たちが重そうな朝袋のようなものを引 きずりながら森の奥へと進んでいた一人は袋の端を持ちもう 一人は周囲を警戒するようにあたりを見渡しもう一人 はスコップのようなもの手に 持ってい たちょっと見てとヒロミが小声で言い大輔も目を凝らした何 をしているんだ声をひそめなが らも大輔の口調には不安がにじんでいたするとそのうちの 一人がこちらの視線に気づいたのか顔をこちらに向けた そして何かを叫び残 りの二人も動きを止めた彼らは慌てて袋を持ち上げ身 を隠すように茂みの中へ走り去ったまるで何かを隠 そうとしていたかのようだった行くわよヒロミ は小声でいい足を早めた待ってヒロミ危 ない ぞだいすけが制止しようとしたが 彼女はすでに小道の奥へと踏み込んでいた三人が いた場所に到着するとそこには土が乱れ掘られた後は 生々しく残っていたス コップで掘り返したば かりのように土はまだ柔らかく締めていた落ち 葉の間には誰かが急い で隠そうとしたのか小さな布の切れ端も落ちてい たヒロミは何 かに導かれるように父の表面を手でなぞったそし てほんの数 秒後彼女の指先が何か硬いものに触れた指先でそっと土 を払うとそこには小さな銀色のピアスが埋もれて いた形はフーリンその下には細い赤い石が揺れていたこ れひろみの声が震えたこれあ の子たちの誕生日に送ったものよ双子の十三歳の誕 生日に一 つずつ風の国人が入ったピアスを彼女はピアスを手に取り刻 印を確認したそこ には 確かに小さく風と いう漢字が掘られていたそれはこの世に二つしか 存在しない彼女自身が特注で作ったものだった 間違いないこれ はかなかいゆいのものよ彼女の手は震え目には涙が浮かんで いた大輔はその様子を見 てそっと肩に手を置いたすぐに戻って白石警部補に報告しよ う 二人は足早に元の現場へ戻り他の親 たちや警察の視線が向けられる中ヒロミは慎重にピアスを包 んだティッシュを差し出した白い紙は受け取り手袋をした 手でそれを丁寧に封筒に入れたこのピアス確かに重要 な手がかりになりそうです 詳しく完璧に回し ます彼はそう言ったが表情は険しくなっていたその 男 たちは何かを隠そうとしていたもしかするとこれ以外にも証 拠がまだ周囲に残っているかもしれません ひろみはあの男たちの顔をはっきりとは見ていなかったか らそ の動きその慌てぶりすべてが何かを物語ってい た偶然とは思えない十七年の沈黙がついに少しずつ 破れ始めているのだその実感 が胸に重くのしかかっていた数時間後川がひろみ は夫と共に現場 から少し離 れた山のふもとにある小さな食堂に立ち寄っていた 北山の冷たい空気から逃れ温かい お茶で少しでも落ち着こ うとしたのだ店内は昭和の香りを残す古風なたたずまいで 木製の家具とすりガラス窓が どこか懐かしさを誘 っていた天井からぶら下がる電球色のランプがテー ブルの上に温かな影を落としてい たいらっしゃいませと 元気な声が響きひろみは顔を上げたカウンターの奥 から現れたのは二十代前半と思わ れる若い女性店員だった笑顔が明るく肩までの茶髪を一 つに結びエプロンのポケットにはボールペンが刺してあっ ただ がヒロミの視線は彼女の左耳に釘付けけになったそこには 小さな風鈴の形をした銀色のピ アスが揺れていた赤い骨部のガラ スが光を反射しまさにあのピア スのもう片方だとヒロミには確信があった 息を飲み視線 をそらさぬよう慎重に近づいたすみませんそのピアスどこ で手に入れたのですかひろみは 思わず尋ねた店員の女性は少し驚いたように目を丸く しああこれですか結構前にもらったんですよ と答 えたもらった誰 からですか大輔が続けて尋ねると彼女は少し頬を顰めたえ っと常連のお客さんで 中年の男性でしたここらでよく見かける人で君の 顔に似合いそうだって言って急に渡されたんです 最初はちょっと怖かったけどピアス自体は綺麗だった しなんとなく捨てられなくてその人の名前わかりますか 確か村上さんだったか なでもよく一緒にい た人の名前は覚えてますラウフィンだっていう変 な名前の外国人で近くの 山の上の休養牧場のオーナーらしいですその名前を聞いた時 ヒロミの中で何か がつながった 北山の奥山のいただきに近い場所にあるというその牧場の 存在は以前から警察も気にかけていたという話を 聞いたことがあるラウフィンガ ーゲラードラウフィンガーかつて行方不明事件が起きた直後 に急に京 都に移り住んだという噂のある人物だったその 牧場って今も営業してるのは いしてますよ地元の人はあまり近づきませんけどああ ちなみに私今日の夕方そこのスタッフに弁当を届ける予定な ん ですもし偶然ご一緒ってことなら彼女は軽く ウインクしながら意味 深なえみを浮かべたひろみと大輔は一瞬顔 を見合わせ たまるで運命はまた一歩彼らを導いているかのようだった 十七年間追い続けてきた断片の記憶と無数の偽 念が今ようやく形を帯び始めていたそれじ ゃあ偶然ということでついていってもいいかしら ひろみは静かにそう言ったもちろん道は ちょっとガタガタし てますけど気をつけてくださいねと店員は微笑んだ その耳元でフーリンのピアスがチリ と小さくなったその夜の夕暮れ川が広みと夫大輔は食堂 で出会った若い店員が運転するスクーターの後ろを 静かに車で追っていた北山 の山道をくねくねと登りながら心の中では 緊張が高まっていく 日が傾き森の影が長く伸びる中ス クーターはやがて古びた鉄の門の前で止まった 門には毒ろうびらろくろうびらというのの 木製プレートがぶら 下がっていた左右には高い鉄策が張りめぐらさ れその上には防犯用のカメラが小さく光を放っていた ビラという名とは裏腹に雰囲気はどこか重く無言で部 外者は入るなと語っているようだった 店員が問のインターホンを押すとわずかに機械音が鳴り鉄 門がギィ と重音しく開いたヒロミたちは車のエンジンを止 め息を潜めて様子を伺ったすると奥から出てきた のはなんと昼間森の中で見 かけたあの黒いトラックだった助手席にはあの時の人た ちの一人が乗っておりこちら を一瞬スルドク見たように感じたまずい と大輔がつぶやいたその時後 方から別の車が近づいてきた囲まれたことに気づいた時には すでにおそく三人の男が素早く近 づき車のドアを強引 に開けたここで何をしてる低い声で尋ねられ広見は 反射的に答えられなかった 男たちは彼らのスマートフォンを取り上げ車の鍵 を奪った中へ入ってもらおうかここは私有地だ無理やり導か れるようにしてヒロミとダイスケは六六ビラの敷地内へと 足を踏み 入れた道の両脇には枯葉が積もり建物へと続く道は薄暗くど こか暗 んでいたたどり着いた先は木造の平屋立てかつては別荘だっ たのだろうかだが今は古びた板壁と埃の匂いが支配する 閉ざされた空間だった 二人は中のいい室に押し込 まれ扉 の外から鍵をかけられた小さな窓が一つあるだけの 部屋で床にはかすかな血の跡がありまるで 長い間誰も使っていなかったようだった大 丈夫よ大輔ここで終 わりじゃないひろみは震える声をおさ えながら夫に向かって囁いたし ばらくして扉が音を立てて開いた現れたの は六十代中ばとおもしき 外国人男性白髪まじりの髪を後ろで結び 黒いシャツを着たその人物はどこか支 配的な空気をまとっ ていた私はジェラルドラウフィンダーよ うこそ私の美らえ彼 は穏やかな口調でそう言ったがその目は冷 たく笑っていな かったまるですべてを見透かしているような 眼差しだったひろみの背筋にぞくりと寒気が走った 十七年間追い続けてきた影がついに現実のものとし て 彼女の前に立ち現れたのだった薄暗い部屋に重苦しい沈黙 が流れる中川が広美と大輔は再び 男たちに腕を掴まれ無言 のまま外へと連れ出された風は闇森の音すら遠のえた ように感じ られた向かった先は敷地の奥にひっそりたたずむ古びた救車 その裏手に隠され るようにして地面に埋もれた鉄製の扉があ った開けろと誰かが低く命じるとキー と鈍い音を立て て重い扉が開か れた中から立ちのぼるのは締めた父の匂いとわずかに ともる非常灯の明かり鉄の階段を数段降り るとそこはまるで格闘場のような広いつき空間だっ た壁はコンクリート打 ちっぱなし空気は淀み時が止まったよう な空間だったそしてその奥の一角に三人 の女性がいたかすかな明か りの中で彼女たちの姿はいたおどり じしかあった痩せこけ肌は不健康なまでに白く服もボロ ボ ロしかしその目だけはかすかに光を宿 していた希望と恐 怖そして再開への祈りが交差するまなざし一 歩踏み出したヒロミの視線とその うちの一人の視線が交わった 次の瞬 間その女性の唇が震え小さな声が漏れたお母さ ん ひろみの足が止まっ たその声その目そのふるえ見間違えるはずがなかっ たかな娘 カナの名を呼んだ途端ヒロミの膝が崩れ落ちた地面に手をつ き嘔吐が込み上げるカナはゆっくりと立 ち上がり足元ふらつ きながらも母に向かって歩き 出すそして十七年ぶりの再開がようやく静かに果たされた ごめんねママずっと会いたかったかなの声はかすれて いたが確かに届いたヒロミは娘の体を抱きしめ その骨ばった背中に手を 回しただいすけも涙を浮かべながら二人の様子 を見守っていたしばらくしてカナはか すかに首を振ったでもみんな が生きてい るわけじゃないのその一 言で空気が変わったヒロミはカナの背中か ら手を離し顔を見つめた隣にいた二人の女性は無言で目を 伏せただ涙を 流していた飛鳥は広美菜を呼ぶと カナは静かに頭を振った飛鳥は十年前に病気で 言葉を失った広見の中で記憶と現実が交錯するかつて 一緒に踊っていたあ の夏の日の双子の姿が脳裏に蘇るあの時の笑顔あ の舞台の光あの手 病死すべてが今この地下室の中で重くのしかかってき た ここで何があったの大輔の声が震えながら響いたカナは 答えずただ静かに母の手 を握ったその手のぬくも りだけが過去と現在をつなぐ唯一の真実だっ たひろみとだいすけは娘のカナの手を握りながらかす かな声に耳を傾けていた地下室の空気は重く締めっ ていたがそれ以上に重苦しかったのはこれから語られる であろう十七年間の沈黙の真実 だったあの日の夜演技が終わってから 控室に戻ったんですカ ナの声は震えていた先生カラス沢はカ ラス沢先生がみんなにお疲れ様喉乾いたでしょうっ てジュースを配ってくれて 彼女の目は遠くを見つめていたそれを飲んでそこか ら先はよく覚えてないんです ただ目を覚 ました時にはこここの地下室にいたヒロミは無言で唇を 噛みしめた信じていた人間に裏切られた 娘の声が心の奥を突き刺す私たち五人はそれから 毎日同じ日を繰り返しました外の光も見えず 誰とも連絡できず名前すら呼ばれないままあの人たちに従わ なければならな かったあの人たちだいすけが声をひそめて尋ねたカナは静か にうなずいたカラスさは先制そしてジ ェラルドブラウフィンガー っていう老人ですあの人はここを管理 して る裏ではシーピーエ フっていう会社を使って表向きには観光や保養の 施設として見せてたけど実際は違う言葉を失っ た二人に カナは続けるカラス沢先生はよく来てました最初は優しい言 葉をかけてこれは夢の延長なんだ とか君たちは私の天使なんだってで も次第にそれが恐怖に変わっていって かなの手が小さく震えた逃げようとした子がいましたさえこ ちゃんでもある一 つ全員なくなって後で先生は笑いながら言ったん ですさえこは天に変えたよってひろみは思わず顔を 青い肩を震わせた大輔も静かに拳を握りしめていた何人か は病気にもなりましたでも病院には連れてい かれず自然と消えていくように一人また一人 かなの声はもはやささやきのようだったそのたび にカラス沢先生は言ってました残っ た子はもっと特別なんだやっ て私たちはただのおもちゃいや 所持物として扱われていたんです 地下室のせいじゃくに換気口 の風の音だけが響いていた言葉では表現 しきれない怒り悲し み絶望それらすべてが この空間に重なり合っていたジェラルドラウフィンガーは 表にはほとんど出ません でも食事の管理略高熱の操作全部彼の手 で管理されてましたシーピーエフという会社は彼が資金 を流しすべての目をあざむくための隠れ身の術でした じゃあ今まで誰も外の誰も気づかなかったの か大輔の声には怒りと呆然が混ざっていたカ ナは目を伏せた ままただ小さく頷いた十七年間ここは一度も調査された ことはなかった 森の中電波も届か ないこの場所で私たちはずっと消された存在 として扱われてきた んですその言葉が突き刺さるように響きヒロミは娘の 手を強く握った真実はようやく明らかになった だがその代償 はあまりにも重すぎた失われた命踏みにじられた未 来壊れた信頼深い絶望に包まれた地下室の中で ヒロミと大輔は娘カナの指示に従 い金属製の給食トレーに手にとったカナは素早くそれ を振りかざし換気 口に向けて 激しく打ち鳴らすカンかん かん製錬の中で反響する金属音がまるで 生きる石の叫びのように広がっていた 外の世界がどれだけ遠くにあってもこの音だけは 届いてほしいカナの目には希望と恐怖が入り混じっていた 数分あるいは永遠のような時間が過ぎた時 突然外から銃声のような足音と土星が響いてきた警 察だ動くなという叫び声と ともに重厚な鉄の扉が 激しく開かれ強い懐中電灯の光が一斉に地下室を照らした その光の中 でカナの顔が浮かび上がる 頬はこけ唇は乾いていたがその目には 正気が戻っていた彼女は思わずお母さ んと叫びヒロミの胸に飛び込 んだもう一度会えるなんてもう絶 対 に無理だと思ってた彼女の声は涙に書き消さ れていったヒロミも言 葉を発せずただ強く娘を抱きしめた 警察の捜査により地下室からはカナの他に 二人の若い女性キラとハナも発見さ れた三人は医療班に支えられながらゆっ くりと外へと導かれていった そこには初夏の風が吹き太陽の光が肌をなでて いたそれは十七年ぶりの自由な感覚だった一方カ ラス沢は現場にはいなかった しかし警察の法王は迅速だった 翌朝早く彼は別の経営逃亡中の車中で逮捕された 助手席には偽造書類と現金が入った小さなバッグすべてが彼 の罪を物語っていたカナは病院のベッドで目を覚ましそっと 窓の外を見つめた隣にはヒロミと大輔そ してキラと花がいた彼女は微笑みながら母の手を取りありが とうお母さんもう一度会えて本当に良か ったとつぶやいたしかし正則が戻るとそこには埋められない 空白が残っていたキラがうつむきながらリナちゃんはもう とつぶやいた 瞬間カナの表情は凍りつ いたリナ彼女の双子の妹は数年前に思い病に倒れ そのまま息を引き取っていたのだカナは泣きながら言ったリ ナは最後までお母さんに会いたいって言ってた毎晩星を 見ながら二人できっとまた会える でその言葉にヒロミは声も出せず娘を胸に抱 えたままただ肩を震わせるしかなかった自由は戻って きただが失われた時間と命はもう戻らない笑 顔 の裏にひそむ想いと痛みそれがこの物語の終わ らない結末ってあった聖酒の中に響いたお母さん という声それは十七年間の闇を裂くような祈りのようだった あの日から長い月日がたち ようやく母たちは答えにたどり着いたしか しそれは完全な ものではなかった病院の裏にある小さな湖のほとり かなは母はひろみと並んで腰 かけ何も語らずただ手を繋いでいた 指先に伝わるぬくもりは言葉以 上の 思いを抱えていた事件の全貌はまだ明らかではなく警察は 現在もシーピーエフ社を中心とした組 織的な犯罪の解明を進めているカ ラス沢とラウフィンガーは法の裁きを受ける ことになるだろうそ の一方で生き残った カナキラハナの三人は少しずつ あら確かに社会とのつながりを取り戻し 始めていたカナは騎士の前で こう語った奪われた年月はどんなことでも取り戻せませんで も今日から私たちはあの子たちの分まで生きていきます 闇が光を飲み込むときそれでも信じてください必ず ど こかに帰りを待つ日があるこ とをあなたはこの事件をどう感じまし たかもし自分が親だったらあなたはどこまで我が子を 探しに行きますか コメント欄でぜひあなたの思いを聞かせてくださいそし てこうした声なき物語が光に照らされるようチャン ネル登録とシェアをお願いします
ある夏の日、京都のチアリーダー5人が失踪した。誰にも気づかれず、手がかりもなく、時は静かに流れ… それから17年後、山奥で見つかった「ある物」が、すべてを動かし始める。
静かな日常に潜む闇。そして、京都のチアリーダー5人が失踪した謎の真相とは?この物語は、想像を超える「再会」へとつながっていく…。
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