【朗読劇】松茸【半七捕物帳】

[音楽] 浜酒の話の次は松たでなんだかうまそうな 料理の話かと思いきやこれがなかなか 変わった話で そうそう今回は特別出演ってことでお な染みの佐々木直さんに加えて眠りを誘う 朗読チャンネル民ロードクラブから声優の 社代一さんが参加してくれてるぜ。最後 まで聞いてってくれよな。 [音楽] 10月の半ばであった京都から到来の松岳 のかを土産に持って半老人を尋ねると愛の いい老人はひどく喜んでくれた。いや、 いいところへおいでなすった。実ははがき でもあげようかと考えていたところでした 。何別にこれというようがあるわけでも ないんですが、実は明日は私の誕生日で こんなじいさんになって何も誕生祝をする こともないんですが、年来の習わしで ほんの心ばかりのことを毎年やっていると いうわけです。もちろん改まって誰を招待 するのでもなく、ただ内同士が4人集まる だけで、あなたもご存知の三浦さんと セガレ夫婦と孫が2人。それだけがこの 狭い座敷に座って赤いご飯にお付きの1匹 も食べるというくらいのことです。この 前日に京都の松をいいたのはありがたい。 おかげで苗晩のお料理が1つ増えました。 そういう次第で何にもご馳そうはありませ んけれどもあなたも遊びに来てください ませんか?ありがとうございます。是非 伺います。あ日の夕方から私は約束通りに 出かけていくと他のお客様も皆揃っていた 。そのうちの三浦老人は大久保に住んでい て、昔は下編の大家さんを務めていた人で ある。私は阪老人の紹介で今年の春頃から この三浦老人ともになって大久保のうちへ も度々尋ねていって三浦老人昔話の材料を 色々聞いていたので今夜ここでその人と 会ったのは嬉しかった。 その他は阪老人の息子とそのさ君と娘と 男の子との4人連れであった。息子は お父さんと違って片着一方の人らしく、さ 君と共に四重行儀よく控えているので赤場 の座談は両老人が持ち切りという姿で 私たちは黙ってその聞き手になっていると 半知郎老人は善の上の松を指さしてこれは 私からもらったのだと説明したので息子 たちから改めて霊を言われて私は少し恐縮 した。 その松が話題になって両老人の間に江戸時代の松の話が始まるとやがて三浦老人が言い出した。 松たで思い出したが、あの輝屋の人たちはどうしたかしら。何でも明治になってから横浜へ引っ越して今も繁盛しているそうですよ。 お鉄の家は浅草へ引っ越してこれも繁盛し ているらしいと阪老人は答えた。世の中の 変わるというのは不思議なもので今ならば 何でもないことだがあの自分には大騒ぎに なる。12月の寒い晩に忍ばずの池で こっちも危うく小声じぬところ。あいつは 全くひどい目にあった。 こうなるといつもの癖で私は黙って聞いてばかりなくなった。それはどういう事件なんですか?あなたが飛び込んだんですか? まあそうですよと繁知郎老人はいた。今夜はそんな話はしないつもりだったが、あなたが聞き出したらどうで任するはずがない。今夜の予境に一隻おしりをしますかな。 そうなると三浦さんもかかり合いは抜け ないのだからまず女らきに太田の松岳の ことを話してください。 これはひどい。私に前をやらせるのか。 まあ仕方がない。話しましょう。三浦老人 も笑いながらまず口を切った。 お話の順序として最初に松た健上のことを お耳に入れておかないとよくその筋道が 飲み込めないことになるかもしれません。 ご承知の上州太田のド龍様。あそこにある 金山というところが昔は幕府へ松岳を健上 する場所になっていました。これですから 旧暦の8月8日からは抗義の乙女山という ことになって誰も金山へ登ることができ なくなります。この山で取った松が将軍の 口へ入るというのですからその騒ぎは大変 。小田の金山から江戸まで一中夜で 担ぎ込むのが例になっていて山から下ろし てくるとすぐに妊速の肩にかけて次の祝へ 送り込む。その祝のとや場にも妊速が待っ ていてそれを受け取るとまたすぐに 引っかいで次の宿を送る。こういう風に だんだん宿送りになっていくんですから それが決してグズグズしていてはいけない 。受け取るやすぐに駆け出すというんです から。祝熟のは大騒ぎでそれを待つけ 決して松などと呼び捨てにはなりませんが 見えると言うとの役人も人族もちになって お出迎いをする。いや、今日から考えると まるで嘘のようです。夏たのかは琉球の 畳表に包んでその上を今の染め朝で厳重に くくりそれに封印がしてあります。その 荷物の周りには手代わりの人速が大勢 つき添って1番先にお松たご用という木の 札を押し立ててわっしょいわっしょいとか くるまるでお見しでも通るようでした。 いや、今だからこうして笑っていられます が、その自分には笑いことじゃありません 。1つ間違えばどんなことになるかわから ないのですから。どうして、どうして みんな千な子の一生懸命だったのです。 とにかくそれで松場の筋道だけはお分かり になりましたろうから、その本問は阪老人 の方から聞いてください。ではいよいよ 本問に取りかかりますかな。半知老人は 入れ替わって語り出した。 [拍手] [音楽] 3年の8月15日は深川八の最令で外神田 の香谷からも嫁のおと女中のお鉄下の3人 が深川の親類のうちへ呼ばれて朝から見物 に出ていったがその昼過ぎになって誰が 言い出すともなしにA橋が落ちたという噂 が噛んだりに伝わった。文化4年の大事に 怯えていた人々はまたかと驚いて騒ぎ始め た。香谷ではお元の夫の次郎も母のお日で も目の色を変えた。万刀の半江門が若い もの2人を連れてすぐ深川へ駆けつけると それは何者かが人騒がにいふらした挙法で も女中たちも無事にうちに遊んでいた。 それが分かってまず安心して反江門は主人 の嫁の友をして帰るとお秀でもさ次郎も 死んだものが生き返ってきたように喜んだ 。こうして香屋の一家が笑いている中で嫁 のおの顔色はなんだか曇ってまだ青い眉の 跡が潜んでいるようにも見えた。元の顔色 の悪いのは母の目にもついたが、別に深く 注意するものもなかった。香谷はここらで も草分け同様の旧暇で店では糸や麺を売っ ているが主人の裁米は白年前にようって 今年23の次郎が1人息子で家得を相続し ていた。嫁の元は夫とは3つ違いの、 20十歳で18の冬からここへ縁いてきて 足かけ3年むつまじく連れっていた。彼は 武州熊谷剤の合能の2番娘で占量の自算金 を抱えてきたという噂であった。香谷の店 も相当の寝台であるから別にその自金に目 がくれたわけではなかった。小は円談の 決まった時にその親たちの言い込みには 何分心らの硬い中では思うような嫁入り 自宅をさせて送ることもできない。もう1 つには村でも最も古い家柄であるだけに娘 をよそ縁付けるなどというと色々面倒な 習わしもある。法房からも祝いものを くれる。またその変例をする。それもその 土地に縁づくならばどんな面倒な追えも 呼んどころないが遠い縁付けてしまうのに そんな面動を重ねるのはお互いにつまら ないことであるから差し当たっては行儀 見習いのために江戸の親類へ預けられると いう手にして万事失素に娘を送り出して しまいたい。もちろん江戸の方ではそう いうわけには行く前からそちらで相当の 支度をさせて儀式その他はよろしきように 頼むというのであった。その頃の監修とし て嫁の里が相当のうちであれば例えそれが 20の遠方であってもいわゆる里帰りに シトや無子も一緒に出かけていって里の 親類や近所の人たちにもそれぞれの挨拶を しなければならない。か慣れないものが 打ち揃って江戸から熊谷まで出ていくのは 随分厄介な仕事でもあるので香谷の方でも 帰ってそれを幸いに思って先方の言い込み を故障なしに承諾した。お元は下屋の ナコ土のうちに一旦落ち着いてそこで江戸 風の嫁入り自宅をして滞りなく輝へ 乗り込んだ。そういう事情で豪家の娘が ほとんど絡み同様で乗り込んできたので あるからその支度量として親元から占量の 金を送ってよこしたのも別に不思議なこと でもなかった。お元にはお鉄という若い助 がついてきたがそれも珍しいことでは なかった。元がここへづいてからただ1度 その親たちと姉が江戸見物を兼ねて輝へ 尋ねてきて一月ほども投流して帰った。 さ次郎と大本との夫婦中も死国 むつまじかった。彼女は大なしい素直な 生まれつきであるのでシュートのお秀にも 可愛いがられた。店や出入りのものの間に も評判が良かった。突き添ってきた女中の お鉄は今年18で、それも主人思いの正直 な女であった。こういう風であるから若 夫婦の中にまだウ孫の顔を見ることのでき ないのをおひねが1つの不足にしてその他 には輝一家の平和を破るような材料は1つ も見い出されなかった。店も相変わらず 繁盛していた。その嫁が深川の礼を見物に 行ってその留守に帯橋墜落の噂が伝わった のであるから香谷や一家がひっくり返える ように騒いだのも無理はなかった。それが 無事と分かってまた踊り上がって喜んだの も当然であった。しかしその翌日になって もお元の顔色の暗く閉じられているのが ものに一種の不安を感じさせた。取り分け てシュトのお秀が心配した。お哲や ちょいと。彼は女中のお鉄を自分の今へ 呼んで小声で聞いた。あのお元は今日も なんだか悪い顔つきをしているようだが どうかしましたかい?お医者に見てもらっ たらどうだとさっきも進めたんだけど別に どこも悪いんじゃないという。お前は昨日 一緒に出て別に何も思い当たることはあり ませんでしたかい?はい。別に何にも とお鉄は躊躇せずに答えた。 私もおしさんも四ご一緒についておりましたが何にも変わったことはなかったように存じます。最も橋が落ちて大勢の人が流されたという噂をお聞きになりました時には真っさになって震えておいででございました。 そりゃ無理もありませんのさとお日でも頷いた。 それが噂と分かって、お前さんたちの無事 な顔を見るまでは私も気がきでなかった くらいですから。 それにしても今日になってもまだ青い顔を していて、今朝の大然も6に食べてなかっ たというから私もなんだか不安心でね。だ がそれについていたお前が何にも知らない というようじゃ別に変わったことがあった わけでもあるまい。 人ゴみの場所へ行っておまけにそんな噂を聞かされたので血の道でも起こったのかもしれない。気分でも悪いようならば 2 階へでも行ってちっと横になっているようにお前から進めたらいいでしょう。 はい。はい。かしこまりました。 お鉄は丁寧に絵釈をして主人の前を下がった。 同じ方向人でも嫁の里から突き添ってきた ものであるから主人の方でも育分の遠慮が あり、方向人の方でも特別に義りくし なければならなかった。従って里方から 嫁入り先へ突き添っていくということは どの方向人もまず嫌がるのが習いで もちろん普通よりも高い金を払わなければ ならなかった。お鉄はお元の里方の作品の 娘で幼い時から地主のうちに方向しておと は取り分けて仲良くしている関係から彼が 江戸円ずについても一緒に突き添ってきた のであった。年の割には大柄でも見にくく ない。もちろん当人もせぜ注意しているの であろうがその風俗にも言葉遣いにも あまり田舎者らしいところは見えなかった 。鉄はやかに生事を占めて縁側に出ると 小さい庭の四つ目きの裾には2株ばかりの ハゲ塔が明るい日の下に薄く背いでいた。 故郷の秋を思い出したのかそれとも他に 物思いの種があるのか彼はその明らしい歯 の色をじっと眺めながらやがて低い ため息きを漏らした。 [拍手] [音楽] おい、姉さん、おめえ、そこで何をして いるんだ? 両獄橋の上には今夜の下がもう置いた らしく、長い橋板もラカも暗い中に薄く 光っていた。その下の光と水明りと煮かし てみながら、1人の男が若い女に声をかけ た。男は神田の半質で本のある無人公へ4 なしに顔を出して帰る途中であった。ねえ 姉さん、今自分そんなところにうろついて いると夜か引っ張りと間違えられる。この 寒いのにぼんやりしていねえで早くうち へ帰った方がいいぜ。悪いことは言わね。 早く帰りなせ。はい。低い声で返事をし ながら若い女はまだランカを離れようとも しないので、半質はつかつかと立ち寄って 女の肩に手をかけた。おめえも豪情な子だ な。石ワスに両獄橋の真ん中に釣ったって 何をしてんだ。四重七士の敵内はもう 通りゃしねえぜ。 それともおめえ、田元に石でも入れている のか? 阪は初めから彼女をみげと見ていたので あった。 事項は石という12月の酔い。場所は 両獄橋。相手は若い女。おらへの道具は 揃っているので、彼はどうしてもこの女を 見捨てていくわけにはいかなかった。本当 に悪いシれだ。このサム空に冷てえ真似を するもんじゃねえ。早く行かねえと 引きずってって橋番に引き渡すぜ。女は 黙ってすすりなきをしているらしかった。 どうで死のうと覚悟するほどの女に涙は つき物と知りながらも半質はなんだ かわいそうになってきたので捕まえた手を 緩めながら優しく言い聞かせた。さっき から俺がこんなに口を聞いているのがおめ には分からねえのか。 橋番へ引き渡すなんて言ったのは俺が悪い 。そんなやぼなことはやめにしてここで おめえの話を聞こうじゃねえか。そして どうでも死ななけりゃ収まらねえ筋がある なら俺が手伝って殺している名物でもねえ 。 また死なずとどうにか住みそうな筋合い なら古い千龍じゃねえがよす田元の石を 捨てなせえと俺も相談に乗ろうじゃねえか 。 おい、黙っていっちゃ困る。なんとか返事をしてくれねえか。 ありがとうございます と女はやはり泣いていた。 せっかくでございますけれど、どうにもこればかりは申し上げられません。 それはどうで言いづれことにそういねえ。だが言わずにちゃ果しがつかねえ。くどいよだが決して悪くはしねえ。 人に明かして悪いことなら決して他言もしねえ。俺も男だ。こうして正を立てた以上は必ず嘘はつかねえから。ま、安心して話して聞かせるがいいじゃねえか。 ありがとうございます と女はまたすり上げて泣いた。聞いたような声だなと半地は首をかしげた。 さっきもそう思ったが、どうも聞き覚えが あるようだ。 おめは知っている人じゃねえかい。 俺は神田の反質だよ。反の名を聞いて女は にわかに驚いたらしく、慌てて彼を 押しのけるようにして逃げ出そうとした。 しかしその帯は半室の手にしっかり掴まれ ていた。おい、何をする?おめえは よくよくわからねえ女だな。 もう仕方がねえ。腕づくださ。はいべ。彼 は女の腕を捉えて橋詰めの晩御屋へ ぐんぐん引きずっていくと。橋盤の親父は 安価を抱えて酔いからい眠りをしている らしく、ロソの日までが薄暗くぼんやりと 眠っていた。半地は俯いている女の顔を 引き向けてその日の前に照らしてみた。 ん?おめえは香谷の方向人だな。女は香谷 のお手であった。半は少し聞き合わせる ことがあって、夕べ屋の店に腰をかけて 万頭の反笑と話していると。小僧たちは家 に行っていて留守であったので、奥から 女中のお手が茶を持ってきた。 半質は商売だけに1度で彼の声も顔も記憶 していたのであった。この香谷の女中が なぜ今頃心を敗壊してみを食立てたので あろう。気料も悪くなしかつは年頃である からその原因はいずれ恋いのもつれで あろうと反すに悟った。こうなりゃ なおさらのことだ。まんざら知らねえ 顔じゃなし。いよ。はい。さようならと いうわけにはいかねえ。 それでおめの名は何て言うんだっけね? 鉄と申します。 うん。そのお鉄さんがなんで死のうとしたんだ?相手は誰だ?店のものかい? いいえ、そんなわけじゃございません とお鉄は慌てて打ち消した。 決してそんなずらことじゃございません。 半は少し当てが外れた。 色以外になぜ死抜きになったのかと彼は 色々にしたが、お手はどうしても口を開か なかった。そればかりはどうしても言われ ないと合情を張った。いくら脅しても すかしても相手があくまでも寝強いので 反質もしまいにはモて余した。おめえどう しても言わねえか。 すみませんが、どうしても申し上げられません と。お鉄はどんな拷問をも恐れないというようにきっぱりと言った。もうこの上は半質もさすがに手のつけようがなかった。差し当たっては別に罪人の疑いがあるというわけでもなしとに若い女 1人をどう処置することもできなかった。 橋番に引き渡していくか、それとも本人の うちへ送り届けてやるか。まずその2つ より道はないので、阪町内まで一緒に連れ て行ってやろうと思った。寝ぼけマ子を こすっている親父には別に詳しい話もし ないで、彼はお鉄を促して橋番小屋を出た 。 しの夜の寒さが身にしみるのか、何か深い 物思いに沈んでいるのか。小鉄は両袖を しっかりとか書き合わせて肩をすめながら 大なしくついてきた。小屋を出ながらふと 見返ると放りをした1人の男が往来に のっそりとつったってこっちをじっと覗い ているらしいのが半質の目についた。彼は 立ち止まってその風艇を見定めようとする 暇に相手は急に身をひ返して逃げるように 橋を渡っていった。 おかしなやつだと半はしばらく見送っていた。おめえ今の男を知っているのかと彼は歩き出しながらお手に聞いた。 いいえ。 その声の少し震えているのを反地は聞き逃さなかった。おめえ寒いのかい? いいえ。 だってなんだか震えているじゃねえか。 あの男とここで落ち合って一緒に真獣でもする約束だったんじゃねえかと半はカをかけるように聞いた。 いいえ、そんなことは決してございません とお鉄は小声に力を込めて答えた。 2 人はそれ切りで黙ってしまって暗い柳原の土手を並んでいった。 例え真獣は嘘にしてもかの放りの男とこの お手との間に何かの因縁があるらしく思わ れるので半は色々に考えながら歩いた。 彼柳の暗い影をゆり乱み出す夜風がを吹い て半は凍るように寒くなった。彼は柳の下 に煮を下ろしているよかそ麦屋の明りを見 て思わず足を止めた。はい。 おさん、どうだ?いっぱい付き合わねえか? 私はたくさんでございます。 ま、遠慮することはね、何も付き合いというもんだ。何しろこえちゃやりきれねえ。ま、いいからいっぱいっていきね。辞態するお鉄を無理に誘って半は暑いそばを 2敗頼むと麦屋は 6 スと言って下屋から田の方へも毎晩回ってくる男であった。 おや、親ぶさんでございましたか。 こんばんは。どちらへ?おお、ロスケじい さんか。ベラボに寒いじゃねえか。今夜は 4所なしに本所まで行ってきたんだが、 おめも毎晩稼ぐね。ええ、私どもは今が 書き入れでございます。言いながら彼は安 の暗い日に顔を背けて立っているお鉄に目 をつけた。ああ、香谷のおつさん。今夜は 親分と一緒かと彼は不思議の連れを怪しむ ように鍋の下を仰ぐ内輪の手をやめた。何 ?途中で一緒になったんで柳原の道行きさ と半は笑った。じいさんなんぞ夜の過業だ 。毎晩こんなものをいくせられるだろうね 。親父を相手に冗談を言いながら、半は そばを2敗変えた。その間にお鉄は1杯の 半分ほどをすり込んだばかりで橋を置いて しまった。 [拍手] [音楽] 外田の大通りへ出るとしの夜の町はまだ 明るかった。香屋の店も開いていた。自分 の店へだんだん近づくにつれて、お哲は 半地に今夜の霊を熱く述べて、店まで親分 さんに送ってきてもらっては誠に困るから 、どうかここで別れてくれと仕切りに頼ん だ。主人持ちの彼としては定めて迷惑する であろうと反地もバンバンしていたので、 この上必ず不良件を起こさないようにと くれぐレも念しておに別れた。彼はそれで も三重が隠れに5六件ついていって、お鉄 が主人のうちの水口へ入るのを見届けて、 それから三川町のうちへ帰った。本人の口 からは確かに白上しないが、お鉄がみげの 覚悟であったらしいことは反質にも大抵 想像された。どんな事情があるか知らない が、高が若い女のことでどうでも死な なければならないというほどの深いわけが あるのでもあるまい。こうして人間1人の 命を助けたと思えば、半質は決して悪い 心持ちはしなかった。 それから2日ほど経つと半は香谷の近所で おに出会った。 彼女はどこへかいにでも行くらしく、 かなり大きい風呂包ず包みを袖の下に抱え ながら足早に歩いていた。向こうでは気が つかないらしく、別に挨拶もしないで 生き違ってしまったが、こうして無事に 務めているのを見て反質もいよいよ安心し た。石ワスに色々の忙しいよう抱えた反地 はいつまでも香屋の女中のことなどに屈し てもいられなかった。彼はもうそんなこと を忘れてしまって他のご用に毎日追われて いると押し詰まったしももう10日余りを 過ぎていよいよ深川の年の市というその 善夜であった。 半は妙人下の妹を尋ねていくとその町内の 角でかの蕎麦屋のに出会った。こんばんは 。相変わらずお寒いことでございます。 本当に寒いね。まるといよいよ寒さが身 にしみるようだ。言いかけて半はふとこの 間の晩のことを思い出した。彼はロスを 呼び止めて聞いた。おじいさん、おめに 少し聞きてことがある。おめはあの香谷の 女中を前から知ってるのかい?ええ、 あそこのお店の近所へも飽き内に参ります ので。そりはそうだろうが。ただそれだけ の馴染みかい。他にどうということもねえ んだね。相手が相手だけに助も少し考えて いるらしかったが、猛図付近の間から しょぼしょぼした目を主彩らしくめながら 小声で聞き返した。 親番さん、何かお調べのご用でもあるんでございますか? 御用番というほどのことでもねえが、あの番俺と一緒にいたお鉄という女に男でもあるのかい?男だかなんだか知りませんが、若い男が時々に尋ねてくるようです。 6助の話によると、先頃から 1 人の若い男が時々に輝所へ来てうろうろしている。 自分が煮下ろしているところへ来てそばを 食ったことも23度ある。そして誰かを 待っているらしいそぶりであったが、 やがてそこへ香谷の女中が出てきて男を 暗い子影へ連れて行って何かひそひそと 支いていたというのである。 その年頃や風俗がこの間の晩両国の 橋番小屋の外にうろついていた男によく似 ているらしいので、阪い彼とお哲との間に 何かの因縁のままっていることを確かめた 。その男というのは江戸じゃございません よとはさらに説明した。どうも熊谷編の ものじゃないかと思われます。私もあの 地方の生まれですからよく知っていますが 、言葉の鉛りがどうもそらしく聞こえまし た。香谷の若い女将さんも女中も熊谷の人 ですからやっぱり何かの知り合いじゃない かと思いますよ。うん。そうだろうと反質 も頷いた。国物同士が江戸で落ち合って それから何かの関係ができる。そんなこと は一向珍しくないと彼も思った。この間の 晩、お鉄が両獄橋の上を彷徨っていたのも みや真獣というほどの込み入った問題でも なく、あるいは単に相引きの約束を決めて あそこで男を待ち合わせていたのかもしれ ない。こう考えるといよいよたいのない 花肌つまらないことになってしまうので あるが半質の胸にただ1つ残っている疑問 は自分に対するその当時のおの態度であっ た。彼はどうしてもその事情を打ち明け ないと言った。その一生懸命の態度がどう も普通の出会いや相引きぐらいのことでは ないらしく、何かもう少し入り組んだ主彩 が引っくわ れてならなかった。 しかしもその以上のことは何にも知らない らしいので、半もいい加減に挨拶して別れ た。 れて12件歩き出してふみ返るとあたかも 彼の立ち去るのを待っていたかのように 放りをした1人の男が蕎麦屋の前に立った 。その後ろ姿がかの両獄橋の男によく似て いるので半質も思わず立ち止まった。案外 無駄骨折りになるかもしれないとは思い ながらもこの職業に伴う一種の好奇心も 手伝って彼はそっと後戻りしてそこらの兵 の外にある天水桶の影に身を潜めていると 今夜も暗い酔いで膝の辺りには土から 染み出してくる下の寒さが痛いように強く 迫ってきた男は暑いそばの煙を吹きながら 時々に辺りを見回しているのはやはのお鉄 を待ち合わせているのであろうと半は想像 した。しかもそのお鉄はなかなか出てこ ないので男は少しずれてきたらしく2敗の そばを変えてしまって銭を置いてすっと出 ていった。ここはほとんど下屋と神田との 境い目にあるところで、南に向かった彼の 足が香谷の方へ進むのは分かりきっている ので、半もその隠れ場所から出してすぐに その影をしっていくと男は果たして加屋に 近い横町の暗い影に入った。そこで彼は 放りを占め直して両手を袖にしながら再び しばらく佇んでいるとやがて女の下駄の音 が聞こえた。女は賑やかな大通りを避けて 薄暗らい裏通りから回り道をしてきた らしく、跡先を伺いながら男のそばへ忍ん でいった。 2人はその後も時々に左右を見返りながら 何か小声でさやき合っているようであった が、愛肉その近いところには適当の隠れ 場所が見当たらないので、ただその挙動を 遠めに伺うばかりで彼らの低い声は反の耳 に届かなかった。そのうちにダパンはどう 間違ったのか知らないが男の声は少し荒く なった。じゃあどうも仕方がねえ。 俺はこれから輝行って女さんに団するだ。 バカな と女は慌てて遮えった。そのくらいならこんなにわけを言って頼みしないじゃないか。なんぼなんでもあんまりだよ。そんな約束じゃないはずだのに。 女は悔しそうに震えていた。男はせらった。 それはそれはこれだよ。 だから女将さんにわけを話して 2人でどこへでも行こうじゃねえか。 そんなことができるもんかね と女はの知るように言った。こうした押し問答がさらに 23 度続いたかと思うと、もうこえきれないふが 1 度に破裂したように女の鋭い叫び声が聞こえた。 ちくし覚えていろ。 彼女は帯の間から刃物を取り出したらしい。 相手の男も不に驚いたらしいが、半質も 驚いた。彼はすぐにかけていって、男を 追い回している女の聞き腕を取り押えた。 女は髪剃りを持っていた。おい、おつ。 つまらないことはするもんじゃねえ。反響 のうちでもおはさすがに反の声を聞き分け たらしく、身をもきながら息を弾ませた。 親ぶさん、どうぞ話ください。 あいつし、どうしても殺さなければ なあ、危ねえ。殺すほどの悪いやつがあるなら俺が捕まえてやる。その一区を聞くと男は何と思ったかにわかに引っ返して逃げ出した。もう猶予はならないので半はまずお鉄の手から剃りをもぎ取って続いて彼の後を追っていった。 男はやはり大通りへ出るのを避けて 薄暗らい裏通りの横丁を塗って池の旗の方 へ逃げていくのを半も婚欲追い続けた。敵 がだんだんに後ろへ迫ってくるので逃げる 男はいよいよ慌てたらしく凍っている小石 を滑ってつまづくところへ半質が追いつい てその帯の結び目を掴むと帯はほけかかっ て男は少しためらった。ここをつけって さらに彼の袖を引っつかむと男はもう絶対 絶命になったらしく、着ている布の子を するりと脱いで酸っぱ高かのままでまた 駆け出した。半は後ろからその布の子を 投げかけたが、人足の違いで彼は運よく すり抜けてしまった。こうして一生懸命に 逃げたが、敵は息もつかせずに追い迫って くるので、男はもう逃げ場を失ったらしい 。彼は目の前に大きく開けているしのバず の池の水明りを見ると滑るようにそこに かけていって裸のままで騎士から飛び込ん だ。これほど豪情に逃げて逃げてしかも 最後には池に飛び込むという以上。彼は 何かの従罪犯人であるらしく思われたので 半も着物を脱いでいる暇もなしにこの寒い 夜に水に入った。 [拍手] [音楽] 忍ばずの池に沈んだ男の姿は容易に 見当たらなかった。火星の手を借りて彼の 凍った死骸を枯れたの根から引き上げたの はそれから半時の後であった。水連を知ら ないらしい彼がこの下に赤裸で大池 飛び込んだのであるからその運命は分かり きっていた。しかし彼の素情も来歴も 分からないのでその死骸を役人に引き渡し ておいて反地は濡れたき物を着替えるため に一旦自分のうちへ帰るとお鉄が青い顔を して待っていた。いや、お鉄来ていたのか 。先ほどからお邪魔をしておりました。 それはいい。実はこれからお前を 呼び出そうと思いたところだ。 父はすぐに着物を着替えて、今まで彼女の話し相手になっていた尿房を遠ざけて、お鉄を長日バの前に座らせた。早速だが、あの男は何者だ? お召し取りになりましてございましょうか? それがしじったよと半質は体にシを見せた。俺に追い詰められてとうとけ飛び込んでしまった。 引き上げたがもういけねえ。惜しいことを した。 もうこうなるとどうしてもおめを調べる より他はねえ。この間の番も言う通りそれ は色々言いづらいこともあるだろうがもう 仕方がねえと覚悟して何もかも言ってくれ ねえじゃ困る。 それでねとおめえばかりでなくの店に迷惑 になるようなことができねえとも限らねえ 。 主人にまで迷惑をかけちゃ住むが。ええ、そこを考えて正直に言ってくれ。よくわかりましてございます とお鉄は大なしく頭を下げた。 実はそれを申し上げようと存じましてあれからすぐにこちらへ出ましてこうしてお待ち申しておりましたのでございますから、もう何もかも正直に申し上げます。 うん。 それで泣けりゃいけねえ。そこで一体あの男は何者だ?やっぱりおめと同じ土地のものかい? はい。隣村の安吉という勝でございます。 いつ頃から江戸へ出ているんだ? 何でもこの8 月の中頃だと申しておりました。私が会いましたのは 8月の15日。 若い女将さんのお友をして八万様のお祭りを見物に参りました時でございます。 それからあいつはどこに何をしていたんだ? それはよくわかりませんが、ただブラブラしていたようでございます とお鉄は答えた。 何しろ土地にいた時も生け物で爆地なんぞばかりを打っていたようなやつでございますから。 その生け物者の安きが今夜は何のようでき たんだ。お鉄も少し言いんでいるらしく、 しばらくはうるんだ目を伏せて肩をすめて いた。いや、これからが肝心のところだ。 おめもあいつを殺そうと思い詰めたほど ならば、それには欲よくのわけがなけりゃ ならねえ。おめえが殺そうと思ったあいつ はもう死んでいる。 おめの念も届いた以上、今更未練らしく隠し立てをするにもめ。あれ、おめの男かい?いえ、決してそんなことは とお鉄は急に興奮したように唇を各かせた。 あいつは私の敵でございます。 ほう。その敵のわけを聞こうじゃねえか。敵なら殺しても構わねえ。 一体それは親の敵か主人の敵かおめの敵か? 主人の敵で私にも敵でございます。 彼の目からはどなしに涙が流れ落ちた。お鉄はいよいよ興奮したように言った。 もうどうしても勘弁がならなくなって一そ殺してしまおうと思いました。 実はこの間の晩も神剃りを持って両国橋の 上に待っていたのでございます。 そうか と反地もため息きをついた。まさかそんな こととは気がつかなかった。そこでその 主人というのは香谷のことかい?それとも おめがついてきた若い女将さんのことかい ?お哲はまた黙ってしまった。 崩れかかった胃腸返しの瓶の毛をかに振わ せていた。それを話す約束じゃねえかと 反地は微笑みながら言った。おめもまた それを話すつもりでわざわざ来たんだろう じゃねえか。今更推しになってしまわれ ちゃ困る え。その敵というのは若い女将さんの敵か い。 でございます とお鉄は鼻をつまらせながら答えた。 色々の無理を言って私どもをいじめるのでございます。 なぜいじめる?こっちにもまた何かあいつにいじめられるような弱みがあるのかい? はい。 とお鉄は両方の元で顔を抑えながら身を振わせて泣き出した。 何か内装のことでも知っているのかい。 香谷の娘は熊谷の里にいた時に何か内の男 でもこらえていたのでその秘密を知って いる隣村の安きがそれを稼に彼らを苦しめ ているのであろうと反地は水料した。 しかもそれに対するお鉄の返事は意外で あった。はい。 若い女将さんの生まれ年を知っていますので。 生まれ年? 親分さんの前ですから申し上げますが女将さんは生まれた年を隠しているのでございます と彼は思い切ったように言った。 [音楽] [拍手] [音楽] 香谷の嫁のは高下2年見年の生まれと言っ ているが、実は高下3年馬年の生まれで あるとお鉄は初めてその秘密を明かした。 単に馬年ならば死はないが高家3年は 日江馬であった。この時代の習慣として 日江馬の年に生まれた女は男を食い殺すと いう伝説が一般に信じられていたのでこの 年に生まれた女の子は実に不幸であった。 産んだ親たちも無論にその不幸を分た なければならなかった。 友とも不幸に生まれた1人で何の不足も ない豪家の娘と言いながらその生まれ故郷 ではとても相当の嫁入り先を見い出すこと ができそうもなかった。 さりとてあまりに身分違いの家と縁する わけにもいかないので親たちから土地の 商夜に頼んで人別長をうまく取り作ろって 馬年の娘を見年の生まれと書き直して もらっておいた。それで表向きはまず見で 通るのであるが、土地のものは皆本当の 生まれ年を知っているので、親たちも色々 に心配して、結局その嫁入り先を遠い江戸 に求めたのであった。お元が失素にして 故郷を出てきたのも、その嫁入り先を秘密 にしておかなければならない必要に迫られ たからであった。 おはもちろんその事情をよく承知していた 。 これほどに苦労した会があって香谷の方で は何の気もつかないらしくお元は夫婦の中 もむつまじく姑トめともよく降り合って 一家円満に火を送っているので本人は もちろん一緒に突き添ってきたお鉄もまず ほっと息をついた。しかも足かけ3年目の 秋になってその平和を破壊すべき恐ろしい 悪魔の影が突然2人の女を脅やかした。 それは隣村の安吉という若い百省であった 。彼の母は取り上げばさんを職業にしてい て、現にお元の生まれるのを取り上げた 関係上日馬の秘密をよく知っていた。 もちろんその当時お元の親たちは彼に 口止めを与えて秘密を守る約束を固めて おいたが広い世間の口をこごとく塞ぐわけ にはいかなかった。まししてそのセレの 安きがそれを知らないはずがなかった。 彼はある事情から江戸に出てきて八祭りを 見物に行った時に偶然かのおとお鉄に 巡り合ったのであった。 江戸と熊谷と離れているので2人の女は 何にも知らなかったが安きが江戸へ出てき たのはか野太田の金山の松岳健上がその 委員をなしていたのであった。 を出たの松は上州から武州の熊谷にかかっ て中先道を江戸の板橋に送り込まれるのが 普通の路順で途中の村の若い百省たちは皆 その人速に挑発されて祝のとや場に詰める のが習いであった。 もやはりその1人で他の人速仲間と一緒に 祝のとや場に詰めていたが、横着物の彼は 後の方に引き下がってゆゆとタバコを飲ん でいた。やがて松のかがこのシに運び込ま れたので、待ち構えていた人速どもは1度 にバラバラ立ち上がった。早く早くと役人 たちに咳立てられて安きもクエギセルの ままで駆け出してかに通してある長い青 だけを肩に担いだが加えているキセルの 始末に困って彼は何心なくそれを松たのか のユい縄にちょっと差し込んでそのまま わっしょいわっしょいと担ぎ出した。何を 言うにも大急ぎであるので、その加護を次 の宿へ送り渡した時、彼はそのキセルを 取ることを忘れてしまった。 それが次の東やで発見されたので、その 戦技が難しくなった。剣場の松のかに汚い ヤニギセルが挟んであったというので、 東山の役人らはもちろん立ち合いの名主や 百も顔の色を変えた。途中の祝熟の人速 どもは無論にいちいち吟味されることに なった。安けちも今更はっと驚いたが、 もうどうすることもできなかった。問題が 問題であるから普通の骨や過失ではとても 済むはずがない。どんな思いしを受けるか もしれないと恐れられて、彼はその場から すぐに蓄電してしまった。凄まじい土地の 狭い田舎などに身を隠しては帰って人の目 につく恐れがあるのと。もう1つには普段 から江戸へ出てみたいという望みがあった のとで彼は大胆に江戸へ向かって逃げてき た。諸国の人間の集まる江戸に隠れていた 方が帰って千技がいるかろうとも考えたの であった。しかし彼は路の用意もなかった のでほとんど乞食同様のあり有様でどう やらこうやら江戸までたどり着いた。江戸 には別にシべもないので彼はやはり乞食の ようになって江戸中をうろついていた。 しかし彼はすぐにその乞食の教会から救わ れるようになった。江戸に入り込んでから 3日目の朝に彼は測らずも香谷の嫁と女中 に出会ったのである。評判の8万祭りを 見物したいのとその再例で何かのもいが あるかもしれないと思ったのとで彼は朝 から深川の町まちを彷徨っていると混雑の 中でおとお鉄の姿を見つけたので彼は喜ん で声をかけた。それが隣村のしかも 取り上げばあさんのセがれであることを 知った時に2人の女は白中に幽霊を見た よりも驚いた。お鉄は連れの女中に悟られ ないように安きをそっともの影連れて行っ て何にも言わずにいくらかの金をやって 別れた。その場はまずそれで済ませたが 安きは執年深く彼らの跡をつけていって この女連れが親類のうちへ入るのを見届け た。をしておが外田の香谷の嫁になって いることを探り出したのでその後も度々 香屋を尋ねてお鉄を呼び出して金の無心を 言った。その無心を聞かなければかの 日江馬の秘密をおの夫やシュートに訴える と脅した。それは死ぬよりも恐ろしいこと であるのでお元は弱い心を帯びた正しく 悩まされた。もどもに心配して仕切りに 口止めの方法を講じていたが、安きの無心 は再現がなかった。彼は本のきちん宿に 転がっていて、おからゆする金を酒と女に 使い果たすと、すぐにまたお鉄を呼び出し てきた。おも嫁のみの上で店の金銭を自分 の自由にするわけには浮かなかった。熊谷 の里へ頼んでやるにも適当の使いがなかっ た。彼女は4なくお鉄と相談して自分の 持ち物などをそっとし入れして彼の悪泣き 中級を満たしていたがそれも長くは続き そうもなかった。人の知らない苦労に主人 も嫌雷も痩せてしまった。 11月の末に安きはまたもや五両の無心を 行ってきた。しかしそれだけの都合ができ なかったのでおは3両の金を本所のきちん 宿まで届けに行くと安きちはひどく不平 らしい顔をした。しかも彼は酔っている 勢いでお鉄に乱りがましいことを言い出し た。お鉄は振り切って逃げて帰ろうとする のを彼は腕づで引き止めたので何事も主人 のためと観念してお鉄はなり殺しよりも 辛い思いをしなければならないはめに陥っ た。 その安きは自分もお尋ね物であることを 初めて明かして、もうこうなった以上、 お元からまとまった金をもらってどこか 遠いところへ行って一緒に暮らそうとお鉄 をその お鉄は彼に対する今までの恐怖がにわかに 抑えきれない憎と返事た。主人のため一そ 憎い敵を滅ぼしてしまおうと決心して、お 鉄は匠に言葉を構えて彼を両獄橋の上に 呼び出した。彼女は帯の間に神剃りを忍ば せて酔いから橋の上に安き地を待ち受けて いた。半地が彼女をみげと見誤ったのは その時で、その後のことは改めて説明する までもあるまい。安きはさらにお元から 100両の金をゆり取って1度手ごめにし たお鉄を無理に連れ出してどこへか 立ちのこうと食立てたがそれが最後の破滅 を早める同機となって彼はお鉄の刃物に 脅やかされさらに反地に追い詰められた。 日江馬の問題だけならともかくも彼には それよりも重大な松の問題があるので一生 懸命に逃げ回った末にとうとうしばずの池 の底へ自分の命を投げ込んでしまったので あった。 ここまで話た時にはお手の涙ももう乾いて いた。彼がさらに反質をきっと見上げた瞳 には一種の強い決心がひらめいていた。 そういうわけでございますから、た相手に 傷はつけませんでもご報通りにお仕置きを お願います。 ただ私の一生のお願いは若い女将さんの ことでございます。どうで私はあんなやに めちゃくちゃにされた体でございますから 、どうなっても構いませんけれど、日の馬 のことが世間に知れまして、もしもご利に でもなりますようですと。 女神さんもきっと生きてはおいでになるまいと存じますから。 よし、わかったと反質は大きく頷いた。お前の両件はよく分かっている。俺が受け合った。決しておめの主人に迷惑はかけねえから安心しているがいいぜ。 ありがとうございます。 とお鉄はまた泣き出した。 お鉄の中義に面じて半は香谷に関する事件 を一切発表しなかった。おにはもちろん何 のめもなかった。安吉の死は単に松たの 問題だけで解決してしまった。 お鉄は21の年まで加屋に方向して若夫婦 の間に男の子ができたのを見届けて近所の 酒屋の嫁にもらわれた。 そのナコ度はかの三浦老人夫婦であった。 その嫁入りの時に加谷でも相当の支度をし てくれたが、おの里方からはお鉄の付け金 として200両の金を送ってきた。半質の ところへも100両届けてきた。 [音楽] [音楽] ສ

両国橋の上にたたずむ女。
何事かをさとった半七は声をかけるが・・。

岡本綺堂作「松茸」は半七捕物帳シリーズ37番目の作品です。
青空文庫等で公開されているテキストを用いて
プロナレーターによるオーディオブックを制作しました。
導入部はオリジナルで制作しております。
古語や馴染みの薄い言葉には画面上に解説を入れております。

↓ヤシロこーいちさんの安眠ろーどくらぶはこちら!↓
https://www.youtube.com/@anminroadclub

【声の出演】
私/半七/お秀/六助 京あゐ堂(朗読家)
お鉄 佐々木奈緒(株式会社Adroaig)
三浦/安吉 ヤシロこーいち(安眠ろーどくらぶ/株式会社Adroaig)

【錦絵出典】
国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」
https://www.ndl.go.jp/landmarks/

【OP曲】
宵風灯路 written by のる
KAMISAMA~ in the forest ~ by 松浦洋介

【ED曲】
Kimono Moonlight written by MFP【Marron Fields Production】

【ジングル】
八重撫子 written by のる

【動画撮影】
合同会社ロードック

↓姉妹チャンネル↓
シャーロック・ホームズ プロジェクトはこちら!
http://www.youtube.com/@sh_reading_project

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<制作>
合同会社ロードック

2件のコメント

  1. 京あゐ堂様、コラボとご紹介ありがとうございます!素敵な体験をさせていただきました!

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