【実話の物語】「母さんは地味で恥ずかしい」女手一つで育てた私を邪魔者扱いし、絶縁を突きつけた息子夫婦。ならばと集めた証拠で会社の不正を暴き、彼らの人生を終わらせてやりました。【感動/因果応報】

人生には1度口にしてしまったら2度と 取り返しのつかない言葉があります。 それはまるで割れたガラスの破片のように 心の奥深に突き刺さり永遠にそこでうき 続けるのです。今日お話しするのはそんな 言葉によって人生が完全に変わってしまっ た1人の母親の物語です。 皆様こんにちは。 お忙しい中私たちのチャンネルにお越し いただきありがとうございます。 今回もまた心に深く響く物語をお届け できればと思います。 それでは神崎文江重さんという1人の女性 の人生をじっくりとお聞きください。 東京の下町にある小さな木造住宅で神崎 文江は70歳の誕生日を1人静かに迎えて いました。畳の上に星座し、仏壇に向かっ て手を合わせる彼女の姿は長年の習慣が 作り上げた自然な書作でした。夫の家が 微笑みかけているように見えるのはきっと 彼女の心が作り出した幻想なのでしょう。 の人生は決して華やかなものではありませ んでした。クリ館で師として働きながら 1人息子のコース介を女で1つで育てあげ ました。夫が真金高速で突然このよう去っ た時、孝介はまだ中学生でした。あの日 から文江の人生は息子のためだけに存在し ていたと言っても過言ではありません。朝 の4時に起き弁当を作り選択をして図書館 に向かう。北久保は輔助の勉強を見て夜 遅くまで内食をする。そんな毎日を20年 以上続けました。孝介が大学に合格した時 、ふえは人生で最も幸せな瞬間を味わい ました。 息子の喜ぶ顔を見て全ての苦労が報われた と感じたのです。 は卒業後中堅照者に就職し順調にキャリア を積んでいました。そして3年前彩という 女性と結婚しました。彩佳は美容関係の 仕事をしている明るくて美しい女性でした 。 初めてあった時、彩川はふえの手を両手で 握り、お母さん、これからよろしくお願い しますと心からの笑顔で言ってくれました 。ふえは彼女を本当の娘のように思い、 ようやく家族らしい家族をモてたと喜んで いました。結婚当初、彩佳は本当に優しい 嫁でした。お母さん、お時間がある時は いつでも遊びに来てくださいね。私たちの 家はお母さんの家でもあるんですからと 言ってくれて、ふえは涙が出るほど 嬉しかったものです。 と彩佳の新居は踏えの家から電車で30分 ほどの距離にあり、最初の頃は月に2回は 招待してくれました。 しかし時間が経つにつれて何かが少しずつ 変わっていきました。最初は気のせいかと 思いました。 招待される頻度が少しずつ減っていったの です。 月に2回が1回になり、やがて2ヶ月に1 回、3ヶ月に1回と感覚が開いていきまし た。 文江が電話をしても、彩佳が出ることは 稀れになり、孝介が出ても会話は短く事務 的なものになっていきました。元気を 母さん忙しくてなかなか連絡できなくて ごめんねという言葉も最初は本当に忙しい のだろうと信じていました。 しかし、彩佳のSNSを見ると、友人たち との華やかな食事会や旅行の写真が たくさん投稿されていることに気づきまし た。時間がないのではなく、踏えと過ごす 時間を避けているのだとうう感じ始めてい ました。それでもふえは自分に生かせてい ました。若い夫婦には若い夫婦の生活が ある。自分が口出しすることではない。 息子が幸せならそれでいいのだと。図書館 を定年退職した後、踏えの生活はより静か になりました。読書と庭の手入れ、そして 週に1度の買い物が日家でした。時々昔の 同僚と会うこともありましたが、大半の 時間を1人で過ごしていました。 ある日のこと、ふ江は介から久しぶりに 電話を受けました。来週の日曜日娘の運動 会があるから来ませんかという誘いでした 。 踏えには2人の孫がいました。7歳のエミ と5歳の大テルです。 最近は滅たに会えなくなっていた孫たちに 会えると思うと踏えの心は踊りました。 運動会日、踏えは朝早くから支度をしまし た。孫たちの好きなおにぎりを作り、 きちんとした服装に身を包みました。久し ぶりに家族として過ごせる時間を楽しみに していたのです。 小学校の皇帝は多くの家族で賑わってい ました。 文江は幸介たちと合流し、一緒に笑の競技 を応援しました。 エミが東京層で3位になった時、踏え渡の 保護者よりも大きな声で拍手をしました。 その瞬間、確かに家族の一員だと感じてい ました。しかしその幸せな時間は長くは 続きませんでした。休憩時間に孝介の会社 の同僚が家族連れで挨拶に来ました。 の同僚は踏えを見て、こちらは彩かさんの お母様ですかと尋ねました。 ふ江が輔助の母だと知るとその同僚は 明らかに驚いた表情を見せました。ああ、 そうでしたかと言いながら視線をそらした のです。 その後の彩佳と孝介の態度が不重にとって 決定的な瞬間でした。 は同僚の前で踏えを紹介することを明らか に避けており、こ介も母親の存在を 恥ずかしがるようなそぶりを見せていまし た。同僚が去った後、孝介は彩かの耳元で 何かをさきました。 ふえにはその内容は聞こえませんでしたが 、彩佳が小さく笑ったのは確かに見えまし た。 就職の時間、ふえは家族から少し離れた 場所で1人で弁当を食べました。またちは 彩かの実家から来ていた祖父母に夢中で 踏えの存在などすっかり忘れているよう でした。特に印象的だったのは孫たちが 彩佳の母親を親しそうにおばあちゃんと 呼ぶ一方で文に対しては神崎さんと呼んで いたことでした。家に帰る途中、ふ江は 息子たちと一緒に電車に乗りました。車内 で幸介はにこう言いました。今日は同僚に あって恥ずかしかったな。母さんの服装 もう少し何とかならないものかね。彩かも 同調するようにそうよね。もう少し おしゃれしてくれればいいのにと答えまし た。 文江は隣の席に座っていて、その会話を 全て聞いていました。胸が締めつけられる ような思いでしたが、何も言うことができ ませんでした。家に戻った文は鏡の前に 立ちました。70歳の自分の姿を見つめ ながら息子と嫁が言った言葉を反数してい ました。 確かに自分は年を取り若い頃のような 華やかさはありません。でもこのシの1本 1本、この白発の1本1本は息子のために 必死に働いた証拠ではないでしょうか。 それから数日後、ふ江はスーパーで買い物 をしている時に偶然彩佳の友人らしき女性 たちの会話を耳にしました。 の話をしていたのです。あやかちゃんの 旦那のお母さんって本当に地味よね。あの 年代の人ってもう少しおしゃれに気を使え ばいいのにと1人が言うともう1人がでも あやかちゃんは上手に距離を取ってるから 偉いわよ。ああいう義母とは深く関わら ない方がいいものと答えました。 文江は冷凍食品の前で立ち尽くしました。 彩佳が自分のことを友人たちに愚痴として 話していたのかと思うと、これまで感じた ことのない屈辱感に襲われました。自分は 息子の家族にとって恥ずかしい存在、隠し たい存在になってしまったのでしょうか。 その夜、ふ江は1人で夕食を取りながら これまでの人生を振り返っていました。夫 を失った悲しみを乗り越え、必死に息子を 育てあげました。自分の楽しみは全て 後回しにして息子の幸せだけを願って生き てきました。でもその息子は今自分の存在 を重荷に感じているのです。 局の月曜日、ふ江は久しぶりに図書館時代 の同僚である石田く子と会いました。く子 はふえの様子がいつもと違うことにすぐに 気づきました。ふえさん、何か心配事ごと でもあるの顔色があまり良くないわよと 言われて、ふえは思わず涙がこぼれそうに なりました。2人は図書館近くの喫茶店で 長い時間を過ごしました。 ふえは最近の出来事をく子に話しました。 く子は怒りをあわにしました。何それ? ひどすぎるじゃない。ふえさんがどれだけ 幸介君のために頑張ってきたか、私は近く で見てきたのよ。あの子は恩知らずもいい ところだわ。くみ子の言葉にふえは初めて 自分の気持ちを代弁してもらった気がし ました。長い間自分の感情を押し殺し息子 の幸せだけを考えてきましたが、こうして 他の人から見ても理不尽な扱いを受けてい たのです。 しかし踏えの本当の試練はまだ始まった ばかりでした。運動会から2週間後の 日曜日の午後、幸介が1人で実家にやって きました。普段なら家に上がってお茶を 飲んでいく息子が玄関先で立ったまま話が あると言いました。その表情は固くどこか 決意を秘めたような様子でした。母さん実 は話があってきたんだと幸介は切り出し ました。 組は何事かと思い、どうしたの?何か 心配事ごとでもあるのと尋ねました。 輔助は視線をそらしながら実は来月 引っ越すことになったんだと告白しました 。ふえは素直に喜び、それは良いことじゃ ない。おめでとうと言いました。しかし 孝介の次の言葉が不見えの世界を一変させ ました。 これでね、母さんには新しい家にはあまり 来て欲しくないんだ。こ介の声は冷たく 感情を廃した事務的なトーンでした。ふえ は耳を疑いました。え、どういうこと? なぜと震え声で訪ねました? は1度大きく息を吸ってから言いにくい ことだけどはっきり言わせてもらうと 前置きしました。彩佳が言うには母さんが 来ると友達を呼びにくいんだって。母さん は地味だし時代だし正直言って一緒にいる と恥ずかしいって。組の頭の中が真っ白に なりました。息子の口から出たとは信じ られない言葉でした。でも介は続けました 。それに母さん最近老眼鏡をかけるように なったでしょう。神も真っ白だし、服装も 昔のままだし。僕たちの年代の友達と会う 時正直言って紹介しにくいんだよ。ふえは 何も言えませんでした。言葉が喉の奥で 固まって声になりませんでした。息子は 彼女の沈黙を皇帝と受け取ったのか分かっ てくれてよかった。母さんは理解が早い人 だから助かるよ。じゃあ僕はこれで帰る からと言ってかを返そうとしました。 文江はようやく声を絞り出しました。こ介 、お母さんは本当にそんなに恥ずかしい 存在なの?これまでお母さんがあなたの ためにしてきたことは何の意味もなかった のかしら。幸介は振り返ることなく答え ました。それは過去の話でしょう。今は今 時代が違うんだよ。 僕たちには僕たちの生活がある。母さんに はそれが分からないんだ。そしてこ介は 本当に立ち去ってしまいました。玄関の扉 が閉まる音が踏えには来名のように響き ました。彼女は玄関先に立ち尽くし、足元 から生上がってくる寒気を感じていました 。 息子のために捧げた人生が一瞬にして無 意味なものになった瞬間でした。ふえは今 に戻り仏壇の前に座りました。夫の家を 見つめながらあなた私は間違っていたの でしょうかとつぶやきました。家の中の夫 は相変わらず優しく微笑んでいましたが もちろん答えてはくれませんでした。 その夜踏文は眠ることができませんでした 。息子の言葉が頭の中で何度も繰り返され ていました。じに時代をくれ恥ずかしい。 どの言葉も胸に深くつき刺さりました。で も最も辛かったのはそれらの言葉を息子が 何の躊躇もなく口にしたことでした。 朝ふ江は鏡の前に長い時間経っていました 。確かに自分は年を取りました。 シも増えたし、髪も白くなりました。でも この顔に刻まれたの後は息子のために必死 に生きた証拠ではないでしょうか。この手 のひの硬い子は息子のためによる遅くまで 内食をした証拠ではないでしょうか。 ふえは古いアルバムを取り出しました。 息子が小さかった頃の写真がたくさんって ありました。運動会で一等を取って嬉し そうに笑っているコース。卒業式で彼女と 一緒に映っている写真。大学合格を喜んで いる写真。どの写真を見ても息子は母親で ある踏えと一緒にいることを嬉しそうにし ていました。 いつから変わってしまったのでしょうか? いつから踏えの存在が息子にとって重に なったのでしょうか?あやかと結婚して からでしょうか?それとももっと前から でしょうか?ふ重には分からませんでした 。1週間後、ふえは孫のダイテルの誕生日 に手編みのセーターを送りました。 番少しずつ編んでいたものでした。しかし お礼の電話はありませんでした。以前なら 孫たち自身が電話をかけてきてありがとう おばあちゃん。とても温かいよと言って くれたものでした。今は息子夫婦が孫たち に電話をさせないようにしているのかも しれません。 踏えの日常は以前と変わりませんでした。 朝起きて掃除をして読書して庭の手入れを して夕食を作って食べる。でも心の中では 何かが大きく変わっていました。これまで 息子のことを考えることで満たされていた 心にっかりと大きな穴が開いたような感覚 でした。ある雨の日の午後後は図書館にい ました。 退職後も時々ここに来て本を呼んだり昔の 同僚と話したりしていました。その日子供 向けコーナーで読み聞かせをしている ボランティアの女性を見かけました。 小さな子供たちが目を輝かせて物語に 聞き入っている姿を見てふえは自分が孫 たちに本を読んであげていた頃を思い出し ました。あの頃の孫たちは踏えのことをお ばあちゃんと呼んでしってくれていました 。エミはふえの膝の上で本を読んでもらう のが大好きでしたし、大機はふえが作る おにぎりを世界で1番美味しいと言って くれていました。今では彼らも母親や父親 から踏えとの距離を置くように教えられて いるのでしょう。図書館からの帰り、ふ江 は小さな公園を通りかかりました。そこで 遊んでいる親子を見て思わず足を止めまし た。若いお母さんが子供を抱き上げて高い をしている光景でした。そのお母さんの隣 にはおそらく義母であろう年配の女性が 座っており、孫の様子を嬉しそうに見守っ ていました。3世代が自然に過ごしている とても名やかな風景でした。文江は公園の ベンチに座り、その様子をしばらく眺めて いました。かつて自分もあんな風に孫たち と過ごしていたはずなのに、今ではそれが 遠い昔の夢のように感じられました。あの 家族にもきっと色々な問題があるの でしょう。でも少なくともおばあちゃんの 存在が恥ずかしいものとは思われていない ようでした。その夜ふえは夫の家に向かっ て長い時間話しかけました。あなた、私は どうすればいいのでしょうか?息子を愛し 続けることと自分の尊厳を守ることの間で どちらを選べばいいのでしょうか?でも家 の中の夫はいつものように優しく微笑む だけで答えをくれることはありませんでし た。 組は気づいていませんでしたが、彼女の心 の奥底で何かが静かに動き始めていました 。長い間眠っていた何かが息子の冷たい 言葉によって目を覚そうとしていたのです 。 それは諦めでもなく絶望でもありません でした。 もっと違う何かこれまでの踏えが知ら なかった感情がゆっくりと形をなそうとし ていました。 静寂の中で新しい文が誕生しようとして いることをその時の彼女はまだ知るよしも ありませんでした。息子からの冷国な宣が 過ぎました。文の生活は表面上何も変わり ませんでした。朝6時に気象し、仏壇に 先行を上げ、元素な朝食を取り、庭の 手入れをする。しかし内面では劇的な変化 が起こっていました。これまで息子への 愛情と心配で満たされていた心がまるで霧 が晴れるように住み切っていたのです。 ふは息子の要求を静かに受け入れていまし た。電話をかけることもなく訪問の約束を 取り付けようとすることもありませんでし た。でもそれは諦めではありませんでした 。むしろこれまで感情的になって見え なかったものがはっきりと見えるように なったのです。 息子夫婦の本当の姿がまるで顕微鏡で観察 するように鮮明に移し出されていました。 その変化を最初に感じたのは3週間後の 土曜日でした。笑ミの学校で親子参官が あり、ふえも以前なら招待されていた イベントでした。今年は当然のように誘い はありませんでしたが、踏えは偶然その 学校の近くを通りかかりました。 買い物の帰り道いつもとは違う道を歩いて みたくなったのです。 学校の肛門前で踏えは立ち止まりました。 多くの家族が校舎に向かって歩いている中 、幸介と彩佳そしての姿を見つけました。 彩佳は今日も華やかなワンピースを着て 幸介の腕に自分の腕を絡めていました。 犯人はとても幸せそうに見えました。 踏えがいない家族の方が確かに絵になって いるのかもしれません。 ふ江は肛門の向い側にある小さな喫茶店に 入りました。窓際の席から学校の様子が 見えました。 参官が終わった後、多くの家族が皇帝で断 していました。 文江は静かにコーヒーを飲みながらその 光景を観察していました。感情的になる ことはありませんでした。ただ冷静に 見つめていただけでした。1時間ほど経っ た頃、幸介の会社の同僚夫婦が幸介たちに 近づいてきました。運動会であった夫婦 でした。 は相変わらず社交的に振る舞い、4人の 大人が名古屋に断していました。しかし ふえはその会話の中で興味深いことに 気づきました。彩佳が同僚の妻に向かって 実は主人の母親とは全然会わなくて困って いるのよと言っているのが喫茶店の窓にも 聞こえたのです。 の妻は同場するような表情を見せながら 大変ね。うちも週との関係で苦労したこと があるわと答えました。彩佳は続けました 。 昔の人って地雷錯誤なところがある でしょう。おしゃれにも気を使わないし、 私たちの生活に口出ししたがるし。 最近は距離を置くようにしているの。文江 は静かにコーヒーカップを置きました。 彩佳が語っている内容は事実とは大きく 異なっていました。 文江は1度も息子夫婦の生活に口出しをし たことはありません。むしろ遠慮しすぎる ほど遠慮不覚醒してきました。レモア彩佳 は自分を被害者として描き、踏文を問題の あるシュートとして周囲に印象付けていた のです。 は妻の言葉に特に反論することもなくただ 頷いていました。時々相と愛槌を打つこと もありました。 ふえは息子が積極的に自分を悪く言って いるわけではないことに気づきました。で も妻の嘘を訂正することもしませんでした 。それは積極的な裏切りではないかもしれ ませんが、消極的な裏切りには違いあり ませんでした。喫茶店を出る頃にはもう 皇帝に一影はありませんでした。ふ江は 帰り道これまでとは違う感覚を抱いてい ました。 悲しみや怒りではなく、むしろす々しさえ 感じていました。 真実が見えたからでした。息子夫婦が自分 に対してどのような態度を取っているのか 、どのような印象を周囲に与えようとして いるのか全てが明確になったのです。 その夜ふ江は久しぶりに昔の日記を 読み返しました。夫が亡くなった直後から 書き始めた日記には息子への愛情と将来へ の不安がぎっしりと詰まっていました。 孝介が中学校で良い成績を取った日の喜び 、高校受験の心配、大学合格の感動就職が 決まったア、どのページにも息子のこと しか書かれていませんでした。 文江は自分の人生がいかに息子中心だった かを改めて実感しました。夫を失った 悲しみを乗り越えられたのも息子がいた からでした。厳しい経済状況の中で頑張れ たのも息子の将来のためでした。でもその 息子は今自分の存在を恥じているのです。 週の火曜日、ふ江は銀行に用事で出かけ ました。定期預金の更新手続きのためでし た。窓口で手続きをしていると担当者が 世間話を始めました。神崎さんの息子さん 最近マンションを購入されたんですってね 。素晴らしいことじゃないですか。ふえは 驚きました。息子からマンション購入の話 は聞いていましたが、詳しいことは何も 知らされていませんでした。 担当者は続けました。港区の高級 マンションだそうでお値段も相当なもの だったでしょうね。ローンもかなりの金額 になると思いますが、息子さんなら大丈夫 でしょう。 ふえは曖昧に微笑みながら頷きました。 しかし心の中では疑問が湧いていました。 幸介の年収で港区の高級マンションが購入 できるのでしょうか?彼女は息子の給与 水準をよそ把握していました。 決して低い収入ではありませんが、港区の 物件を購入するには不足しているはずでし た。 帰り道踏文は不動産情報士を購入しました 。港区の新築マンションの価格を調べて みると担当者の言葉通り相当高額でした。 頭金だけでも1000万円以上は必要 でしょうし、月々の路音返済額も相当な ものになるはずでした。 コ夫婦にそれだけの資金力があったの でしょうか?数日後、ふえは偶然にも答え を見つけることになりました。近所の スーパーで買い物をしていると、彩佳の 母親の知人だという女性に声をかけられ ました。その女性は不重のことを知って おり、息子さんの奥様のお母様とは本当に 仲良しでいらっしゃるのねと言いました。 文江が到着していると女性は続けました。 彩佳さんのお母様娘さんのマンション購入 にかなりの炎上されたそうじゃないですか 。親として立派ですよね。うちも娘がいる のでとても参考になります。その瞬間踏文 は全てを折り返しました。 コ夫婦のマンション購入資金は彩かの実家 からの援助だったのです。 そしておそらくその援助には条件があった のでしょう。 やかの両親の影響力が強い過程を気づくと いう条件が ふえのような存在はその条件になっ ふえは女性にお礼を言って別れましたが頭 の中では様々なことが整理されていきまし た。 コ夫婦が自分を遠ざけるのは単なる感情的 な問題ではなく、もっと計算された行動 だったのかもしれません。彩佳の実家の 経済力と社会的地位を優先し、不踏文の ような庶民的な存在を隠したがっているの かもしれません。その週の木曜日、ふ江は 組み子と会う約束をしていました。図書館 の近くにある死偽舗の和菓で待ち合わせ ました。く子は踏えの様子がこの数週間で 変わったことにすぐに気づきました。前回 やった時のような沈んだ表情ではなく、 どこかリとした雰囲気を漂わせていたの です。 ふえさん、何か吹っ切れたことでもあった のと子は訪ねました。 は微笑みながら色々なことがはっきり 見えるようになったのよと答えました。 そして最近知った息子夫婦の状況について く子に話しました。く子は踏えの話を聞き ながら時々驚いたり噴したりしていました 。何それ?ひどすぎるじゃない。恩をあで 返すとはまさにこのことね。ふ重さんが これまでどれだけ息子さんのために尽くし てきたか私は見てきたのよ。それなのに 今度は彩佳さんの実家の方を向いている なんて。ふえはく子の怒りを静かに 受け止めていました。以前なら自分も同じ ように感情的になっていたでしょう。でも 今は違いました。息子の行動を客観視 できるようになっていたのです。くみ子、 私も最初はショックだったけれど、今は むしろすっきりしているのよ。真実が 分かって良かったと思っているの。くみ子 は不見えの変化に驚いていました。以前の 文子のことになると感情的になりがちでし た。でも今のふえはまるで研究者が研究 対象を観察するような冷静さを保ってい ました。ふえさん、もしかして何か考えが あるの?くみ子は尋ねました。ふえは少し 考えてから答えました。まだ具体的に何を するかは決めていないけれど、このまま 黙って我慢し続けるのは嫌なの。私にも 尊厳があるもの。 息子が私を恥ずかしいと思うなら、彼らの 思う通りにしてあげるのもいいかもしれ ないわね。く子は文えの言葉に込められた 意味を理解しました。復讐ということでは なく、自分の人生を自分で決めるという ことでした。ふえさん、私はあなたの味方 よ。何か手伝えることがあったら遠慮なく 言ってちょうだい。2人は長い時間をかけ て話し合いました。く子は踏えの新しい 決意を支持し、具体的なアドバイスもして くれました。何よりも踏えが1人ではない ということを実感させてくれました。 これまで息子以外に頼る人外ないと思って いた文にとってく子の存在は大きな支え でした。その夜ふ江は自宅で1人の時間を 過ごしていました。テレビのニュースでは 高齢者の孤独士や老人ホームの待機問題 などが報じられていました。 文江は自分の将来について考えました。 息子夫婦が自分の老合を引き受けてくれる とはもはや期待できません。むしろ彼らは 踏えを老人ホームに入れることを望んで いるかもしれません。ふえは通帳を 取り出して自分の資産を確認しました。夫 の生命保険金と退職金、そして長年の節約 で蓄えた貯金がありました。 して多額ではありませんが、1人で生活し ていくには十分な金額でした。息子夫婦に 頼らなくても自立した生活を送ることは 可能でした。翌日の午後ふ江は図書館に 向かいました。 最近ここに来ると心が落ち着きました。 書として働いていた頃の自分を思い出し、 息子の母親である前に1人の独立した女性 だった自分を取り戻せるような気がしたの です。 図書館の自動コーナーで踏えは1冊の絵本 を手に取りました。見にくいア昼のこの 物語でした。 周りから受け入れられずに苦しむア昼の子 が最後に美しい白鳥だったとわかる話です 。 ふえは自分とその物語を重ね合わせてい ました。息子夫婦から見れば見にくい アヒルかもしれませんが、それは彼らの 価値観に過ぎません。本を閉じた時、踏文 は1つの決意を固めました。息子夫婦の 期待に答える必要はない。彼らが望む通り に消えてあげることでお互いに幸せに なれるかもしれません。でもそれは彼らの 思うようにするということではありません 。ふ重自身が選択することなのです。 帰り道踏文は市役所によりました。高齢者 向けのサービスや施設について資料を 集めるためでした。ハード口の職員は親切 に説明してくれました。 最近は高齢者向けの住宅やサービスが充実 してきており、家族に頼らない生活を選択 する人も増えているという話でした。資料 を持ち帰った文はその夜遅くまでそれらに 目を通しました。 シニア向けマンション、サービス付き高齢 者向け住宅、有料老人ホーム 様々な選択肢がありました。どれも息子 夫婦の世話になることなく尊厳を保ち ながら生活できる環境でした。次の土曜日 、ふ江は組み子と一緒にいくつかの施設を 見学に行きました。 その中で特に印象に残ったのは図書館閉設 のシニアマーションでした。元師だった文 には理想的な環境でした。住人同士の交流 も活発で孤独感を感じることなく生活でき そうでした。見学を終えた後、2人は近く のカフェで感想を話し合いました。 子はふえの積極的な姿勢に関心していまし た。ふえさん本当に変わったわね。以前 だったらこんな風に自分の将来を具体的に 考えることはなかったでしょう。ふえは 微笑みながら答えました。息子に裏切られ たことで逆に自由になれたのかもしれない わ。これまでは息子のことばかり考えて 自分のことは後回しにしてきたけれどもう その必要はないもの。2人の会話は夕方 まで続きました。く子は踏えの新しい人生 計画を全面的に指示してくれました。 して実際にシニアマンションに入居する ことになったら近くに住んでいる自分が 頻繁に訪ねると約束してくれました。ふえ にとってく子の存在は掛けえのない法物 でした。その夜ふ江は久しぶりに孝介に 電話をかけました。息子は明らかに迷惑 そうな声で電話に出ました。母さん、どう したの?忙しいんだけど。ふえは息子の 態度に同じことなく少し話があるの、時間 をもらえるかしらと落ち着いて言いました 。 は仕方なく時間を作ると答えました。ふ江 は担当直入に切り出しました。 輔助お母さんはシニアマンションに入居 することを考えているの。あなたたちに 迷惑をかけたくないし、お互いのためにも その方がいいと思うの。電話の向こうで 幸介が沈黙しているのがわかりました。 おそらく予想していなかった展開に戸惑っ ているのでしょう。 しばらくしてから幸介は言いました。それ は急すぎない母さん。そんなこと考える 必要ないよ。でも踏えは息子の言葉が本心 ではないことを知っていました。実際の声 にはアンドのような響きが含まれていまし た。 ふえは続けました。いえ、もう決めたこと なの。あなたも彩佳さんもお母さんがい ない方が楽でしょう。お互いに無理をする ことはないわ。 はそれ以上反対しませんでした。おそらく 内心では母親の決定を歓迎していたの でしょう。電話を切った後、ふえは不思議 な充実感を覚えていました。自分の人生を 自分で決める。それは長い間忘れていた 感覚でした。翌週からふえは本格的に 引っ越しの準備を始めました。 長年んだ家には多くの思い出がありました が、それらと決別する時が来たのです。 不要な家具や類を整理し、本当に必要な ものだけを残しました。その過程で文は 自分がいかに多くの不要なものに囲まれて 生きてきたかを実感しました。 罪の整理をしていると息子の幼少期の作品 や写真がたくさん出てきました。母の日に 送ってくれた手作りのカード小学校の図行 で作った灰皿中学時代の部活動の写真。 どれも懐かしく愛しいものばかりでした。 でも同時にそれらは過去のものだという ことも理解していました。 組はそれらの品ジナを1つの箱にまとめ ました。そしてシニアマンションに 引っ越す前に息子に渡すことにしました。 過去への執着を手放し、新しい人生を 始めるための儀式のようなものでした。1 ヶ月後、ふ江は孝介に最後の電話をかけ ました。 来週引っ越すことになったので、あなたの ものを取りに来てもらえるかしらと伝え ました。幸介は少し驚いたようでしたが、 分かったと答えました。おそらく母親の 決断の速さに戸惑っていたのでしょう。 約束の日、孝介は1人で踏えの家にあって きました。彩かは来ませんでした。おらく 気まずさを避けたかったのでしょう。幸介 は箱を受け取りながら本当に引っ越すんだ ねと言いました。 ふえは微笑みながら頷きました。息子は 立ち去る前に何か言いたそうな表情を見せ ました。でも結局何も言わずに帰って行き ました。 組は息子の後ろ姿を見送りながらこれで 本当にお別れなのだと実感しました。 悲しみもありましたが、それ以上に す々しい気持ちが勝っていました。 引っ越しの善や踏えは空になった家で最後 の夜を過ごしました。夫との思い出を育て た日々、そして最近の出来事。 全てがこの家に詰まっていました。でも 明日からは新しい人生が始まります。 息子の母親としてではなく神崎文江という 1人の女性としての人生が 文江は仏壇の前に座り夫の家に語りかけ ました。あなた私はこれから新しい道を 歩みます。きっとあなたも応援してくれる でしょうね。家の中の夫はいつものように 優しく微笑んでいました。その笑顔が踏え の新しい出発を祝福しているように見え ました。 深夜ふえは最後の荷物を梱包しました。 その中には新しい生活への希望が詰まって いました。 息子に拒絶されたことで絶望したかもしれ ませんが、結果的には自由を手に入れる ことができました。明日からの人生は誰の ためでもない自分自身のためのものです。 踏えは静かに眠りに着きました。心は驚く ほど平穏でした。長い間抱えていた重を 下ろし、ようやく軽やかに歩めるように なったのです。 新しい朝が新しい人生と共にやってくる ことをふえは穏やかな気持ちで待ってい ました。 ふ重がシニアマンションに引っ越してから 3ヶ月が経過していました。新しい環境で の生活は想像以上に充実したものでした。 併設された図書館でボランティア活動を 始め、読み聞かせや本の整理に携わってい ました。住人同士の交流も活発でふえは 久しぶりに自分らしい時間を過ごしてい ました。シニアマンションの住人たちは それぞれに興味深い人生を歩んできた人 たちでした。 元教師の田中さん、元看護師の佐藤さん、 元照者マンの山田さん、みんな家族との 関係で何らかの困難を経験し、最終的に 自立した生活を選択した人たちでした。 ふえは彼らとの会話の中で自分だけが特別 な状況にあるわけではないことを知りまし た。ある朝、ふえはく子からの電話で目を 覚ましました。く子の声は普段より緊張し ていました。ふえさん大変なことになった わよ。こ介君の会社のことなんだけど ニュースを見た方がいいかもしれない。 ふえは急いでテレビをつけました。朝の ニュース番組ではが務める勝者の不正取引 疑惑について報じていました。海外取引に おける帳簿操作や取引先からの不適切な 接体の授量などが問題になっているとの ことでした。ふ江は画面に移る会社のビル を見つめながら息子がどの程度この問題に 関わっているのか心配になりました。 の日の午後踏文の携帯電話がなりました。 表示された名前は幸介でした。久しぶりの 息子からの電話でした。 ふ江が電話に出ると幸介の声は明らかに 同揺していました。母さん大変なことに なった。会社が大騒ぎになっているんだ。 の説明によると、彼が所属していた部署が 不正取引の中心だったということでした。 幸介自身は直接的な関与はしていないと 主張していましたが、上司からの指示で 疑わしい書類にサインをしたことがあると のことでした。そのため監査が入れば何ら かの責任を問われる可能性があるという ことでした。母さん、どうしよう。 このままだと僕の経歴に傷がついてしまう 。転職も難しくなるし、ローンの返済も どうなるかわからない。幸介の声は今にも 泣き出しそうでした。3ヶ月前に自分を 恥ずかしいと言った同じ人物とは思えない ほど弱々しく聞こえました。ふえは息子の 話を静かに聞いていました。以前なら息子 の困った状況に心を痛め、何とか助けたい と思ったでしょう。しかし今の踏文は冷静 に状況を分析していました。息子が置かれ た状況は確かに困難でしたが、それは息子 自身の選択の結果でもありました。 輔助は続けました。 実は彩佳の両親も心配していて僕たちの 今後について相談したいと言っているんだ 。でも母さんにも相談したくて電話したん だ。家族なんだからこういう時は助け合わ ないと。ふえは息子の言葉に苦笑いを 浮かべました。都合の良い時だけ家族だと 言われても説得力がありませんでした。 は静かに答えました。こ介、あなたは3 ヶ月前にお母さんは恥ずかしい存在だから 新しい家には来ないで欲しいと言ったわね 。その時お母さんはもうあなたたちの家族 ではないのだと理解したの。電話の向こう で幸介が言葉に詰まっているのが分かり ました。 踏えは続けました。 あなたが困った時だけ家族だと言われても お母さんには何もしてあげられることは ないわ。あかさんのご両親にご相談なさい 。きっと良いアドバイスをくださる でしょう。幸介は必死に反論しようとし ました。母さん、そんなこと言わないでよ 。確かにあの時は言いすぎたかもしれない けど、でも今は本当に困っているんだ。お 金を貸して欲しいとかそういうことじゃ ないんだ。ただ相談に乗って欲しいだけな んだ。ふえは息子の言葉を遮切りました。 幸介、お母さんは時代をくれで地味で あなたたちの友人に紹介するのも 恥ずかしい存在だったはずよ。 そんな人に相談しても良いアドバイスなど できるはずがないでしょう。ふえは電話を 切りました。息子への愛情が完全に消えた わけではありませんでした。しかし彼らが 自分を必要とした時だけ都合よく利用さ れることはもう受け入れられませんでした 。 踏えには不重の尊厳があったのです。 翌日、ふえはく子とランチを共にしてい ました。く子は文江の対応について全面的 に指示していました。当然よ、あんな 身勝手な息子の相談になんて乗る必要ない わ。困った時だけ母親をた夜なんて虫が良 すぎるもの。ふえはく子に感謝していまし た。1人だったら息子の困った状況に心を 動かされていたかもしれません。しかし 客観的な意見を聞くことで自分の判断が 間違っていないことを確認できました。 その週の金曜日文江の携帯電話に彩佳から の電話がありました。これまで彩佳から 直接電話をもらったことはほとんどあり ませんでした。ふ江が電話に出ると、彩佳 はいつものような明るい声ではなく、沈ん だトーンで話し始めました。お母さんお 疲れ様です。実は主人のことでご相談が あってお電話させていただきました。彩佳 の声には明らかに計算された丁寧さがあり ました。 文江は綾の真意を図りかねながら話を聞く ことにしました。彩佳の説明によると孝介 の会社での問題は予想以上に深刻だという ことでした。監査が入りも事情聴を受ける 可能性があるとのことでした。 最悪の場合長介護雇や刑事責任を問われる こともあり得るということでした。 私たちどうしていいかわからなくて、主人 も毎日落ち込んでいるし、子供たちにも 影響が出ています。 お母さんに迷惑をかけるつもりはないの ですが、何かアドバイスをいただけない でしょうか?彩かの声は涙声になってい ました。ふえは、あやかの話を聞きながら 彼女の変化に注目していました。これまで 踏えを避けてきた彩佳が困った時だけ助け を求めてきたのです。 しかもお母さんと呼んでまるで良い嫁を 演じているようでした。ふえは冷静に答え ました。彩佳さん、お気持ちは分かります が、お母さんには何もしてあげられること はありません。 あなた方は以前お母さんの存在を 恥ずかしいとおっしゃいましたよね。 そんな人に相談しても良い結果は期待でき ないのではないでしょうか。彩佳は慌てた ように反論しました。そんなこと1度も 言っていません。きっと誤解があったのだ と思います。 私たちは常にお母さんを尊敬していますし 、家族として大切に思っています。 ふえはやかの嘘に呆きれました。都合が 悪くなると簡単に過去を否定するのです。 ふえは言いました。彩佳さん、お母さんは 年を取っていますが、記憶力はまだ しっかりしています。 あなた方がおっしゃったことは全て覚えて います。 踏えは続けました。それにあなた方には あなた方のご両親がいらっしゃるでしょう 。マンションの購入資金も援助して くださったのですから、きっと今回の件に ついても良いアドバイスをくださるはず です。 お母さんなどに頼らずにそちらにご相談 なさい。 はしばらく沈黙していましたが、最後に 泣き声で言いました。お母さんお願いし ます。今は家族が一致団結する時だと思う んです。過去のことは水に流して力を 合わせて乗り越えませんか?文江は彩かの 申し出を丁に断りました。家族が一致団結 するという言葉も今更遅すぎました。彩佳 さん、あなた方はお母さんを家族とは思っ ていなかったでしょう。だから今更家族だ からと言われてもお母さんにはピンとこ ないのです。電話を切った後、ふえは自分 の成長を実感していました。以前なら息子 や嫁の困った状況に心を動かされ、自分の 気持ちを犠牲にしてでも透けようとした でしょう。しかし今のふえは自分の尊厳を 守ることの大切さを学んでいたのです。 その夜ふ江はシニアマンションの住人たち と夕食を共にしていました。 最近の出来事について話すと皆が踏えの 判断を指示してくれました。田中さんは 言いました。文江重さんの対応は正しい ですよ。家族だからと言って何でも許さ れるわけではありません。特に普段から 大切にしてくれない人が困った時だけ頼っ てくるのは筋が通らない。佐藤さんも 同意見でした。私も似たような経験があり ます。 息子の嫁に散々嫌味を言われたのに孫の 学費が足りなくなった時だけ頼ってきまし た。でも断りましたよ。自分の尊厳の方が 大切ですから。文は住人たちの言葉に 励まされました。 自分1人では判断に迷うこともありました が、同じような経験をした人たちの意見を 聞くことで自分の選択に確信を持てました 。1週間後、ふ江はく子から驚くべき情報 を聞かされました。く子の知人が偶然彩佳 の実家の事情に詳しい人だったのです。 その人によると彩佳の父親も最近会社で 問題を抱えているということでした。業績 不審で早期退職を促されており、経済的に 余裕がなくなっているとのことでした。 つまり彩佳の実家も幸介夫婦を支援する 余力がなくなっているということでした。 だからこそ踏えに助けを求めてきたのかも しれません。 くみ子は言いました。なるほど。だから急 にふえさんに連絡してきたのね。谷田る 人外なくなったのよ。ふえは状況を整理し ました。息子夫婦は彩かの実家の経済力を 当てにして踏みえを軽視してきました。 しかし、その他の綱立たれそうになり、 慌てて踏えに助けを求めてきたのです。 なんと身勝手な話でしょうか。その日の 午後、ふえは1人で散歩に出かけました。 近くの公園では多くの家族が休日を楽しん でいました。 幸せそうな3世代の家族もいれば、若い 夫婦だけの家族もいました。ふえは以前 ならそのような光景を見て自分の状況を 投げたかもしれません。しかし今はむしろ 自分の選択に満足していました。公園の ベンチに座っていると1人の中年女性が隣 に座りました。その女性は踏えと同じよう な年齢で1人で散歩しているようでした。 2人は自然に会話を始め、お互いの状況に ついて話しました。その女性も息子夫婦と の関係で苦労していることがわかりました 。でも最近1人暮らしを始めてとても充実 した毎日を送っているとのことでした。 家族に縛られずに自分らしく生きることの 素晴らしさを語ってくれました。 はその女性の話に深く共感しました。家族 との関係は確かに大切ですが、それが自分 の尊厳を犠牲にしてまで維持すべきものな のか疑問に思うようになっていました。 むしろお互いを尊重し合える関係でなけれ ば距離を置く方が健全なのかもしれません 。夕方踏文江がシニアマンションに戻ると 受付から伝言があると言われました。 から何度も電話があったとのことでした。 ふえは受付の人に今後息子からの電話は 取がないで欲しいと頼みました。もう話す ことはないと判断したのです。 その夜ふ江は図書館でボランティア活動を していました。子供たちへの読み聞かせの 時間でした。ふえは絵本を読みながら子供 たちの純心な笑顔に心を癒されていました 。この子たちは文の過去や家族関係など 知りませんが、素直に文の読み聞かせを 楽しんでくれていました。読み聞かせが 終わった後、1人の母親が不見えに近づい てきました。いつもありがとうございます 。うちの子、ふえさんの読み聞かせが 大好きなんです。 ふえさんのおかげで本が好きになりました 。ふえはその母親の言葉に心を温められ ました。息子夫婦からは必要とされなく なりましたが、ここでは多くの人が不合え を必要としてくれていました。 文江の経験と知識が新しい場所で生かされ ていたのです。 1ヶ月後、ふ江は組み子から重要な情報を 聞かされました。孝介の会社の問題が新聞 で大きく報じられ、幸介も事情聴取を受け たということでした。 結果的には超会解雇はま抜かれましたが、 自主退職という形で会社を去ることになっ たとのことでした。さらに幸夫婦は高額な マンションのローンが払えなくなり、売却 を検討しているという話も聞きました。 彩佳の実家からの援助も期待できない状況 で経済的に困窮しているということでした 。 は息子の困った状況を聞いても以前のよう な心の同様を感じませんでした。むしろ 自然な結果だと冷静に受け止めていました 。身の竹に合わない生活をし、周囲を 見下していた結果がこのような状況を招い たのです。 その日の夕方踏文は散歩中に偶然幸介と 彩佳に出会いました。2人は明らかに疲れ た様子で以前のような華やかさは完全に 失われていました。彩佳は踏えを見つける と慌てたように近づいてきました。 お母さんお久しぶりです。 実はどうしてもお話ししたいことがあって 、あかの声は以前のような傲慢さはなく、 むしろ愛がするような響きがありました。 踏えは立ち止まりましたが、特に感情を表 に出すことはありませんでした。彩佳は 続けました。お母さん、私たち間違ってい ました。これまでお母さんに対して失礼な ことをたくさん言ったと思います。でも今 は家族の大切さが本当に分かるんです。 どうか私たちを許してください。こ介も 彩佳の隣で頭を下げていました。母さん、 僕も悪かった。あの時行ったことは 取り消したい。母さんは僕の自慢の母親だ よ。だからもう1度家族としてやり直させ てもらえないかな。ふえは2人の言葉を 静かに聞いていました。 確かに彼らは反省しているように見えまし た。しかし不重には彼らの言葉が心からの ものなのか、それとも困った状況から脱出 するための方法便なのか判断がつきません でした。ふ江は落ち着いて答えました。 輔助さんお気持ちは分かります。でも1度 壊れた信頼関係を元に戻すのは簡単なこと ではありません。あなた方は困った時だけ お母さんを思い出すようですが、お母さん にとってそれはとても辛いことなのです。 彩かは涙を流しながら言いました。 お母さん本当に申し訳ありませんでした。 これからは心を入れ替えてお母さんを大切 にします。だからどうか見捨てないで ください。ふえは彩かの涙に心を動かされ そうになりましたが理性で自分を制御し ました。彩佳さん言葉だけなら何とでも 言えます。でも行動が伴わなければ意味が ありません。 あなた方は一度お母さんを深く傷つけまし た。その傷は簡単には言えないのです。 幸介は必死に反論しました。母さん、僕 たちに何をして欲しいのか言ってくれ。 できることなら何でもするから。ふえは 息子の言葉に苦笑いを浮かべました。 何をして欲しいかではなく、これまで何を してきたかが問題なのです。 ふえは最後に言いました。こ介、あなたは お母さんを恥ずかしい存在だと言いました 。その言葉はお母さんの心に深い傷を残し ました。今更謝られてもその傷が消える わけではありません。 お母さんはもうあなた方の人生に関わる つもりはありません。ふえはそう言って その場を立ち去りました。後ろから孝介と 彩佳の声が聞こえましたが振り返ることは ありませんでした。 踏えにはもう後戻りする気はありません でした。その夜ふえはシニアマンションの 自分の部屋で静かに紅茶を飲んでいました 。 息子夫婦との最後の会話を振り返りながら 自分の選択が正しかったことを確信してい ました。彼らが本当に反省しているかどう かは分かりませんが、踏えにとってはもう 関係のないことでした。文江重は窓の外を 見つめながらこれからの人生について考え ていました。 70歳という年齢は決して若くありません 。しかしまだまだできることはたくさん ありました。図書館でのボランティア活動 を続け、住人同士の交流を深め自分らしい 生活を送ることができるのです。 文はく子と一緒に近くの美術館を訪れまし た。 長い間のことばかり考えていて、このよう な文化的な活動からは遠ざかっていました 。しかし今は純粋に芸術を楽しむ余裕が できていました。美術館で展示されていた のは近代日本の作品でした。特に踏えの心 に響いたのは1人の女性画家の作品でした 。 その画も家族との関係で苦労しながらも 最終的には自分の道を貫いた人でした。 ふえは自分とその画家を重ね合わせながら 作品を干渉していました。美術館の後2人 は近くのカフェでお茶をしました。くみ子 はふえの変化について改めて関心してい ました。 くえさん本当に変わったわね。以前のよう な息子への執着が全くなくなってむしろ 生き生きとしているわ。ふえは微笑み ながら答えました。くみ子さんのおかげよ 。あなたが支えてくれなかったらここまで 立ち直れなかったと思う。家族に裏切られ ても本当の友人がいれば大丈夫だという ことが分かったわ。2人の友情は不重に とって掛けえのない財産でした。血の つがりのない関係でも互いを理解し 支え合うことができるのです。 むしろ理害関係のない友情の方が純粋で 美しいものなのかもしれません。 3ヶ月後、踏文は図書館でのボランティア 活動で新しい役割を任されました。 深夜の読書クラブの運営です。 参加者は皆と同世代の人たちで読書を通じ て新しい友人関係を築づいていました。 読書クラブでは毎回異なるテーマの本を 読み感想を共有していました。 参加者の中には踏えと同じように家族関係 で苦労した経験を持つ人もいました。 しかし皆がそれぞれの方法で困難を 乗り越え、新しい人生を歩んでいました。 ふえはクラブの活動を通じて自分の経験型 の人の役に立つことを実感していました。 ことの関係で学んだ教訓を同じような教遇 の人たちと共有することでお互いに 支え合うことができたのです。ある日踏文 は読書クラブの参加者の1人から興味深い 提案を受けました。その人は元 ジャーナリストで高齢者の家族関係につい て記事を書きたいと考えていました。 文江の体験談を記事にしたいというのです 。 文江は最初躊躇しました。自分の素敵な 問題を公けにすることには抵抗がありまし た。しかし同じような状況で苦しんでいる 人たちの参考になるかもしれないと考え 協力することにしました。記事は地方新聞 に掲載され大きな反響を呼びました。 多くの読者から自分も同じような経験をし たという手紙が届きました。文は自分の 体験が多くの人にとって共感できるもの だったことを知り驚きました。記事の影響 で文江は地域の高齢者支援団体から公演の 依頼を受けました。 最初は緊張しましたが、徴収の真剣な表情 を見て自分の話が必要とされていることを 実感しました。文は自分の経験を通じて 家族関係の理想と現実について語りました 。公演の中で文は強調しました。家族だ からと言って全てを許し受け入れる必要は ありません。自分の尊厳を守ることも大切 な家族への愛情の現れなのです。 真の愛情とは相手を甘やかすことではなく 時には厳しい選択をすることも含まれるの です。 公園後多くの人が不見えに感謝の言葉を 述べました。中には涙を流しながら自分も 勇気をもらったと言ってくれる人もいまし た。 は自分の辛い経験が他の人の役に立って いることに深い満足感を覚えました。1年 後、ふ江はく子と一緒に温泉旅行に出かけ ました。2人とも元気で旅行を心から 楽しんでいました。温泉に浸りながら踏え は振り返っていました。 の息子の冷たい言葉がなければ今の充実し た生活はなかったかもしれません。くみ子 は言いました。人生って不思議よね。1番 辛いと思った出来事が実は新しい人生の 始まりだったなんて。文は深く頷きました 。 確かに息子に拒絶されたことは辛い経験 でしたが、結果的には自由と尊厳を 取り戻すきっかけになったのです。旅行 から帰った後、ふ江はシニアマンションの 住人たちと新しいプロジェクトを始めまし た。 高齢者の生活をサポートするNPO団体の 設立です。 家族に頼れない高齢者がお互いに支え合い ながら生活できるようなシステムを作り たいと考えたのです。 プロジェクトは多くの賛同者を得て順調に 進展しました。文江は理事の1人として 運営に積極的に関わりました。 これまで息子のためだけに使っていた エネルギーを今度は社会貢献のために使う ことができたのです。2年後の春、ふ江は 散歩中に偶然孝介を見かけました。彼は 以前とは別人のように失素な服装をして おり、明らかに生活が苦しそうでした。 組は一瞬声をかけようかと思いましたが、 そのまま通りすぎることにしました。もう 彼らの人生に関わる必要はありませんでし た。彼らには彼らの選択した道があり、文 には不見えの道があるのです。 お互いに干渉せずに生きていくことが最も 良い関係なのかもしれません。 その夜は自分の部屋で静かに日記を描いて いました。興味かけた息子のことも記録し ましたが、感情的な記述はありませんでし た。ただ事実として記録しただけでした。 文の心はもう完全に息子から離れていたの です。 組の新しい日記にはシニアマーションでの 生活、ボランティア活動友人との交流、 NPO団体の活動など充実した日々の記録 が綴られていました。どのページを見ても 踏えの新しい人生の豊かさが表現されてい ました。75歳の誕生日、踏えはシニア マンションの住人たちと盛大なパーティー を開いてもらいました。多くの人に囲まれ 、心からの祝福を受けた踏文は人生でこれ ほど幸せだと感じたことはありませんでし た。パーティーの最中ふえは住人の1人 から言われました。 文江さんを見ていると年を重ねることの 素晴らしさが分かります。 あなたのような生き方ができればおいる ことも怖くありませんね。文江重はその 言葉に深く感動しました。かつては息子に 恥ずかしいと言われた自分が今では多くの 人にとって憧れの存在になっていたのです 。 人の価値は他人の評価ではなく、自分自身 がどう生きるかによって決まるのだという ことを身を持って体験していました。 パーティーが終わった後、ふ江は1人で 夜空を見上げていました。星が美しく輝い ており、まるで新しい人生を祝福してくれ ているようでした。ふえは心の中で 亡くなった夫に語りかけました。 あなた、私は最後に本当の幸せを見つける ことができました。きっとあなたも喜んで くれているでしょうね。その時かに風が 吹き、まるで夫からの返事のように感じ られました。 ふ江は微笑みながら部屋に戻りました。 明日もまた新しい1日が始まります。 充実した意味のある1日が 翌年の秋文江重が設立に関わったNPO 団体は市から表彰を受けることになりまし た。 高齢者支援における貢献が認められたの です。 表彰式でふえはスピーチを求められました 。文江は男場に立ち、集まった多くの人 たちを見渡しました。 市長、市議会議員、福祉関係者、そして 団体のメンバーたち 皆が不重の言葉を待っていました。私たち の活動は1人の高齢者の小さな決意から 始まりました。家族に頼ることができなく なった時、絶望するのではなく、新しい 可能性を見つけることから始まったのです 。 の声は会場に響き渡りました。高齢者だ からと言って誰かに養ってもらうことだけ を考える必要はありません。私たちには まだまだできることがたくさんあります。 長年の経験と知恵を生かし社会に貢献する ことができるのです。 そして何より自分らしく尊厳を持って 生きることができるのです。 会場からは大きな拍手が起こりました。 ふ江はその拍手を聞きながら自分の人生の 変化を改めて実感していました。かつては 息子の影に隠れて生きていた自分が今では 多くの人の前で堂々と自分の意見を述べる ことができているのです。 表彰式の後、ふ江は組み子と一緒に会場を 後にしました。くみ子は感動で目をうるま せていました。ふえさん、素晴らしい スピーチだったわ。あなたの言葉にどれ だけ多くの人が励まされたことでしょう。 ふえは謙遜しながら答えました。私1人の 力では何もできませんでした。くみ子さん を始め、多くの人が支えてくれたからこそ ここまで来ることができたのです。 本当の家族とは血の繋がりではなく心の 繋がりなのかもしれませんね。2人は 夕暮れの町を歩きながらこれまでの道乗り を振り返っていました。 の辛い出来事から始まった踏文の新しい 人生は今では多くの人に希望を与える存在 になっていました。冬のある日、ふ江は 図書館で読み聞かせをしていると1人の 母親から声をかけられました。その母親は 涙を浮かべながら言いました。実は私週と の関係で悩んでいたんです。でもふえさん の記事を呼んで考えが変わりました。お 互いを尊重し合うことの大切さを学んだん です。 ふえはその母親の言葉に深く感動しました 。自分の体験が次の世代の家族関係の改善 に役立っているのです。 辛い経験も誰かの役に立つことができれば 意味のあるものになるのだと実感しました 。春が来て踏えは78歳になりました。 体力は依前ほどではありませんが精神的に はとても充実していました。 毎日が新しい発見と喜びに満ちており、 年齢を感じさせない活動的な生活を送って いました。 ある日、踏えは郵便受けに見慣れない封筒 が入っているのを見つけました。差し出し 人は幸介でした。5年ぶりの息子からの 手紙でした。 踏えは少し迷いましたが、手紙を開くこと にしました。手紙には孝介の近況と深い 謝罪の言葉が綴られていました。 会社をやめた後、様々な苦労を重ね、 ようやく小さな会社で働けるようになった こと。彩佳とは離婚し、子供たちとも離れ て暮らしていること。そして何より母親に 対してしてしまったことへの深い後悔の 気持ちが書かれていました。母さん、僕は 取り返しのつかないことをしました。 母さんがどれだけ僕のために尽くしてくれ たか失ってから初めて理解しました。今更 謝っても許してもらえるとは思いませんが 、どうしても伝えたかったのです。 母さん本当にごめんなさい。ふえは手紙を 読み終えるとしばらく静かに座っていまし た。 息子の謝罪は心に響きましたが、もう以前 のような関係に戻ることはできないと感じ ていました。お互いにとって距離を保つ ことが裁量の選択なのかもしれません。 ふえは返事を書くことにしました。短い 手紙でしたが息子への最後のメッセージを 込めました。こ介手紙を読みました。 あなたの気持ちは理解できます。でも お母さんは今とても充実した人生を送って います。 お互いにそれぞれの道を歩んでいき ましょう。手紙を投した後、踏えは す々しい気持ちになりました。息子との 関係に完全な収支を打つことができたの です。 にしみでは 理解と許しの気持ちでることができました。その年の踏江は子と一緒に海に出かけました。大な地と美しい花畑 を見ながら2人は人生について語り合い ました。 文江は言いました。くみ子さん人生は何歳 からでもやり直せるものなのね。私は70 歳で新しい人生を始めることができた。 くみ子も同感でした。ふえさんを見ていて 、私も勇気をもらったのよ。年を重ねる ことは終わりではなく新しい始まりなのか もしれないわね。旅行から帰った踏文は 自分の回層録を書き始めることにしました 。それまでの人生、特に息子との関係と 新しい生活について記録したいと思ったの です。 同じような教遇の人たちの参考になれば 良いと考えました。海総録の疾筆は不見え にとって自分の人生を客観し良い機会でし た。辛い出来事も含めて全てが今の自分を 作り上げるために必要だったのだと理解 できました。息子の冷たい言葉も結果的に は踏み重を自由にしてくれたのです。 執筆作業の合間にふ江は図書館での活動を 続けていました。子供たちへの読み聞かせ 、高齢者向けの読書クラブ、そしてNPO 団体の運営、どの活動も文にとって大切な ものでした。秋になって文の回層録が完成 しました。 出版社に持ち込むと編集者は内容に大変 興味を示しました。 高齢化社会における家族関係の問題を扱っ た実力として多くの読者に読まれる可能性 があると評価されました。 海総録は翌年の春に出版されることになり ました。 文江は自分の人生が本という形になること に不思議な考えを覚えていました。息子の ことで苦しんでいた頃には想像もでき なかった展開でした。 出版を前に踏えはく子と最後の構成作業を していました。く子は現稿を読みながら 言いました。 ふえさんの人生はまるで小説のようね。で もこれは実だからもっと価値があるわ。 ふえは微笑みながら答えました。人生って 本当に予想がつかないものですね。 最悪だと思った出来事が実は最高の贈り物 だったなんて。本が出版されると大きな 反響を呼びました。初点での売れ行きも 好調で多くのメディアからインタビューの 依頼が来ました。ふえは積極的に取材に 応じ、自分の体験を多くの人に伝えました 。テレビ番組に出演した文は司会者から 質問されました。息子さんとの関係につい て今はどう思われますか?ふえは落ち着い て答えました。息子を愛する気持ちは 変わりません。でも愛情と依存は違います 。 真の愛情とは相手の自立を支援することだ と学びました。番組放送後、踏文の元には 全国から多くの手紙が届きました。同じ ような経験をした人たちからの感謝の手紙 、励ましの言葉、そして相談ごとなどが 寄せられました。文は可能な限り返事を 書き、人々の心の支えになろうと務めまし た。年末が近づいた頃、ふ江は80歳の 誕生日を迎えました。 シニアマーションでは住人ソデで盛大な 誕生日パーティーが開かれました。 踏えをしう人たちが大勢集まり、心からの 祝福を受けました。パーティーの席でふえ は挨拶をしました。皆さん本当に ありがとうございます。 80年の人生を振り返ると様々なことが ありましたが、今は心から幸せだと言え ます。特にこの10年間は人生で最も充実 した時期でした。 踏えは続けました。家族との関係で苦しん でいる方もいらっしゃるかもしれません。 でも諦めないでください。人生はいつから でも変えることができます。 大切なのは自分らしく尊厳を持って生きる ことです。 会場は大きな拍手に包まれました。文の 言葉は多くの人の心に深く響いていました 。年齢を重ねることの美しさ、困難を 乗り越えることの素晴らしさを不重の存在 そのものが示していたのです。 その夜、ふ江は1人で静かな時間を過ごし ていました。窓の外では雪が降り始めて おり、町が白い雪に覆われていくのが見え ました。美しい光景でした。ふえは夫の 写真を手に取り語りかけました。あなた、 私は最後にとても幸せな人生を送ることが できました。息子のことで苦しんだ時期も ありましたが、それがあったからこそ今の 幸せがあるのです。きっとあなたも喜んで くれているでしょうね。写真の中の夫は いつものように優しく微笑んでいました。 ふえはその笑顔を見つめながら深い安らぎ を感じていました。 金星の最終賞がこんなにも美しいものに なるとは思っていませんでした。翌朝、 ふ江は雪下をした庭を眺めながら新しい1 日を迎えました。 80歳になってもまだまだやりたいことが たくさんありました。図書館での活動、 NPO団体の運営、そして何より多くの人 との心のつがりを大切にしていきたいと 思っていました。文の人生は息子の冷たい 言葉によって一度は絶望の縁に立たされ ました。しかしその出来事がきっかけと なって本当の自分を取り戻し充実した人生 を歩むことができました。家族との関係に 悩む多くの人にとって踏えの生き方は希望 の光となっていました。雪の降る静かな朝 文は心から満足していました。人生の最後 がこんなにも美しく意味深いものになると は想像していませんでした。息子への愛情 は変わりませんが、もう依存することは ありません。 自立した1人の女性として残りの人生を 大切に生きていくのです。皆様長い間 私たちの物語にお付き合いいただき本当に ありがとうございました。神崎文江重さん の人生が少しでも皆様の心に響くもので あったなら幸いです。 こんなに困難な状況にあっても諦めずに 自分らしく生きることの大切さをこの物語 を通じてお伝えできたでしょうか?人生に はいくつになっても新しい始まりがあり ます。家族関係で悩んでいる方、年齢を 重ねることに不安を感じている方、どうか 希望を捨てないでください。 文さんのようにいつからでも新しい人生を 始めることができるのです。もしこの物語 が心に残りましたら是非チャンネル登録 ボタンを押していただき、高評価も いただけると嬉しいです。 またコメント欄で皆様のご感想もお聞かせ ください。次回も皆様の心に響く物語をお 届けできるよう務めてまいります。 それではまた次の物語でお会いしましょう 。 最後まで聞いていただきありがとうござい ました。

これは神崎文江さん、70歳の物語。女手一つで育て上げた息子から「母さんは地味で恥ずかしい」と存在を否定され、絶縁を突きつけられた彼女。絶望の淵で、彼女の中で眠っていた”新しい何か”が静かに目を覚まし始めます。
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老後の物語
老後は穏やかな日々だけではなく、年金、社会保障、晩年の恋、離婚、再婚など、さまざまな悩みがつきものです。私は、そんなリアルな物語をお届けします。涙も笑いも、後悔も希望も詰まった人生の話。60歳からの人生に興味がある方、一緒に聞いて、共感しませんか?

VOICEVOX :青山龍星
VOICEVOX :Nemo

企画・制作部門

総合プロデューサー: 青木隆二 (Aoki Ryuji)
企画・構成: 西村智恵 (Nishimura Tomoe)
制作統括: 平野大輔 (Hirano Daisuke)
制作進行: 山本理沙 (Yamamoto Risa)
制作アシスタント: 池田美和 (Ikeda Miwa)
アソシエイトプロデューサー: 田村航 (Tamura Wataru)

撮影・映像技術

撮影監督: 森本健司 (Morimoto Kenji)
カメラディレクター: 浜田麻衣子 (Hamada Maiko)
第一カメラマン: 内田雄介 (Uchida Yusuke)
第二カメラマン: 片岡優太 (Kataoka Yuta)
照明チーフ: 坂口光男 (Sakaguchi Mitsuo)
照明アシスタント: 大野結菜 (Ono Yuna)
音声収録: 谷口真一 (Taniguchi Shinichi)

編集・ポストプロダクション

編集長: 柴田雅人 (Shibata Masato)
メインエディター: 水野愛美 (Mizuno Manami)
カラーグレーディング: 北村龍也 (Kitamura Tatsuya)
映像効果: 小川晃司 (Ogawa Koji)
モーショングラフィックス: 中島美咲 (Nakajima Misaki)

音響・音楽

音響監督: 藤原貴之 (Fujiwara Takayuki)
サウンドデザイナー: 吉野あかり (Yoshino Akari)
効果音制作: 上田翔太 (Ueda Shota)
音楽プロデューサー: 岩崎純一 (Iwasaki Junichi)
BGM作曲: 宮崎春花 (Miyazaki Haruka)
音響ミキサー: 村田慎也 (Murata Shinya)

ストーリー・脚本

脚本家: 渡邊綾乃 (Watanabe Ayano)
ストーリー監修: 高田修平 (Takada Shuhei)
物語構成: 横山千鶴 (Yokoyama Chizuru)
台本制作: 江藤美紀 (Eto Miki)
リサーチャー: 金子洋平 (Kaneko Yohei)

声優・ナレーション

メインナレーター: 久保田誠 (Kubota Makoto)
副ナレーター: 島田恵理 (Shimada Eri)
キャラクターボイス: 林田和樹 (Hayashida Kazuki)
特別出演: 石原麻希 (Ishihara Maki)

デザイン・アート

アートディレクター: 荒木直人 (Araki Naoto)
グラフィックデザイナー: 永井美穂 (Nagai Miho)
イラストレーター: 関根大地 (Sekine Daichi)
キャラクターデザイン: 竹内さくら (Takeuchi Sakura)
背景アート: 野田健太郎 (Noda Kentaro)
UI/UXデザイン: 山口花音 (Yamaguchi Kanon)

技術・配信

技術統括: 松井秀樹 (Matsui Hideki)
システムエンジニア: 佐々木純子 (Sasaki Junko)
配信技術: 伊藤翔 (Ito Sho)
品質管理: 小林真由美 (Kobayashi Mayumi)
データ分析: 鈴木拓実 (Suzuki Takumi)

マーケティング・宣伝

マーケティングディレクター: 田中康夫 (Tanaka Yasuo)
SNS運営: 大橋あゆみ (Ohashi Ayumi)
広報担当: 加藤雄大 (Kato Yudai)

サポートスタッフ

総務・経理: 長野美智子 (Nagano Michiko)
制作サポート: 福山咲良 (Fukuyama Sakura)
インターン: 山下蓮 (Yamashita Ren)

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