【実話の物語】「母さんは食べ物を隠してる!」──息子の言葉を信じた平手打ちの後、私は静かに家を出た。186日後、たった3分の映像が、私を否定した者たちを永遠の沈黙に突き落とした。
その日いた平手打ちの音はただの肉体的な 痛みを伴うだけではありませんでした。 それは息子のために人生を捧げた1人の 母親の心が砕け散ちる音でもあったのです 。私は身の息子に背を向けられました。 たった1つの嘘のせいで家を静かに出て いった後の186日間、私は自分の真実が 永遠にうも漏れてしまうと信じていました 。しかし、たった3分間の動画が現れ、 かつて私を否定した人々を2度と顔を あげることのできない沈黙の中に沈めたの です。この物語は悲しみを語るためのもの ではありません。これは静寂の中で耐え 続けているあなたのための物語です。真実 を語ることを恐れないでください。あなた が声をあげた瞬間からあなたはもう1人で はないのです。皆様、そして視聴者の皆 さん、チャンネルにお帰りなさい。今日は 1つの物語を一緒に聞いていただきたいと 思います。私の名前は藤原け子です。 1946年京都郊外の小さな町で生まれ ました。春には桜の花びが舞踊り、冬には 骨までこえるような寒さに包まれるそんな 場所でした。私の家族は小さな商売をして いて、裕福ではありませんでしたが、 食べるものや着るものに困ったことはあり ませんでした。事女として生まれた私は 幼い頃から譲り合いと他人のために生きる ことを教えられました。私の幼少期には夢 というものがなく、ただ責任についての 教えがあるだけでした。中学校を卒業した 後、私は学業を諦めて母の手伝いをする ことになりました。 財宝、料理、編み物など良い妻になるため に必要な全ての技術を学びました。誰も私 が何を望んでいるかを尋ねたことはあり ませんでしたし、私自身もそれについて 考えたことはありませんでした。私は正し に決めていました。家族が平和でありさえ すればそれで十分だと。21歳の時、私は 大阪の工場で働く優しく近辺な技術者と 結婚しました。私たちにはお金はありませ んでしたが、小さな家と1人の息子達也が いました。それが私の全ての希望でした。 夫は口数は少ないけれど、息子をとても 大切にしてくれる人でした。私は家にいて 1人で家事の全てをき盛りしていました。 毎日の食事から息子の制服の準備まで全て です。私は疲労という言葉を知りません でした。それが母親として妻としての務め だと信じていたからです。家の中で私が 最も幸せを感じる時間は夕方でした。台所 に立って夕食の準備をしながら玄関から 帰ってくる夫の足音と学校から戻ってくる 達也の元気な声を聞く時間です。防をたく 、味噌汁の香り、そして家族3人が食卓を 囲む瞬間、それは私にとって何よりも プレシャスな時間でした。達也は活発で 好奇心王勢な子供でした。近所の子供たち とサッカーをして帰ってくると泥だらけの 制服を着たまま台所に駆け込んできます。 母さん、今日学校でこんなことがあったん だよと目を輝かせながら話してくれる息子 を見ていると、私の心は温かい幸福感で 満たされました。夫は仕事から帰ってくる といつも達の宿題を見てくれました。数学 の問題を一緒に解いたり、漢字の練習を 手伝ったり、そんな父と息子の姿を台所 から眺めながら私は静かに微笑んでいまし た。私たちの生活は決して豊かではあり ませんでしたが、愛情に満ちていました。 古い木造の家は隙間風が入り、冬には家の 中でも息が白くなることがありました。で も3人で寄り添って座るこたつのぬくもり はどんな高級な暖房器具よりも心を温めて くれました。夫は給料日になると必ず 小さなケーキを買って帰ってきました。 それは家族3人で分ける小さなショート ケーキでしたが、私たちにとっては最高の ご馳想でした。そんな平凡だけれど幸せな 日々が突然終わりを告げる日がやってき ました。私が59歳の時、夫が突然脳梗速 で倒れたのです。病院に駆けつけた時、石 は首を横に振りました。あまりにも突然の ことで私は現実を受け入れることができ ませんでした。いつものように仕事から 帰ってくるはずの夫がもう2度と帰ってこ ないなんて。温かかった我が家は一瞬で 空気な場所に変わりました。食卓にはもう 2人分の席しかありません。夫の椅子だけ がまるで字が止まったように残されてい ました。私は自分が倒れてはいけない。が もうすぐ大学に入学するのだからと自分に 聞かせました。息子の支えにならなければ と。夫の葬儀の日、まだ大学生だった也は 黒いスーツに身を包ん、私の隣に立ってい ました。彼の目には涙が浮かんでいました が、必死にこらえようとしているのが 分かりました。きっと自分がもう家族の 男性代表なのだと感じていたのでしょう。 その時の達の小さく震える方を見て、私は 心に誓いました。この子だけは絶対に守ら なければならない。この子のためなら私は どんなことでもする。その日から私の本当 に厳しい日々が始まりました。朝の5時に 起きて近所の個人病院で清掃の仕事をし ました。 駅の匂いが染みついた白意を着て床を磨き 、窓を吹き、トイレを掃除しました。60 歳を過ぎた体には辛い労働でしたが、文句 を言う気持ちは全くありませんでした。昼 過ぎに家に帰ると内食の仕事が待ってい ました。小さな部品を組み立てる作業で1 つ完成させても数にしかなりませんでした が、積み重ねれば達の学費の足しになり ました。夜遅くまで内食をしていると達が 心配して話しかけてくることがありました 。お母さん、あまり無理しないでと優しい 声で言ってくれる息子に私は大丈夫よ。 お母さんは元気だからと笑顔で答えました 。実際には腰が痛み、根がしょぼしょぼし て、指先は小さな部品を扱うせいで傷 だらけでしたが、息子に心配をかけたく ありませんでした。 は父親を失った悲しみを胸に秘めながらも 懸命に勉強していました。深夜まで机に 向かっている息子の姿を見ると私の疲れ など吹き飛んでしまいました。この子が 立派に大学を卒業できるなら私はどんな 苦労もない。そんな気持ちで毎日を過ごし ていました。大学4年間私は1日として 休むことなく働き続けました。雨の日も風 の日も体調が悪い日も古い自転車に またがって職場まで片道3km以上の 道のりを通いました。冬の朝は特に辛く 冷たい風が頬を刺すように痛みましたが、 達の願顔を思い浮かべると足に力が入り ました。近所の人たちは私の苦労を見て 同場してくれました。け子さん、本当に 大変ねと声をかけてくれる人もいましたが 、私はいつも笑顔で答えました。息子が 頑張っているから私も頑張れるんですよと 。それは本心からの言葉でした。達也の 成長を見守ることが私の生きがいそのもの だったのです。ある日、達也が大学から 帰ってきて嬉しそうに報告してくれました 。お母さん、僕今度の試験で学科で3番の 成績だったんだ。その時の息子の輝くよう な笑顔を見て、私は胸が熱くなりました。 お父さんもきっと喜んでくれているわねと 答えると、達也も、うん、きっとそうだね と嬉しそうに頷きました。そして町に待っ た卒業の日がやってきました。学部を卒業 する達也の姿を見るために私は母が残して くれた古い着物を着て大学へ向かいました 。式天会場で息子の名前が呼ばれ、彼が 男場で卒業少々を受け取る瞬間、私の目 からは止めどなく涙が触れました。息子は 私の唯一の誇りでした。その日、私は会場 の1番後ろの席に座り、息子の邪魔になっ てはいけないと思って、写真を撮ったり 近づいたりすることはしませんでした。 卒業後、達也は地元の中企業に就職が 決まりました。初人級をもらった日、息子 は小さな花束を持って帰ってきました。 お母さん、ありがとう。僕がここまで来れ たのはお母さんのおかげだよ。そう言って 花束を渡してくれた息子を見て、私は今 まで頑張ってきて本当に良かったと心から 思いました。それから数年が経ち、達也も 社会人として立派に成長していました。 ある日、息子が少し恥ずかしそうに言い ました。お母さん、実は結婚したい人が いるんだ。私は飛び上がるほど嬉しくて どんな方なのか教えてと尋ねました。松は 水希という名前の会計事務所で働く2とし の女性のことを話してくれました。とても 優しくて料理も上手で何より也のことを 大切に思ってくれているということでした 。お母さんにも会って欲しいんだと達が 言うので私は緊張で胸がドキドキしました 。息子が選んだ人ならきっと素晴らしい方 に違いない。でも私のようなものが気に 入ってもらえるだろうかと不安でもあり ました。初めて水希さんに会った日のこと は今でもはっきりと覚えています。小柄で 上品な女性で私に向かって丁寧にお辞儀し てくれました。お母様いつも達さんがお 世話になっております。私藤原水と申し ます。その時の彼女の笑顔は本当に美しく 息子が惹かれる理由がよくわかりました。 私たちは近所の小さな喫茶店で話をしまし た。水希さんは私の話を熱心に聞いてくれ て時々愛槌を売ったり関心したような表情 を見せてくれました。達也さんからお母様 が1人で達さんを育て上げられたお話を 伺いました。本当に尊敬しますと言って くれた時、私は胸が暖かくなりました。 その日の帰り道、達也が私に聞きました。 お母さん、水希のことどう思った?私は 迷わず答えました。とても素敵な方ね。 あの人とならあなたは幸せになれると思う わ。達の顔がパーっと明るくなったのを見 て、私も嬉しくなりました。それから数 ヶ月後、達也が正式に結婚の申し入れをし たいと言ってきました。私は迷うことなく 貯金通帳を取り出しました。そこには夫が 亡くなってから約20年間、私が必死に 貯めた約2000万円が入っていました。 毎日の食事を切り詰め、服も買わず、娯楽 も我慢して貯めたお金でした。達つや、 これを使いなさい。結婚にはお金がかかる でしょうからと言って通帳を渡すと息子は 驚いて固まってしまいました。お母さん、 こんなにたくさん。どうやって?私は笑顔 で答えました。お母さんの楽しみはあなた が幸せになることだけだから。これは お母さんからのお祝いよ。達也は涙を 浮かべて僕絶対にお母さんを大切にする。 伊にもお母さんのことを大切にするように 言うからと約束してくれました。その言葉 を聞いて私は安心しました。息子が選んだ 人ならきっと私のことも家族として 受け入れてくれるに違いない。結婚式は 京都の小さなホテルで行われました。親族 だけの失素な式でしたが、私にとっては 息子の人生で最も美しい日でした。純白の ドレスを着た水希さんはまるで天使のよう に美しくタキシード姿の達也は父親に そっくりでした。式の最中私はなき夫の ことを思い出していました。あなた達が 立派に成長しましたよ。きっと喜んでくれ ているでしょうねと心の中で語りかけまし た。疲労園で水希さんが私の手を取って 言いました。お母さん、私たちは家族です 。 これからは一緒に住みましょう。私は完激 で言葉が出ませんでした。長年の夢が叶う 瞬間でした。1人で頑張ってきた年月が ついに報われる時が来たのです。新婚夫婦 は新しく立てた3階建ての家に住むことに なりました。その家は私が連帯保障人に なり、銀行からの借入れの一部を私が負担 して立てられた家でした。私の全財産と 将来の収入を担保に入れて息子夫婦の 新しい生活を支えたのです。そんな経緯も あって水希さんが一緒に住みましょうと 言ってくれた時、私は本当に嬉しかったの です。新しい家に引っ越した日、私は 小さな荷物をまとめて長い間見慣れた古い 家に別れを告げました。夫との思い出が たくさん詰まった家でしたが、今度は息子 夫婦と一緒に新しい思い出を作っていける のだと思うと、前向きな気持ちになれまし た。新しい家は本当に素晴らしい家でした 。私には2階の一室が与えられ、そこから 庭を見下ろすことができました。春には桜 が咲き、夏には緑がしり、秋には紅葉が 美しい小さな庭でした。私はその部屋で今 までにない安らぎを感じていました。最初 の数ヶ月間私たちの生活は本当に理想的 でした。朝早く起きて朝食を作り、家族 みんなで食卓を囲み、達也と水希さんを 仕事に送り出す。その後は家の掃除をして 夕方には買い物に出かけ夕食の準備をする 。本だけれど、温かい過程の日常がそこに ありました。水希さんは忙しい仕事をして いましたが、帰宅すると必ず私に今日は ありがとうございましたと声をかけてくれ ました。私もお疲れ様でした。今日は どんなお仕事をされたのですかと尋ね、 彼女の話に耳を傾けました。働く女性の 大変さを理解し、少しでも彼女の負担を 軽くしてあげたいと思っていました。 そして1年後、待望の孫が生まれました。 カイトという名前の可愛い男の子でした。 初めて泣いた時の小さくて温かい重みは私 の心に深い喜びをもたらしました。達の 赤ちゃんの頃にそっくりで私は涙が止まり ませんでした。夫がもし生きていたら どんなにこの瞬間を喜んだことでしょう。 ライトの世話は私の新しい生がいになり ました。夜中になく赤ちゃんの面倒を見て 水希さんが少しでも休めるようにしました 。おムを変えミルクを作り怪しながら 小も歌を歌いました。久しぶりに感じる 赤ちゃんのぬくもりは私の心を若えらせて くれるようでした。カイトが成長するに つれて私は彼の専属の世話係かりのように なりました。保育園への送り迎えも私の 仕事でした。他のおばあちゃんたちと 井戸端会議をするのも楽しみの1つでした 。みんな孫の自慢話をして私もカトの 可愛いエピソードを話しました。この子が いてくれるおかげで私の老語は本当に充実 していました。カイトが5歳になった頃、 彼は私にとって特別な存在になっていまし た。おばあちゃん、今日保育園でこんな ことがあったよと毎日報告してくれる孫を 見ていると、達也の子供の頃を思い出して 懐かしい気持ちになりました。私はカイト が好きな卵焼きを作ったり、一緒に絵本を 呼んだり、公園で遊んだりすることを 何よりも楽しみにしていました。しかし カイトが5歳になった頃から家の中の 雰囲気が少しずつ変わり始めました。最初 は小さな変化でした。水希さんの挨拶が 以前より短くなったり、私と目を合わせる 時間が少なくなったりしました。私は年の せいで敏感になりすぎているのかと思い気 にしないようにしていました。ある日台所 で夕食の準備をしていると水希さんが電話 で誰かと話している声が聞こえてきました 。声はとても小さくて、普段の彼女とは 違う、何か密かな話をしているような 雰囲気がありました。私は聞き耳を立てる つもりはなかったのですが、証拠という 言葉が聞こえたような気がしました。でも はっきりとは聞き取れませんでした。その 頃から私は漠然とした不安を感じるように なりました。家族の一員として温かく迎え られていると思っていたのにどこか阻害感 を感じることが増えてきました。食事の 時間に私だけが話に加われなかったり、 テレビを見ている時に私がいると会話が 止まったりすることがありました。私は 自分が神経室になりすぎているのだと 思い込もうとしました。伊さんは仕事で 疲れているのだし、達也も責任のある立場 になって忙しいのだから仕方がないことな のだと。私は昔のように辛抱強く待って いればきっとまた以前のような温かい関係 に戻れるはずだと信じていました。でも心 の奥では小さな警報が鳴っていました。 何かが間違っている。何かが変わって しまった。でもそれが何なのか私には 分かりませんでした。私はただ嵐が 過ぎ去るのを待つように静かに日々を 過ごすことにしました。家族を愛し、家族 に尽くし、家族のために存在する。それが 私の役割だと信じて。そんなある午後私が 台所の途を整理していた時のことです。 小さなカイトが駆け寄ってきて、私の首に 抱きつきながら小さな声で支えきました。 おばあちゃん、ママがおばあちゃんは 食べ物を隠すって言ってたよ。その瞬間私 の心臓は止まりそうになりました。手に 持っていた皿が危うく落ちそうになり、 慌てて両手で支えました。カ藤の無邪気な 表情を見つめながら私は必死に平常心を 保とうとしました。本にママがそんなこと を言ったのと震え声で訪ねるとカトは素直 に頷きました。その夜私は自分の部屋で 1人深く考え込みました。食べ物を隠す なんて私は1度もそんなことをしたことが ありません。むしろ美味しいものがあれば いつも家族のために取っておくのが私の 習慣でした。大の好きなイチゴがあれば 息子夫婦にも食べてもらいたくて自分の分 は我慢することもありました。それなのに なぜ水希さんはそんなことを言うの でしょうか?私の胸の中で不安が確信に 変わり始めました。これまで感じていた 違和感の全てが1つの線で繋がったような 気がしました。密かな電話での会は よそよそしい態度。そして今度の避難全て が私を追い詰めるための計算された行動 だったのではないかと思えてきました。で も私にはまだ確証がありませんでした。 もしかしたら私の被害妄想かもしれない。 もしかしたら本当に私が何か間違ったこと をしているのかもしれない。そんな思いが 頭の中をぐるぐると回りました。その夜、 私は引き出しの奥にしまい込んでいた 小さな箱を取り出しました。数年前に親戚 からもらった小型のビデオカメラでした。 当時は使い方が分からず、そのまま しまい込んでいたのですが、今になって それを思い出したのです。私は震える手で 説明書み、SDカードの入れ方、録画の 方法、角度の調整方法を学びました。 決して誰かを落とし入れるためではあり ません。ただ自分自身を守るために何が 本当に起きているのかを知るために真実を 記録したかったのです。翌朝家族がまだ 眠っている早朝に私は静かに台所におり ました。手は震えていましたが決意は硬い ものでした。私は小さなカメラを台所の 戸棚の上の目立たない場所に設置しました 。 私の料理エリア全体が映るような角度で 家族の誰にも気づかれない場所でした。 カメラを設置しながら私は自分に聞かせて いました。もし私が間違っているならすぐ にこれを削除しよう。でももし本当に何か が起きているなら少なくとも真実は記録さ れるはずだ。私はもう静かに耐えるだけの 女性ではない。真実を知る権利がある。 そしてもし必要ならその真実で自分自身を 守る権利もあるのだ。カメラを設置して から数日が経ちました。私は毎晩その日の 録画を確認していましたが、そこに移って いたのは私の日常的な料理や掃除の様子 だけでした。ご飯を炊き、味噌汁を作り、 野菜を切り、食器を洗う。普通の何の変哲 もない台所での光景が円々と続いていまし た。私は安すると同時に自分の疑念が 間違いだったのかもしれないという気持ち になりました。しかし家の中の雰囲気 はます苦しくなっていました。伊さんは私 と同じ部屋にいる時間を明らかに避ける ようになり、達也も仕事から帰ってくると すぐに2階の自分たちの部屋に上がって しまうことが多くなりました。夕食の時間 でさえ会話はほとんどありませんでした。 私が何か話しかけようとするとあ、そう ですねという短い返事だけが帰ってきまし た。回答だけが以前と変わらず私に懐つい てくれていました。おばあちゃん、今日 保育園を描いたんだよと嬉しそうに報告し てくれる孫の姿が私にとって唯一の慰め でした。でもそのカイトでさえ時々不安 そうな表情を見せることがありました。 ママとパパが小さい声で話している時、 カイトは私の膝の上に座って、おばあ ちゃん、みんな怒っているのと小さな声で 聞いてきました。私はカイトの頭を優しく 撫でながら大丈夫よ。誰も怒っていないわ と答えましたが、自分でもその言葉が嘘だ ということは分かっていました。5歳の 子供でも感じ取れるほどこの家の空気は 悪くなっていたのです。そんなある日の 午後私が洗濯物を干していると2階から 水希さんの電話の声が聞こえてきました。 いつものように小声でしたが、今度 はっきりと聞き取ることができました。 もうすぐよ、計画通りに進んでいるから。 あの人まだ何も気づいていないみたい。 そう、このままい心地を悪くしていけば 自分から出ていくと思う。私の手は震え ました。洗濯バサミが指から滑り落ちて コンクリートの上に小さな音を立てて落ち ました。私は慌ててそれを拾い上げました が、心臓は激しく鼓動していました。 やはり私の感じていたことは正しかったの です。水希さんは意図的に私を追い出そう としていたのです。その夜夕食の準備をし ながら私は水希さんの顔をそっと観察し ました。いつものように表面的には丁寧で 優しそうな表情をしていましたが、私の目 には妄想の仮面が透けて見えるようでした 。彼女が箸を持つて私に向ける視線全てに 咲異的なものを感じました。お疲れ様でし た。今日はどんな1日でしたかと私がいつ ものように尋ねると水希さんは少し間を 置いてから答えました。忙しかったです。 明日も早いので今日は早めに休ませて いただきます。そして足早に2階に上がっ ていきました。達也も無言で彼女のを追い ました。私は1人台所に残されました。 まだ片付けの住んでいない食器を見つめ ながら私はこの数ヶ月間の出来事を 振り返りました。いつからこの家で私は 歓迎されない存在になったのでしょうか? いつから私の存在は邪魔なものになったの でしょうか?洗い物をしながら私の目から 涙がこぼれました。でもそれは悲しみの涙 というよりも屈辱の涙でした。私は息子の ために人生を捧げ、この家のために財産を 投じ、家事と育児で毎日を支えてきました 。それなのになぜこんな扱いを受けなけれ ばならないのでしょうか。次の朝いつもの ように私は5時に起きて朝食の準備を始め ました。ご飯を炊き、味噌汁を作り、 卵焼きを焼く。カイトの好きなウィンナー も焼きました。しかし家族が食卓に降りて きた時、水希さんは私の作った朝食を ほとんど口にしませんでした。 ちょっといいの調子が悪くてと言ってパン を一切れだけ食べて会社に向かいました。 達也もいつものように無言で食事を済ませ 急いで家を出ていきました。言っ てらっしゃい。今日も1日お疲れ様と声を かけましたが振り返ってくれることはあり ませんでした。カトだけがおばあちゃんの 卵焼き美味しいと言って感触してくれまし た。その笑顔を見て私は少しだけ救われた 気持ちになりました。でもカ藤を保育園に 送っていく道すら私は深い孤独感に襲われ ました。保育園の前で他のお母さんやお ばあちゃんたちと挨拶をかわしている時、 私はふと思いました。この人たちは家族に 愛されて必要とされてここにいるのだろう 。でも私は邪魔し扱いされながらそれでも ここにいる。この違いは何なのでしょうか ?家に帰ると私はカメラの映像を確認し ました。昨日の分も特に変わったことは 映っていませんでした。でも諦めずに 続けることにしました。真実は必ずどこか に現れるはずです。その日の午後私が庭で 洗濯物を取り込んでいると水希さんが予定 より早く帰ってきました。彼女は私を見る と少し驚いたような表情を見せました。あ 、お母さんお疲れ様です。今日は早く帰れ たので私はいつものようにお疲れ様でした 。何かお手伝いできることはありますかと 尋ねました。水希さんはいえ、大丈夫です 。少し休んでから夕食の準備をしますと 答えました。でもその表情には私に割理解 できない何かが含まれていました。夕方に なっていつものように台所に立とうとする と水希さんが先に立っていました。今日は 私が作りますからお母さんはゆっくりして いてくださいと言われました。私は戸惑い ながらもありがとう。それでは少し休ませ てもらいますと答えて今のソファに座り ました。でも台所から聞こえてくる音に私 は違和感を覚えました。水希さんは料理を しているというよりも何かを探している ような音を立てていました。戸棚を開け たり閉めたりする音、引き出しを開ける音 。私は気になってさりげなく台所の方を見 ました。水希さんは私の料理道具を1つ1 つに通ってまるで点検でもしているかの ように眺めていました。そして冷蔵庫の中 も詳しく調べているようでした。私は背筋 が寒くなりました。まるで何かの証拠を 探しているかのような行動でした。その時 玄関のドアが開く音がしました。 が帰ってきたのです。水希さんは当てた ように手を止めて普通に料理を始めました 。でも私にはその泡手ぶりがはっきりと 見えました。夕食の時間家族4人が食卓を 囲みましたが会話は最小限でした。水希 さんが作った料理はいつもの私の味付けと は全く違っていました。ライトがママの 料理ちょっと塩辛いと正直に言うと水希 さんの表情が一瞬険しくなりました。でも すぐに笑顔を作ってそうね、今度気を つけるわと答えました。食事が終わった後 、達也と水希さんは2階に上がっていき ました。私は1人で食器を片付けながら 今日の水希さんの行動について考えてい ました。なぜ彼女は私の料理道具を調べて いたのでしょうか?何を探していたの でしょうか?その夜寝る前にカメラの映像 を確認していると昼間の水希さんの行動が 録画されていました。私が庭に出ている間 に彼女は台所で何かをしていたのです。 映像を詳しく見ると彼女は冷蔵庫から何か を取り出してそれを小さな袋に入れてい ました。それからその袋を私の部屋の方向 に持っていくような仕草をしていました。 私は画面を食いるように見つめました。 水希さんは明らかに何かを私の部屋に 持ち込もうとしていたのです。でもその 映像だけでは彼女が何をしたのか詳しくは 分かりませんでした。翌朝私は自分の部屋 を念入りに調べました。タンスの引き出し 、クローゼットの中、ベッドの下。そして 私の部屋の一角にある小さな収納ボックス の中に見覚えのない小さな袋を発見しまし た。袋の中には賞味期限の切れた食品の パッケージが入っていました。私が買った 覚えのない高級なチーズやハムの放送士 でした。私の手は震えました。これは罠 だったのです。水希さんは私が食べ物を 隠していると言いふらすために証拠を捏造 していたのです。私は急いでその袋を処分 しましたが、彼女の計画の一部指重が見え てきました。その日の昼、カイトを迎えに 保育園に行く途中、私は深く考え込んでい ました。もしカメラがなかったら私はこの 罠にかかっていたでしょう。として本当に 私が食べ物を隠している嘘つきだと思われ ていたかもしれません。保育園でカイトを 迎えた時、担任の先生が私に話しかけてき ました。カト君のお母さんから最近家庭で 少し変化があったと聞いているのですが、 カト君は保育園では元気にしています。で も時々家のことを心配しているような様子 も見られます。私は胸が締めつけられる 思いでした。水希さんは保育園にまで家庭 の問題があるかのような話をしていたの です。カトに影響が出ているのだとしたら 私は一体どうすればいいのでしょうか?家 に帰る道でカイトが私の手を握りながら 言いました。おばあちゃん。僕おばあ ちゃんと一緒にいるのが1番好きだよ。 ママとパパは最近怖い顔をしているから、 私はカイトの手を強く握り返しました。 この子だけは私の味方でいてくれる。この 子のためにも私は負けるわけにはいきませ ん。その夜夕食の準備をしていると水希 さんが台所にやってきました。お母さん、 最近お疲れのようですが大丈夫ですか? もしかして何か心配事ごとでもあるの でしょうか?その言葉には表面的な優しさ の裏に何か別の意図が隠されているように 感じました。私は平成を予想って答えまし た。ありがとう。特に心配事はありません 。たあ、年のせいで少し疲れやすくなった だけです。伊さんはそうですか、それなら 良いのですがと言いましたが、その目には 満足な光が宿っているのを私は見逃しませ んでした。夕食の時間、達也が珍しく 話しかけてきました。母さん、最近なんだ か元気がないように見えるけど体調は 大丈夫?私は息子の久しぶりの優しい言葉 に少し心が軽くなりました。大丈夫よ。 心配しないでお母さんは元気だからと答え ました。でも水希さんが私を見る目には 明らかに不快感が現れていました。夫で ある達也が私を気遣うことが彼女には 面白くないのでしょう。その瞬間私は確信 しました。水希さんの目的は私と達也の 関係を破綻させることなのだと。食事が 終わった後、私は台所で1人片付けをして いました。そんな時、2階から水希さんと 達の声が聞こえてきました。いつものよう に小声でしたが、今夜は少し声が大きめ でした。もう限界よ。達さん、お母さんの ことなんとかしてちょうだい。達也の声は 聞き取れませんでしたが、水希さんは続け ました。私だって我慢してるのよ。でも このままじゃ私が参ってしまう。私は手を 止めて耳を済ませました。水希さんの演技 は夫に対しては別の顔を見せているのです 。かわいそうな私。我慢している私を演じ て達の道場を買おうとしているのです。 翌日の朝達也は私に話しかけてきました。 母さん水希のことで相談があるんだけど、 私は心臓が早く打つのを感じながら 何かしらと答えました。達也は少し言い にくそうに続けました。水希が最近すごく ストレスを感じているみたいなんだ。仕事 も忙しいし、子育てもあるし。私は達也の 言葉を静かに聞いていました。そして息子 は言いました。もしかして何か水希との間 で問題があるなら教えて欲しいんだ。 母さんと水希が仲良くやっていけるように 息子として何かできることがあれば私は 息子の紳摯な表情を見つめました。達也は 本当に家族の平和を願っているのです。で も彼は妻の本当の顔を知らない。私は答え ました。水希さんとは特に問題ありません 。きっと仕事でお疲れなのでしょう。私も 気をつけて迷惑をかけないようにします。 達也は安の表情を見せました。ありがとう 母さん。母さんがそう言ってくれると安心 する。水希もきっと感謝していると思う。 私は苦しい気持ちを押し隠しして微笑み ました。息子の幸せを願うなら今はことを 荒立てない方がいいのかもしれません。 しかしその日の午後状況は急激に悪化し ました。カ藤保育園に迎えに行って帰って くると水希さんが台所で何かを探してい ました。彼女は私を見ると少し慌てたよう な表情を見せました。お母さんお帰り なさい。実は冷蔵庫に入れておいたハムが 見当たらなくてもしかしてどこかに移し ましたか?私は戸惑いました。ハムなんて 触っていません。どんなハムですか?水希 さんは昨日買ったばかりの高級なハムなん です。確かに冷蔵庫に入れたはずなのに。 まさかとは思いますがと言いかけて口を 止めました。でもそのまさかという言葉に 込められた胃には明らかでした。私は必死 に記憶をたどりました。確かに昨日冷蔵庫 を開けた時見慣れないハムがありました。 でもそれは水希さんのものだと思って触り ませんでした。そのことを説明しようとし ましたが水希さんは納得していないような 表情でした。そうですか。でも確かにそこ にあったはずなんです。不思議ですね。 そう言って水希さんは意味深かな表情で私 を見つめました。私は背筋が寒くなりまし た。また何かの罠を仕掛けられているの でしょうか。その夜私はカメラの映像を 念入意に確認しました。昨日から今日に かけて私が冷蔵庫に触れた場面は全て映っ ていました。として私は確かにハムには 1度も手を触れていませんでした。むしろ 水希さんが朝早くそのハムを冷蔵庫から 取り出している場面が映っていました。 翌朝達也が出勤前に私に話しかけてきまし た。母さん昨日水希からハムの件で話を 聞いたんだけど私の心臓は跳ね上がりまし た。ついに水希さんは達也に告げ口したの です。でも達の表情は攻めるようなもので はありませんでした。きっと何かの間違い だと思うけど、今度から冷蔵庫のものを 動かす時は一言言ってもらえるかな。 トラブルを避けるためにも私は頷きました 。分かったわ。気をつけます。しかし水希 さんの攻撃はこれで終わりませんでした。 数日後、今度は私の部屋から出てきた時に 彼女が台所にいて引き出しを調べていまし た。お母さん、砂糖が随分減っているよう ですが、何かお菓子でも作られましたか? 私は首を振りました。お菓子なんて作って いません。いつも通りお料理に使っただけ です。水希さんはそうですか、でも随分 減り方が早いような気がしてと言いました 。 その言葉には明らかに疑念が込められてい ました。私は自分の記憶を必死にたどり ました。確かに最近お料理で砂糖を使う ことはありましたが、特別に多く使った 覚えはありません。でも水希さんの目には 私が何かを隠しているという確信がある ようでした。その日の夜2階から聞こえる 会話はいつもより激しいものでした。水希 さんの声が少し大きくなって、達也に何か を訴えているようでした。私は聞き耳を 立てるつもりはなかったのですが、 お母さんという言葉が何度も聞こえてき ました。翌朝也やの態度が明らかに変わっ ていました。いつものおはようの挨拶も そっけなく私が作った朝食もほとんど手を つけませんでした。伊さんはいつものよう に表面的には丁寧でしたが、その目には 勝利の光が宿っているのを私は見逃しませ んでした。カトだけがいつものように私に 懐ついてくれていました。でもそのカイト でさえ時々困ったような表情を見せること がありました。おばあちゃんママがおばあ ちゃんのことで怒っているみたい。なんで 私はカイトの頭を撫でながら大丈夫よ。何 も心配することはないのと答えましたが、 心の中では嵐が吹き荒れていました。 ついに水希さんの計画がこうをそうし始め ているのです。息子の心は確実に私から 離れていっているのです。そんなある日の 夕方、私が台所で夕食の準備をしていると 水希さんが帰ってきました。をしていつに なく直接的な口調で話しかけてきました。 お母さん、ちょっとお話があります。私は 手を止めて振り返りました。水希さんの 表情は今までで最も冷たいものでした。 最近家の中で色々なものがなくなったり 移動したりしているんです。お心当たりは ありませんか?私は胸が締めつけられる 思いでした。ついに直接的な避難が始まっ たのです。心当たりなんてありません。私 は何も通っていませんし、勝手に物を 動かしたりもしていません。水希さんは そうですか。でも事実として物がなくなっ ているのは確かなんです。単に説明のつか ない状況なのでとても困っているんですと 言いました。その言葉は私が犯人だと言っ ているのと同じでした。私は必死に自分の 潔迫を主張しようとしましたが、水希さん は聞く耳を持ちませんでした。とにかく 今後気をつけていただければと思いますと 言って彼女は2階に上がっていきました。 その夜が私の部屋にやってきました。 母さん水希から話を聞いたんだけど息子の 表情は今まで見たことのないほど深刻でし た。私の心臓は激しく鼓動していました。 達也は続けました。正直言って何が起きて いるのかよくわからない。でも水希が こんなに悩んでいるのを見ていると何かし なければと思うんだ。私は息子の言葉を 黙って聞いていました。そして達也は言い ました。もしかして母さん何か困ったこと でもあるの?私は涙が溢れそうになりまし たが必死にこらえました。そして震える声 で答えました。タや、お母さんは何も悪い ことはしていません。信じてちょうだい。 達也は困ったような表情を見せて、母さん がそう言うなら信じるよう。でも水希の ことも考えて欲しいんだと言いました。 その会話ノア私は1人で泣きました。息子 の心はもう水希さんの方に向いてしまって いるのです。私がどんなに潔迫を主張して ももう信じてもらえないのかもしれません 。数日後、ついに決定的な瞬間がやってき ました。夕食後、私が台所で片付けをして いると2階から激しい降論の声が聞こえて きました。水希さんの声はいつもの小声で はなく、はっきりと聞き取れるほど大きく なっていました。もう我慢できません。達 さんはお母さんがやったことを見たん でしょう。食べ物をこっそり袋に入れて いるところを。私は手が震えました。 ついに水希さんは嘘の目撃証言までタやに 吹き込んだのです。達の声も聞こえてき ました。でも直接母さんに確認しないと 水希さんは私はもう限界です。このままで は私がおかしくなってしまいますと鳴き声 で訴えていました。私は台所にへり込んで しまいました。ついに水希さんの計画が 最終段階に入ったのです。私は震える足で 立ち上がり2階に向かいました。もう 逃げるわけにはいきません。真実を話さ なければなりません。階段を上がりながら 私の頭の中では様々な思いがか駆け巡り ました。この20年間のために捧げてきた 人生。夫の死を必死に働いて達を大学まで 出した日々。そしてこの家のために投じた 善財産。それら全てが1人の女性の嘘に よって無意味なものにされようとしている のです。 のドアの前に立った時、私の心臓は今にも 破裂しそうでした。でももう後戻りはでき ません。私はドアをノックして中に入り ました。達也と水希さんは私を見ると急に 黙りくりました。私は震える声で言いまし た。2人ともお母さんが食べ物を盗んで いると思っているの。初也は目をそらし、 水希さんは黙ったまま私渡しを見つめてい ました。その沈黙が全てを物語っていまし た。私はもう一歩前に出て続けました。 お母さんは1度も家の食べ物を隠したり 盗んだりしたことなんてありません。もし 何か誤解があるなら話し合いましょうと 言いました。その時でした。 が立ち上がって私の方に歩いてきました。 そして私の言葉を遮切るように私の方を 平手で打ったのです。パン、その音は 静まり返った部屋に響き渡りました。私は 左の方を抑えて息子を見つめました。痛み よりも信じられないという気持ちの方が 大きかったのです。私を生み、育て人生を 捧げた息子が私を泥棒わりして暴力を振っ たのです。達也は私を見ることもできずに 言いました。母さん、もう言い訳はいいよ 。妻から全部聞いたから。これ以上説明 する必要はない。私は涙も出ませんでした 。たあ、心の中で何かが音を立てて崩れて いくのを感じていました。 水希さんは黙ったまま勝利を確信したよう な表情で私を見つめていました。達は私の 目を見ることもできずにただ立ち尽くして いました。私は何も言わずにその部屋を出 ました。自分の部屋に戻りドアに鍵をかけ て床にへり込みました。頬はまだ熱く感じ ましたが、心は氷のように冷たくなってい ました。鏡を見るとそこには手の跡が赤く 残った爆発の乱れた深い熊のあるロ婆が 映っていました。これが愛の代償なの でしょうか?これが一生を息子に捧げた 結果なのでしょうか?私は鏡の中の自分に 問いかけましたが答えは帰ってきません でした。翌朝私はいつものように5時に 起きて朝食を作りました。ご飯を炊き、 味噌汁を作り、カトのお弁当も準備しまし た。でもこの日だけは違いました。私は達 に一言も話しかけませんでした。いつも ならお疲れ様。今日も1日気をつけてねと 声をかけるのですが、今日はただ黙々と 家事をこなしました。達也は私の前を 素通りしていきました。振り返ることも 謝罪の言葉をかけることもありませんでし た。まるで昨夜の出来事がなかったかの ように彼は普通に会社に向かいました。 水希さんもいつものように表面的な挨拶 だけを残して出勤していきました。カト だけがおばあちゃん今日は元気がないねと 心配そうに私を見上げました。私は精一杯 の笑顔を作って大丈夫よ。ちょっと疲れて いるだけと答えました。でも5歳のカイト にも私の変化は隠せませんでした。カイト を保育園に送った帰り道。私は自分自身に 問いかけていました。私がこの家にいる意 は何なのだろうか。もし今私がこの家から いなくなったとしても誰か気づいてくれる のだろうか。答えは明らかでした。誰も 気づかないし。むしろ喜ばれるかもしれ ません。家に帰ると私は初めて真剣に荷物 をまとめることを考えました。長年 住み慣れたこの家を出てどこか遠くで静か に予声を送る。それがみんなのためにも 私自身のためにも良いのかもしれません。 でもその前に私は真実を確認したくなり ました。カメラに録画された映像をもう 1度最初から全て見直してみることにし ました。数週間分の録画を私は時間をかけ て丁寧に確認していきました。そして録画 開始から17日目の映像で私は決定的な 場面を発見したのです。その日私がカ藤 保育園に迎えに行っている間水希さんが 予定より早く帰宅していました。彼女は 台所で電話をかけていました。音質は完璧 ではありませんでしたが、音量を最大にし て注意深く聞くと彼女の言葉がはっきりと 聞き取れました。ずっとここにいられても 困るのよ。自尊心を傷つけて自分から出て いくようにしけるしかないわ。自分が悪い んだと思わせて家族の雰囲気を壊している のは自分だと思い込ませるの。会えられ なくなったらきっと出ていくはずよ。私の 手は震えました。画面の中の水希さんは まさに私を落とし入れる計画について誰か と相談していたのです。彼女の表情は私が 今まで見たことのない冷酷なものでした。 いつもの優しそうな仮面は完全に取り払わ れ、そこには計算高い残酷な女性の素顔が ありました。電話はまだ続いていました。 食べ物を隠しているって言フラスのが1番 効果的を年寄りは食べ物に執着するって みんな思い込んでいるから証拠を作って 息子に見せればきっと信じるわ。母親より 妻を選ぶに決まっているもの。私は画面を 見つめたまま動くことができませんでした 。全てが計画的だったのです。私の感じて いた違和感、家族の冷たい態度、そして 昨夜の平手打ち。全てが水希さんの計算 通りに進んでいたのです。映像はさらに 続きました。水希さんは電話を切った後、 冷蔵庫から食材を取り出し、それを小さな 袋に入れました。そしてその袋を持って1 回姿を消しました。きっと私の部屋に証拠 を植え付けに行ったのでしょう。 あの日、私が自分の部屋で見つけた謎の袋 の正体がついに明らかになりました。私は その映像を何度も繰り返しみました。水希 さんの冷酷な表情、計算された行動、 そして私を追い出すための集頭な計画 全てが録画されていました。その夜私は一 もできませんでした。ベッドに横になり ながら私はこの数ヶ月間の出来事を 振り返りました。水希さんの最初の冷たい 態度食べ物がなくなったという層私の部屋 に仕込まれた証拠そして達への告げ口 全てが1本の線で繋がりました。私は怒り よりも深い失望を感じていました。こう心 から愛し、家族として受け入れようとした 女性が実は私を心の底から憎み追い出そう と格策していたのです。そしてその計画に 息子は完全に騙されてしまったのです。 翌朝私の決意は固まっていました。もう この家にいる理由はありません。真実を 知った今、私はこれ以上屈辱を受け続ける 必要はないのです。私は静かに荷物を まとめ始めました。古いスーツケースに 最低限の衣類と思い出の品を詰めました。 夫との写真、達の子供の頃の写真、そして 大切にしていた母の片の指はそれらだけで 十分でした。この家で気づいた思い出は もう私には重すぎるものになってしまい ました。貯金通帳と現金も準備しました。 現金と少しの貯金があればどこか遠くで 静かに暮らしていけるでしょう。もう家族 に頼る必要はありません。1人で生きて いく覚悟を決めました。身造をしながら私 はカイトのことを思いました。あの子だけ は本当に私を愛してくれていました。あの 子とは枯れるのは辛いけれどこのまま家に いても水希さんはきっとカイトと私の関係 も引き裂こうとするでしょう。 それなら今のうちに身を引く方がみんなの ためかもしれません。夕方家族が帰宅する 前に私は荷物をまとめ終えました。手紙を 書くことも考えましたがやめました。言い たいことは山ほどありましたがもう何を 言っても無駄だと思ったからです。真実を 知っているのは私だけ。それで十分でした 。夕食の時間、私は最後の家族旦難に参加 しました。いつものように表面的には平和 な食卓でした。水希さんは優しい妻と母親 を演じ、達也は疲れた会社員として 振る舞い、カイトは無邪気に話しかけてき ました。でも私にはもうその全てが巨行に 見えました。食事が終わった後、いつもの ように私が片付けをしている間、家族は 各自の時間を過ごしていました。達也は テレビを見て、水希さんはカイトと一緒に お風呂に入り、普通の夜の風景でした。で もこれが私にとって最後の夜だということ を誰も知りませんでした。夜中の2時頃、 家族が全員眠りに着いたのを確認して私は 静かに家を出ました。思いスーツケースを 持って玄関のドアを開けました。その時私 は振り返りませんでした。この家で過ごし た日々、息子への愛情、家族への献心全て を置いていきました。最終電車に乗って私 は嵐山の方向に向かいました。そこには昔 夫と一緒に訪れたことのある静かな住宅地 がありました。1人暮らしの老人でも借り られる小さなアパートを見つけて新しい 生活を始めることにしました。電車の窓 から見える夜景を眺めながら私は不思議な 解放感を感じていました。長い間感じてい た銃圧からついに自由になったのです。 もう誰かの顔色を伺う必要も疑いの目で見 られることも嘘の罪で責められることも ありません。78歳にして私は初めて自分 のための人生を歩み始めたのです。それは 恐ろしくもあり、同時にす々しい気持ちで もありました。真実を知っている私はもう 負けてはいません。むしろ勝利者として 新しい人生を始めるのです。嵐山駅に着い た時、空が調み始めていました。新しい1 日の始まりでした。そして藤原け子という 女性の本当の人生の始まりでもありました 。6ヶ月が過ぎました。私は嵐山の小さな 1系やパートで静かな日々を送っていまし た。年金と少しの貯金で失そながらも平穏 な生活を営んでいました。朝は近所の神社 を散歩し、昼間は図書館で本を読み、夕方 は近くの商店街で買い物をする。誰にも せかされず、誰にも疑われず、誰にも責め られない生活でした。近所の人たちとも 少しずつ顔見知りになりました。同じよう に1人暮らしをしている高齢の女性たちと 時々お茶を飲みながら世間話をしました。 私は過去のことはほとんど話しませんでし たが、皆さん優しく接してくれました。 家族からの連絡は一切ありませんでした。 私の携帯電話はなることもなく手紙が届く こともありませんでした。きっと水希さん は私がいなくなって喜んでいること でしょう。達 な母親がいなくなって安心しているかも しれません。カトだけは私のことを少し 寂しく思っているかもしれませんが、 きっとすぐに忘れてしまうでしょう。 こんなある日、私は押入れの奥からあの 小さなビデオカメラを見つけました。厚手 の半価値に包まれて大切にしまわれてい ました。私はその存在を完全に忘れてい ました。手に取って眺めていると6ヶ月前 の出来事が鮮明に蘇ってきました。水希 さんの霊国な点は植 の平手打ち。として私が発見した決定的な 映像。好奇心に駆られて私は古いノート パソコンにSDカードを挿入しました。 画面に現れたファイル一覧を見て私は当時 の記憶を呼び起こしました。最初の方の ファイルは私の日常的な台所仕事が写って いるだけでした。でも17番目のファイル にはあの決定的な瞬間が記録されている はずです。 私は17番目のファイルをクリックしまし た。画面に現れたのはあの日の水希さんの 姿でした。電話をかけている彼女の冷酷な 表情、計算された言葉、そして証拠を捏造 する一部指重全てが鮮明に記録されてい ました。6ヶ月間の平穏な生活を経て 改めてその映像を見た私は静かな怒りを 感じました。これは単なる家族の問題では ありません。これは計画的な人権侵害です 。1人の老女の尊厳を踏みにじる許され ない行為です。私は長い間をどうするべき か考えました。復讐のために使うべき でしょうか?それともそっと闇に葬るべき でしょうか?でも考えれば考えるほど1つ の確信が強くなりました。真実は明らかに されるべきです。正義は行われるべきです 。私は決断しました。もう沈黙は続けませ ん。この映像を関係者全員に送ることにし ました。達也水希さんの実家。そして私を 泥棒呼ばわりした親戚の人たち。みんなに 真実を知ってもらいます。近所の電気店で DVDに映像をコピーしてもらいました。 天手の高齢の男性は親切にも操作方法を 教えてくれました。技術の進歩について いけない私にとってそれは大きな助けでし た。私は3枚のDVDを作成しました。1 枚は達当て、1枚は水希さんの実家当て、 そして1枚は親戚当てです。私はそれぞれ に簡単な手紙を添えることにしました。 長い説明は必要ありません。映像が全てを 物語るからです。達への手紙にはこう書き ました。これがお母さんを泥棒呼ばわりし て平手打ちした真実です。水希さんの実家 には娘さんがどのような人間かご確認 くださいと書きました。親戚には私を避難 する前にこの映像をご覧くださいと書き ました。郵便局から3の手紙を送った後、 私は静かに家に帰りました。あは彼らが どのような反応を示すか待つだけです。私 は復讐を求めているわけではありません。 ただ真実が明らかになることを望んでいる だけです。その夜私は深い眠りに着きまし た。6ヶ月ぶりに心から安らかな気持ちで 眠ることができました。長い間私を苦しめ ていた重がついに取り除かれたのです。 真実を隠し続ける必要も罪悪感に苛まれる 必要もうありません。翌日から私の電話が なり始めました。最初の電話は水希さんの 実家からでした。樹を取ると震え声の女性 が話しかけてきました。藤原さんお疲れ様 です。水希の母の田中と申します。今日お 送りいただいたDVDを拝見させて いただきました。その声には深い困惑と 申し訳なさが込められていました。私たち には全く想像もできないことでした。 娘がそのような言葉が続きませんでした。 私は静かに答えました。お母様、私はただ 真実を知っていただきたかっただけです。 謝罪は必要ありません。田中さんは続け ました。実は水希が最近藤原さんのことで 色々とうちを言っていたんです。シュート さんが食べ物を隠すとか家の中で問題を 起こしているとか私たちは娘の言葉を信じ てむしろ藤原さんに同場的ではありません でした。本当に申し訳ありませんでした。 私は樹を握りながら複雑な気持ちになり ました。水希さんは身の両親にまで嘘を ついていたのです。自分を被害者にした 手上げ私を悪者にするために。でも今と なっては怒りよりもむしろ彼女という人間 の悲しさを感じました。田中さんの話は まだ続きました。娘に電話をかけましたが 出てくれません。息子さんの家にも電話し ましたが誰も出ませんでした。私たちも どうしていいか分からない状況です。藤原 さん、今度直接お会してきちんとお詫びを させていただけないでしょうか?私は丁寧 にお断りしました。田中さん、お気持ちは 嬉しいですが、お会はありません。真実を 知っていただけただけで十分です。ご家族 の問題ですから、私が口を挟むことでは ありません。電話を切った後、私は窓の外 を眺めていました。 桜の季節が近づいていて、つぼみが少し ずつ膨らんでいました。半年前ならカトと 一緒にお花見の計画を立てていたかもしれ ません。でも今はその懐かしさも痛みも 遠い昔のことのように感じられました。2 日後、今度は親戚の山田さんから電話が ありました。け子さん本当にすまなかった 。私は完全に誤解していた。 あのDVDを見て本当に驚いたよ。水希 さんがそんな計算高い人だったなんて夢に も思わなかった。山田さんは半年前に私が 家を出た時水希さんから連絡を受けて私の ことを泥棒呼ばわりした人でした。当時彼 は水希さんの涙ながらの電話に完全に騙さ れて、私が年を取って頭がおかしくなった のではないかとまで言っていました。け子 さん、今度会いに行ってもいいかな?直接 謝罪したいんだ。でも私はそれも丁寧にお 断りしました。山田さん、真実が分かった だけで十分です。私はもう過去のことは水 に流したいと思っています。 山田さんもあまりご自分を責めないで ください。3日目の夜、ついに達から電話 がかかってきました。私の心臓は激しく 鼓動しました。半年間1度も連絡をよさ なかった息子からの初めての電話でした。 母さん、俺だ。達也の声は震えていました 。私は黙って聞いていました。母さん、俺 、俺はマダーのDVDを見れずにいる。 怖くて見れないんだ。でも水希の実家から も親戚からも電話がかかってきて、みんな 俺のことを責めている。達也の声は だんだん小さくなっていきました。母さん 、俺が間違っていたのか?俺は、俺は 母さんを信じなければいけなかったのか。 でも水希があんなに泣いてあんなに苦しん でいるのを見ていたら私は静かに答えまし た。立つやお母さんはあなたに何かを求め ているわけではありません。ただ人を疑う 時はちゃんとした証拠を見てからにし なさい。そしてどんなに愛している人の 言葉でもそれ方の人を傷つける内容なら 1度立ち止まって考えなさい。 は泣いているようでした。母さん、俺、俺 はどうしたらいい?水希はもう実家に帰っ てしまってカトも連れて行かれた。家は 空っぽで俺1人だ。みんな俺のことを軽別 している。俺は、俺はどうしたらいいんだ ?私の心は複雑でした。息子の苦しみを 聞いていると、母親としての城が湧いてき ます。も同時にあの平手打ちの痛みも 泥棒わりされた屈辱もまだ心の奥底に残っ ていました。私は言いました。達つや お母さんはもうあなたたちの人生に関わる つもりはありません。あなたは大人なのだ から自分で考えて自分で決断しなさい。 ただ1つだけ言えるのは、今度何かを判断 する時は感情だけでなく事実をちゃんと見 て決めなさいということです。達也は必死 に言いました。母さん、会いに行っても 良いかな?直接謝りたいんだ。俺は母さん に取り返しのつかないことをした。でも このままじゃ俺は一生後悔し続ける。私は 少し考えてから答えました。や会うのは 構いません。でも謝罪のためではなく最後 の話し合いのためです。お母さんには あなたに伝えておきたいことがあります。 1週間後、達也が私のアパートにやってき ました。玄関のドアを開けるとそこには 見る影もなくやれた息子が立っていました 。頬はこけ、根には深い熊ができ、髪も 乱れていました。まるで別人のようでした 。母さんた也は私を見るなりその場に 崩れ落ちました。そして子供のように泣き 始めました。ごめん、ごめん、ごめん。俺 は取り返しのつかないことをした。母さん を信じなくて、母さんを叩いて、母さんを 追い出して、俺はなんてバカなんだ。私は 息子を見下ろしていました。 半年前の夜、私を平手打ちした時の達とこ の前で泣きじくっているタや。同じ人間と は思えませんでした。でも私の心に 湧き上がったのは同場ではなく深い失望 でした。立つや立ちなさい。床で泣いても 何も変わりません。私は息子を部屋に招き お茶を入れました。狭い地の部屋で私たち は向い合って座りました。私は静かに話し 始めました。立つや、お母さんがあなたに 1番失望したのは嘘を信じたことではあり ません。証拠も確認せずに母親を犯罪者 扱いしたことでもありません。1番 悲しかったのはあなたが手をあげたこと です。達也は顔をあげて私を見ました。 お母さん、私は続けました。お母さんは あなたを育てる時、1度も手をあげたこと がありませんでした。どんなに悪いことを しても、どんなに言うことを聞かなくても 、叩いて教えるのは間違いだと思っていた からです。それなのにあなたは78歳の 母親をきました。達也は再び泣き始めまし た。でも私は感情に流されませんでした。 この半年間の1人暮らしで私は多くのこと を考え、多くのことを整理していたのです 。私は立ち上がって押入れから1つの書類 を取り出しました。それは家の権利書でし た。達也は驚いた表情でそれを見つめまし た。私は言いました。達や、この家は法的 にはお母さんの名義になっています。 あなたたちが住宅ローンを組む時、 お母さんが連帯保障人になって頭金も出し たからです。でもお母さんはもうこの家に は戻りません。達也は慌てて言いました。 母さん、家は母さんのものだ。俺たちが出 ていく。母さんが帰ってきてくれるなら、 俺はどこにでも引っ越す。私は首を振り ました。違います。あや、お母さんはこの 家を福祉団体に寄付することにしました。 高齢者への家庭ない暴力で苦しんでいる人 たちのための施設として使ってもらう つもりです。お母さんを守れなかった家 なら他の人を守る家になってもらい ましょう。達也は顔めました。母さん、 それは私は続けました。家の価値は約 4200万円です。お母さんの老護資金と しては十分でしたが、お母さん1人には 大きすぎました。でも苦しんでいる人たち のためなら有効活用してもらえるでしょう 。私は書類を達に見せました。すでに弁護 士と相談して手続きは進めています。来月 には正式に寄付が完了します。あなたは1 ヶ月以内に新しい住まいを見つけなければ なりません。勝也は必死に言いました。 母さん、そんなことしないで。俺が悪かっ た。俺が全て間違っていた。もう一度 やり直させて。俺は水希と離婚する。 カイトのことも母さんに会えるように 話し合う。だからお願いだから家を手放さ ないで。私は息子の目を見つめて言いまし た。やお母さんの決意は変わりません。 あなたが水希さんと離婚するかどうかは お母さんには関係のないことです。それは あなたが自分で決めることです。カイトの ことも同じです。お母さんはもうあなた たちの人生に介入するつもりはありません 。達也は絶望的な表情になりました。でも 母さん俺は1人じゃ生きていけない。仕事 も手につかなくてもうすぐ首になるかも しれない。友達も親戚も俺を系列している 母さんだけが俺の家族なんだ。私は冷静に 答えました。達つ也や、あなたは42歳の 大人です。今まで母親に依存しすぎていた のかもしれません。これはあなたが本当の 意味で自立する機会です。苦しいでしょう が、それを乗り越えることであなたは成長 できるはずです。私は立ち上がって キッちンに向かいました。そして達の好き だった卵焼きを作り始めました。最後に 母親として息子に作ってあげたいと思った のです。卵焼きを作りながら私は達に 話しかけました。この半年間お母さんは 1人で生活してきました。 最初は寂しくて不安でした。でもだんだん 慣れてくると1人の時間の大切さが分かり ました。誰かの顔色を伺う必要もなく自分 のペースで生活できる幸せを知りました。 達也は黙って聞いていました。私は続け ました。お母さんは今地域の高齢者 サポートでボランティアをしています。私 と同じように家族から疎まれて苦しんで いる高齢者の方々の話を聞いています。 世の中にはお母さんよりもっと辛い思いを している人がたくさんいることが分かり ました。卵焼きが出来上がりました。私は それを皿に持ってたの前に置きました。 息子は涙を流しながらそれを食べました。 昔と変わらない母親の味でした。食べ 終わったやが言いました。母さんの卵焼き やっぱり世界一美味しい。俺この味を 忘れることは絶対にない。私は微笑みまし た。ありがとう。お母さんもあなたのため に作った最後の卵焼きを大切な思い出にし ます。達が帰る時間になりました。玄関で 私は息子に最後の言葉をかけました。 達つや、お母さんはあなたを憎んでいませ ん。でももう以前のような関係には戻れ ません。あなたには自分の人生を生きて ほしい。そしてもし将来カ藤に会う機会が あったら伝えてください。おばあちゃんは いつまでもカトのことを愛していると達は 泣きながら頷きました。母さん、俺頑張る 。母さんに恥ずかしくない人間になるよう 頑張る。だからもしいつか俺が買われたら その時は私は首を振りました。立つや お母さんのために変わろうとしないで ください。自分のために、そしてカトの ために変わってください。それが本当の 成長というものです。息子が去った後、私 は1人でお茶を飲みながら窓の外を眺めて いました。桜が満になっていて、風に懐る 花びが美しく見えました。この光景を カイトと一緒に見ることはもうない でしょう。でもそれでいいのです。数日後 、水希さんの実家から再び電話がありまし た。田中さんの声は前回よりもさらに疲れ ているようでした。 藤原さん、その後いかがお過ごしでしょう か?実は水希のことでご相談があります。 私は丁寧に答えました。田中さん、お疲れ 様です。でも水希さんのことはご家族で 解決していただければと思います。田中 さんは続けました。水希は自分のしたこと を認めようとしないんです。あのDVDを 見せても編集されたものだと言い張って 私たちも困り果てています。私は少し考え てから言いました。田中さん真実を 受け入れるのは本人の問題です。周りが いくら説得しても本人が変わる気がなけれ ば何も変わりません。水希さんが変わるか どうかは水希さん次第です。田中さんは そうですね。藤原さんの言う通りです。で も孫のカイトのことを考えると私は答え ました。カト君のことは心配です。でも それも水希さんと達也さんが解決すべき 問題です。私が口を出すべきことではあり ません。電話を切った後、私はカイトの ことを思いました。あの子は今どうして いるでしょうか?母親と父親の間で混乱し ているかもしれません。でも子供は思って いるより強いものです。きっといつか自分 で真実を見つけるでしょう。1ヶ月後弁護 士から連絡がありました。家の寄手続きが 完了したということでした。同時に達也が 新しいアパートに引っ越したという報告も 受けました。 息子は約束通りかを出たのです。その夜私 は久しぶりに深い安らぎを感じました。 この半年間に経験した全てのことが ようやく決着したのです。私は加害者でも 被害者でもなくただ真実を求め尊厳を 守ろうとした1人の女性としてこの事件を 終わらせることができました。翌朝、私は 近所の桜並木を散歩していました。満の桜 が風に舞い、まるで祝福してくれている ようでした。通りすがりの親子が綺麗です ねと声をかけてくれました。本当に綺麗 ですねと私は答えました。その時ふと思い ました。藤原け子、今日も自分のために 行きましょう。誰かのためではなく自分 自身のために78歳になって初めて知った この自由の味を大切にしながら私は桜の木 の下で立ち止まり深呼吸をしました。 新しい季節の始まりです。そして新しい 人生の始まりでもありました。過去の痛み は消えませんが、それもまた私の一部です 。全てを受け入れて前に進むのです。家に 帰ると私は久しぶりにFでを取りました。 窓から見える桜の木を描いてみたくなった のです。絵を描くなんて何十年ぶり でしょうか。でも今の私には時間があり ます。そして何より自分のために使える 時間があるのです。絵を描きながら私は 微笑みました。これが藤原稽古子の新しい 人生です。誰かの期待に答えるためでは なく、誰かを喜ばせるためでもなく、ただ 自分が幸せになるための人生です。そして その生活は想像以上に美しく満ちりたもの でした。皆様、そして視聴者の皆さん、 最後まで物語をお聞きいただきありがとう ございました。これは裏切りとうちなる強 さについての物語でした。どんな名目が あろうとも誰も他人の尊厳を奪う権利は ないということを思い出させてくれる物語 でした。もしこの物語があなたの心に触れ たなら是非いいねボタンを押して チャンネル登録を忘れなくこれからも意味 のある物語をお届けしていきます。それで はまた次回の番組でお会いしましょう。 ありがとうございました。
物語の主人公、藤原佳子。彼女は一人息子のために人生を捧げ、結婚資金として全財産を差し出した。しかし、ようやく始まった同居生活で彼女を待っていたのは、感謝ではなく、嫁からの残酷な濡れ衣と、信じ切っていた息子からの冷たい平手打ちだった。
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老後の物語
老後は穏やかな日々だけではなく、年金、社会保障、晩年の恋、離婚、再婚など、さまざまな悩みがつきものです。私は、そんなリアルな物語をお届けします。涙も笑いも、後悔も希望も詰まった人生の話。60歳からの人生に興味がある方、一緒に聞いて、共感しませんか?
VOICEVOX :青山龍星
VOICEVOX :Nemo
企画・制作部門
総合プロデューサー: 青木隆二 (Aoki Ryuji)
企画・構成: 西村智恵 (Nishimura Tomoe)
制作統括: 平野大輔 (Hirano Daisuke)
制作進行: 山本理沙 (Yamamoto Risa)
制作アシスタント: 池田美和 (Ikeda Miwa)
アソシエイトプロデューサー: 田村航 (Tamura Wataru)
撮影・映像技術
撮影監督: 森本健司 (Morimoto Kenji)
カメラディレクター: 浜田麻衣子 (Hamada Maiko)
第一カメラマン: 内田雄介 (Uchida Yusuke)
第二カメラマン: 片岡優太 (Kataoka Yuta)
照明チーフ: 坂口光男 (Sakaguchi Mitsuo)
照明アシスタント: 大野結菜 (Ono Yuna)
音声収録: 谷口真一 (Taniguchi Shinichi)
編集・ポストプロダクション
編集長: 柴田雅人 (Shibata Masato)
メインエディター: 水野愛美 (Mizuno Manami)
カラーグレーディング: 北村龍也 (Kitamura Tatsuya)
映像効果: 小川晃司 (Ogawa Koji)
モーショングラフィックス: 中島美咲 (Nakajima Misaki)
音響・音楽
音響監督: 藤原貴之 (Fujiwara Takayuki)
サウンドデザイナー: 吉野あかり (Yoshino Akari)
効果音制作: 上田翔太 (Ueda Shota)
音楽プロデューサー: 岩崎純一 (Iwasaki Junichi)
BGM作曲: 宮崎春花 (Miyazaki Haruka)
音響ミキサー: 村田慎也 (Murata Shinya)
ストーリー・脚本
脚本家: 渡邊綾乃 (Watanabe Ayano)
ストーリー監修: 高田修平 (Takada Shuhei)
物語構成: 横山千鶴 (Yokoyama Chizuru)
台本制作: 江藤美紀 (Eto Miki)
リサーチャー: 金子洋平 (Kaneko Yohei)
声優・ナレーション
メインナレーター: 久保田誠 (Kubota Makoto)
副ナレーター: 島田恵理 (Shimada Eri)
キャラクターボイス: 林田和樹 (Hayashida Kazuki)
特別出演: 石原麻希 (Ishihara Maki)
デザイン・アート
アートディレクター: 荒木直人 (Araki Naoto)
グラフィックデザイナー: 永井美穂 (Nagai Miho)
イラストレーター: 関根大地 (Sekine Daichi)
キャラクターデザイン: 竹内さくら (Takeuchi Sakura)
背景アート: 野田健太郎 (Noda Kentaro)
UI/UXデザイン: 山口花音 (Yamaguchi Kanon)
技術・配信
技術統括: 松井秀樹 (Matsui Hideki)
システムエンジニア: 佐々木純子 (Sasaki Junko)
配信技術: 伊藤翔 (Ito Sho)
品質管理: 小林真由美 (Kobayashi Mayumi)
データ分析: 鈴木拓実 (Suzuki Takumi)
マーケティング・宣伝
マーケティングディレクター: 田中康夫 (Tanaka Yasuo)
SNS運営: 大橋あゆみ (Ohashi Ayumi)
広報担当: 加藤雄大 (Kato Yudai)
サポートスタッフ
総務・経理: 長野美智子 (Nagano Michiko)
制作サポート: 福山咲良 (Fukuyama Sakura)
インターン: 山下蓮 (Yamashita Ren)