【80歳の告白】デイサービスを「絶対に行かない」と決めた私が…今ではその日を心待ちにする理由、そして見つけ出した本当の価値

私は自分自身に片口買っていました。 そんな場所には絶対に足を踏み入れること はないと鋼鉄のような決意でした。それな のに今の私はその日が来るのを心まちにし て指折り数えている自分がいるのです。皆 さんこんにちは。今日もこのチャンネルに お越しいただきありがとうございます。 今日は1人の女性の物語をお話しします。 頑固な心を持った79歳の女性がどのよう にして自分の固定観観念と向き合い人生に 新しい色彩を見つけていったのかそんな 心温まる実話をお届けしたいと思います。 藤井住み子は79歳になったばかりでした 。夫なくしてもう3年が経ちますが未だに その事実を受け入れることができずにい ます。を覚ますたびに隣に誰もいない ベッドを見つめては深いため息をつくのが 日家となっていました。すみ子の住む家は 昔ながらの日本家でした。畳の香りと古い 木材の匂いが混じり合い、長年の生活の 痕跡が至るところに刻まれています。正度 から差し込む朝日は優しく頬を撫でますが 、その温かさも今のす子の心には届きませ ん。壁にかけられた振りこ系がチクタクと 単調な音を刻み続けています。その音が すみ子にとっては孤独を強調する残酷な メトロノームのように感じられるのでした 。毎朝6時に目を覚まし、まず仏壇に 向かって手を合わせます。夫の家に向かっ て今日も1日よろしくお願いしますと小声 でつぶやきます。その後1人分の朝食を 用意するのですが、2人分作ってしまう癖 がまだ抜けません。余った分を見つめては また深いため息をついてしまいます。朝食 を済ませるとすみ子はテレビの前に座り ます。別に見たい番組があるわけではあり ません。ただ静寂があまりにも重く。人の 声が恋しくてスイッチを入れるだけです。 ワイドショのキャスターの声が部屋に響き ますが、すみ子の耳には雑音として 聞こえるばかりでした。近所の スーパーマーケットまでは徒歩で十分ほど の距離です。以前は夫と一緒に買い物かを 持って楽しそうに歩いていた道のりです。 今では1人でその道を歩くのがこんなにも 辛いものだとは思いませんでした。足腰も 依前ほど丈夫ではありません。介護一の 認定を受けたという現実もす子にとっては 受け入れがい事実でした。自分はまだまだ 大丈夫だと思いたい気持ちと実際の身体の との間ですみ子は日々葛藤していました。 階段を登る時に手すりに頼る自分が 情けなく感じられ買い物袋を持つ手が 震えることに腹立たしさを覚えます。 しかしそれ以上に辛いのは誰とも会話をし ない日が何日も続くことでした。そんな ある日の午後玄関のチャイムが鳴りました 。すみ子は身構まえます。訪問販売か何か の勧誘だろうと思いスを使おうかとも考え ましたがチャイムは丁寧にしかし控えめに 鳴らされていました。仕方なく玄関まで 行くと小柄で優しそうな女性が立ってい ました。こんにちは。私はケア マネージャーの斎藤彩佳と申しますと、 その女性は丁寧にお辞儀をしました。 すみ子さんの担当をさせていただくことに なりました。お時間をいただけます でしょうか?すみ子はしぶしぶと女性を家 にあげました。斎藤さんは30代半ばと 思われる落ち着いた雰囲気の女性で話し方 もとても穏やかでした。間に通すと斎藤 さんはす子の生活について丁寧に質問を 始めました。日々の生活で何かお困りの ことはありませんかという斎藤さんの 問いかけにすみ子は最初は警戒神を隠せ ませんでした。別に困っていることなど ないと答えましたが斎藤さんはせかすこと なくゆっくりとすみ子の話に耳を傾けまし た。1人での生活は寂しくありませんかと 斎藤さんが優しく訪ねるとすみ子の心の奥 深くに眠っていた感情が動き始めました。 しかしそれを認めることはすみ子の プライドが許しませんでした。慣れました からとそっけなく答えるのが精一杯でした 。斎藤さんはすみ子の様子を注意深く観察 していました。子の目の奥に宿る疲労孤独 感を経験豊富な彼女は見逃しませんでした 。そして慎重に言葉を選びながら提案をし ました。藤井さん認定も受けられたこと ですし、1度デイサービスを体験してみ ませんか?週に1回だけでも少し外の空気 を吸って他の方々とお話できる機会がある と思うのですが、デイサービスという言葉 が出た瞬間、すみ子の表情は一転しました 。まるで氷のように冷たくなり、唇を きつく結びました。心の中で激しい拒絶の 感情がうまいていました。すみ子の頭の中 には以前テレビで見た光景が鮮明に蘇って いました。老人たちが輪になって座り幼稚 園児のように手遊びをしている様子。職員 の女性が子供に話しかけるようなか高い声 ではい、皆さん上手ですよ。素晴らしい ですねと褒めている場面。そして認知症 らしき高齢者がボールを落としても周りの 職員が大げさに拍手をしている光景あの ような場所で自分が子供扱いされることを 想像するだけですみ子は見しました。これ まで人生を一生懸命に生きてきた自分が なぜあのような扱いを受けなければなら ないのかと生き通りを感じました。斎藤 さんの提案に対してすみ子は冷たく答え ました。ありがとうございますが結構です 。私はまだ自分のことは自分でできます から、そんな場所は必要ありません。 すみ子の声には明確な拒絶の意思が込め られていました。お風呂にも入れますし、 食事の準備もできます。掃除選択も問題 ありません。なぜ他人の世話になる必要が あるのですかとす子は自分に言い聞かせる ように言いました。大さんはす子の反応を 予想していたかのように落ち着いて対応し ました。無理にお勧めするつもりはあり ませんと前置きをして、でも様々な種類の サービスがあることだけは知っておいて いただければと思いますと言いました。 そして斎藤さんはカから数札の薄い パウフレットを取り出しました。これらは 色々な施設のご案内ですと説明し、 テーブルの上に静かに置きました。もしお 気が変わることがありましたらいつでもお 電話くださいと言って連絡先を書いた名刺 も一緒に置いて行きました。すみ子はその パンフレットたちを敵のように見つめまし た。触ることさえ嫌でした。自分には関係 のないものだと心の中で繰り返しつやき ました。斎藤さんが帰った後、家の中は 再び静寂に包まれました。しかし、その 静寂はいつもとは違っていました。重く 圧迫感があり、まるですみ子の心の中の 葛藤を反映しているかのようでした。 すみ子はテーブルの上のパンフレットを見 ないようにして、いつものようにテレビの 前に座りました。しかし集中することが できません。大さんの優しい言葉が頭の中 で繰り返され、レイサービスという言葉が すみ子の心に小さな波紋を作り続けてい ました。夕方になってもすみ子は パウフレットに手を触れませんでした。 夕食の準備をしながらもチラチラと テーブルの方を見てしまいます。まるで そこに爆弾でも置かれているかのような 緊張感がありました。夜になってすみ子は 寝る前にもう一度仏壇に手を合わせました 。夫の家を見つめながら今日あったことを 心の中で報告しました。あなた今日ケア マネージャーという人が来て変な提案をし ていったのよと小声で話しかけました。で も大丈夫。私はあんな場所には行かない からとまるで夫に約束をするように つぶやきました。布団に入ってもなかなか 眠ることができませんでした。天井を 見つめながらすみ子は自分の人生について 考えました。結婚してから50年以上、常 に夫と一緒でした。子供は授らなかった ものの2人で支やって生きてきました。夫 が亡くなってから初めて1人で決断をし なければならない状況に直面している自分 に気づきました。翌朝目を覚ますとすみ子 の視線は自然とテーブルの上の パンフレットに向かいました。昨夜から 1歩も動いていない。それらはすみ子に とって未知の世界への入り口のように見え ました。しかし住み子は片くに近づこうと しませんでした。朝食を済ませ掃除機を かける時もすみ子はパンフレットの周り だけは避けて通りました。まるでそこに 結回でも貼られているかのように意識的に 距離を置いていました。午後になって近所 のスーパーに買い物に出かけました。いつ ものように1人でカートを押しながら すみ子は周りの人々を観察していました。 若い母親が小さな子供の手を引いて楽し そうに歩いている姿。年配の夫婦が仲良く 買い物をしている光景を見ると何とも言え ない気持ちになります。レジで会計を済ま せる時、店員の若い女性がありがとう ございましたと笑顔で声をかけてくれまし た。その何気ない笑顔と言葉がすみ子に とっては久しぶりの人とのやり取りでした 。こちらこそありがとうと小さく答え ながらすみ子は人との関わりがいかに自分 にとって大切なものだったかを改めて実感 しました。家に戻るとパンフレットはまだ そこにありました。すみ子は買ってきた 食材を冷蔵庫にしまいながらチラチラと それらを見てしまいます。心の中では見 たくないと思っているのになぜか気になっ てしまう自分がいました。夕方の時間が 過ぎ、いつものようにニュース番組を見て いると高齢者の孤独士についての特集が 始まりました。すみ子は慌ててチャンネル を変えましたが、その話題はすみ子の心に 深く刺さりました。自分も同じような状況 にあることを認めたくありませんでしたが 、現実から目をそらすことはできません でした。その夜住み子は再び眠れません でした。斎藤さんの言葉、パンフレットの 存在、そして自分の将来への不安が頭の中 でぐるぐると回っていました。このまま 1人で生活を続けていけるのだろうかと いう疑問が心の奥底から湧き上がってき ました。翌朝も、そしてその次の朝も パフレットはテーブルの上ですみ子を静か に見つめ続けていました。すみ子は相 変わらずそれらを避けて生活していました が、その存在を完全に忘れることはでき ませんでした。1週間が過ぎてもすみ子の 生活に大きな変化はありませんでした。 しかし心の中では小さな変化が起こってい ました。自然よりも孤独感が強くなり、 1人でいることの重さを実感するように なっていました。斎藤さんの訪問がすみ子 の心に小さな穴を開けたのかもしれません 。ある雨の日のご後出 することもできず、すみ子は窓際の椅子に 座って雨粒が窓を伝い落ちる様子を眺めて いました。単調な雨音が部屋に響き、時間 が止まったかのような静寂がありました。 こんな日は特に1人でいることの寂しさが 身に染みました。テレビをつけても面白い 番組はなく、読む本もありません。すみ子 の視線は自然とテーブルの上の パンフレットに向かいました。1週間も 間るでそこに住みついたかのように動かず にいるそれらを今日初めてじっくりと 見つめました。すみ子の心の中で高奇心と 拒絶感が激しく戦っていました。見て しまえばきっと心が動かされてしまうかも しれません。しかし見なければこの先も何 も変わらず今の孤独な生活が続くだけです 。天がすみ子の迷いを包み込むように響い ていました。長い時間すみ子はその場に 座り続けていました。外の雨は激しさを 増し、雷の音も聞こえ始めました。まるで すみ子の内面の嵐を反映しているかのよう でした。そしてついにすみ子は思い越しを あげテーブルに向かって歩きました。 パンフレットの前に立ったすみ子はそれら を手に取ることなくただじっと見つめてい ました。色取り取りの表紙には笑顔の高齢 者たちの写真が印刷されています。その 笑顔は作り物のように見えましたが、よく 見ると本当に楽しそうにしている人もいる ように感じられました。すみ子は深い ため息をつきました。このままでは何も 変わらないことは分かっていました。 しかし変化を受け入れることへの恐怖も 同じくらい強いものでした。自分の プライドと現実的な性との間ですみ子は 揺れ続けていました。雨が小闇みになった 頃、すみ子はようやくその場を離れました 。パンフレットは依然としてテーブルの上 にありましたが、すみ子の心の中では何か が少しずつ動き始めていました。それは 変化への第一歩となる。ほんの小さな心の 動きでした。夜になってすみ子は夫の家の 前に座りました。あなただったらどうする でしょうねと子で話しかけました。きっと 私の幸せを1番に考えてくれるでしょうね と続けました。夫の優しい笑顔の写真が すみ子を見つめているように感じられまし た。その夜すみ子は久しぶりにぐっすりと 眠ることができました。夢の中で夫と一緒 に知らない場所を歩いている自分を見まし た。それがどんな場所なのかは分からませ んでしたが不思議と心地よい夢でした。 翌朝めを覚ましたすみ子はいつものように 仏壇に手を合わせました。そしてテーブル の上のパンフレットを見ました。今日は 昨日までとは少し違った気持ちでそれらを 見ている自分に気づきました。拒絶感は相 変わらずありましたが同時に小さな興味も 芽えていました。すみ子の長い1日がこう して静かに始まりました。サンフレットと の無言の大児は続いていましたが、すみ子 の心の中では確実に何かが変わり始めてい ました。それは自分の頑固さと向き合う 勇気の芽えかもしれませんでした。その後 数日間すみ子は自分の頑固さを誇らしく 思っていました。斎藤さんのあの提案を 既然として断った自分を褒めてあげたい 気持ちでした。朝起きていつものように 仏壇に手を合わせながら今日もあの パンフレットには触らないぞと心に誓い ました。すみ子の日常は以前と何も変わり ませんでした。朝6時に目覚め1人分の 朝食を作りテレビをつけて時間を潰す。 昼食を済ませるとまた同じ椅子に座って テレビを見る。夕方になると夕食の準備を して8時には床に着く。まるで機械のよう に規則正しく、しかし心は満たされること のない毎日でした。パンフレットの存在を 無視することに慣れてきた頃、すみ子は 自分の生活の単調さに改めて気づかされる 出来事がありました。ある朝、いつもの ようにテレビをつけると子供向けの教育 番組が始まりました。色取り取りの画面で 子供たちが元気に歌を歌っている様子が 映し出されました。つみ子は慌てて チャンネルを変えましたが、その瞬間自分 の1日がその子供番組と同じように毎日 全く同じ内容の繰り返しであることに愕然 としました。朝食は毎日同じ時間に同じ メニュー、味噌汁、ご飯、焼きサメ、 漬け物、夫が生きていた頃は彼の好みに 合わせて色々な料理を作っていましたが、 今は面倒になってしまい、簡単なものしか 作らなくなりました。食べることへの興味 も薄れ、栄養を摂取するためだけの作業の ようになっていました。テレビも同じ チャンネルを見続けています。朝の情報 番組から始まって昼のワイドショ、午後の 再放送ドラマ、夕方のニュース内容を真剣 に見ているわけではなく、ただ時間を 埋めるための背景音のようなものでした。 時々出演者が楽しそうに笑っている姿を 見ると自分がいつ最後に心から笑ったのか 思い出せないことに気づいて何とも言え ない気持ちになりました。3日目の夜、 すみ子は夫の家の前でいつもより長い時間 を過ごしました。あなた、私の毎日は こんなにもつまらないものだったかしらと 小声で話しかけました。あなたがいた頃は 毎日何かしら会話があって笑うこともあっ たのにねと続けました。家の中の夫はいつ ものように優しい表情ですみ子を見つめて いました。日目の朝、すみ子は普段と違う 行動を取りました。朝食後、掃除機を かける時にテーブルの上のパンフレットを 避けるのではなく、1度立ち止まってそれ らを見つめました。相変わらず手に取る気 はありませんでしたが、その存在を認めた のは初めてのことでした。色取り取りの 表紙が部屋の中で唯一華やかな色彩を放っ ているように見えました。その日の午後空 がどんよりと曇り始めました。天気予報で は夕方から雨が降ると言っていましたが、 予報よりも早く昼過ぎから大粒の雨が降り 始めました。すみ子は外出する予定も なかったので特に困ることはありません でしたが、雨音が家全体を包み込むように 響いていつもより重い静寂を作り出してい ました。は激しさを増していき、雷もなり 始めました。すみ子は雷が苦手で夫が生き ていた頃は雷が鳴ると自然と夫の側に 寄り添っていました。しかし今は1人で その恐怖に耐えなければなりません。 テレビの音を大きくして雷の音を 紛らわそうとしましたが効果はありません でした。雷の音に怯えながらすみ子は窓際 の椅子に座って外の様子を眺めました。 天粒が窓ガラスを激しくはき、まるで家の 中に入ろうとしているかのように見えまし た。道路はすでに水溜まりだらけになって おり、傘をさした通行人が足早に歩いて いく姿が見えました。みんな急いで家に 帰ろうとしているのでしょう。家族が待っ ている温かい家にそんな光景を見ていると すみ子は無償に寂しくなりました。自分を 心配してくれる人、自分の帰りを待って くれる人が誰もいないという現実が天と共 に心に染み込んできました。もし今自分に 何かあったとしても誰も気づいてくれない かもしれません。そんな不安が頭をよぎり ました。雨は一向に止む気配がありません でした。午後3時を過ぎてもむしろ激しく なっているようでした。すみ子はいつもの ようにテレビをつけましたが集中すること ができません。チャンネルを変えても変え ても心に響く番組は見つかりませんでした 。本を読もうと思いましたが老眼が進んで 文字を追うのがからくすぐに諦めてしまい ました。することがなくなったす子は再び 窓際の椅子に座りました。雨は相変わらず 激しく雷も時々なっています。この天気で は買い物に行くこともできません。冷蔵庫 の中を思い出してみると明日の分の食材も 十分にありました。つまり今日は1歩も外 に出る必要がないということです。1日中 この家の中で1人で過ごすのです。その時 すみ子の視線は自然とテーブルの上の パンフレットに向かいました。1週間も 間るでそこが指定席であるかのように置か れ続けているそれらをすみ子は今日初めて 真剣に見つめました。表紙には高齢者の 写真が印刷されておりみんな笑顔でした。 作り物の笑顔かもしれませんが少なくとも 1人ではありませんでした。すみ子は深く ため息をつきました。見てしまえばきっと 心が動いてしまうでしょう。でも見なけれ ばこの退屈で孤独な毎日が永遠に続くだけ です。天がす子の迷いを包み込むように 響いていました。まるで自然がすみ子に 何かを決断するよう促しているかのよう でした。長い時間すみ子はその場に座り 続けました。時計の針は4時を差してい ました。外はまだ明るいはずですが熱い雲 に覆われて薄暗くなっています。雷の音も 先ほどより遠ざかっているようですが、雨 は相変わらず激しく降り続いていました。 ついにすみ子は立ち上がりました。足音を 立てないように、まるで誰かに見られて いるかのようにそっとテーブルに近づき ました。パンフレットは4冊ありました。 どれも少し違った色合いとデザインでした 。すみ子は手を伸ばしかけてまた 引っ込めるという動作を何度も繰り返し ました。手に取ったら最後きっと後戻り できなくなると感じていました。今までの 自分の決意が神切れ1枚で崩れてしまうか もしれません。しかしこの単調で空虚な 毎日を変える何かを求める気持ちも同じ くらい強くありました。雷が一際大きな音 を立てました。すみ子はビクっと身体を 振わせ、その表紙に手がパンフレットに 触れてしまいました。触ってしまったのだ からもういいでしょうと自分に言い訳をし ながらすみ子はようやく1冊目の パンフレットを手に取りました。神は意外 と熱くしっかりとした作りでした。表紙に は昨日訓練特化型デイサービスと書かれて います。すみ子は恐ろ恐ろめくりました。 最初のページには近代的な設備の写真が 掲載されていました。これはすみ子が想像 していたデイサービスとは全く違いました 。そこにはまるでフィットネスジムのよう な危機が並んでいました。ランニング マシン、筋力トレーニング用の器具、 バランス訓練用の設備などどれも最新式に 見えました。利用者の写真も掲載されてい ましたが、みんな真剣な表情で トレーニングに取り組んでいました。子供 っぽい遊びをしている人は1人もいません でした。すみ子は驚きながら説明文を 読み進めました。このデイサービスは入浴 や食事のサービスは提供せず、純粋に身体 機能の回復と維持に特化していると書かれ ていました。利用時間も午前中だけ、また は午後だけという短時間のプログラムが 中心で集中的に訓練を行うことを目的とし ているようでした。さらに読み進めると 騒がしい環境が苦手な方に適していますと いう記述がありました。男性利用者の割合 が高いという特徴も記載されていました。 すみ子は思わず声に出しました。こんな 真面目な場所もあるのですねとつぶやき ました。これなら子供扱いされることは なさそうです。1冊目のパンフレットを 置いてすみ子は2冊目に手を伸ばしました 。こちらは活動特化型デイサービスと書か れており、表紙からしてカラフルで賑やか な印象でした。ページをめくると様々な 活動の写真が所せましと並んでいました。 主工芸教室では利用者が真剣に編み物や 統芸に取り組んでいる様子が移っていまし た。初動教室では筆を握る高齢者の集中し た表情が印象的でした。や将棋のコーナー もあり、男性たちが真剣勝負を繰り広げて いる写真もありました。最もすみ子の目を 引いたのはカラオケルームとパチンコ台の 写真でした。ノートレーニングの一環とし て適度な刺激を提供するという説明が添え られていました。すみ子は思わず苦笑いし ました。こんな施設もあるのですねと 独り言を言いながら世の中は自分が思って いるよりもずっと多様なのだと感じました 。ショッピングリハビリというプログラム もありました。近所のショッピングモール に出かけて歩行訓練を兼ねた買い物を 楽しむという内容でした。これなら外出の 機会も増えるし社会との接点も保てそう です。子は少しずつ自分の固定観観念が 崩れていくのを感じていました。3冊目の パンフレットは認知症対応型デイサービス でした。表紙のデザインは落ち着いた式長 で温かみのある印象でした。すみ子には 直接関係ないかもしれませんが、興味深く 読み進めました。このデイサービスは家庭 的な環境を重視して1日の利用者数を制限 していました。最大で12名までという小 規模な運営で利用者1人1人に丁寧な対応 ができるよう配慮されているとのことでし た。認知症の進行を送らせるための様々な プログラムが用意されており、家族への 相談支援も充実していると書かれていまし た。す子は認知症の家族を抱える人たちの 大変さについて考えました。自分は幸い。 まだそのような心配はありませんが、将来 的には分からないことです。そしてもし そうなった時にこれほど温かい環境で 過ごせる場所があるということはとても 安心できることだと感じました。そして 最後の4冊目。これがすみ子の心を最も 動かしました。調子には民化回収型小規模 デイサービスと書かれており、普通の住宅 を回送したような建物の写真が掲載されて いました。大きな施設ではなく、定員は 10名程度の小さなデイサービスでした。 中のページをめくると利用者が縁側でお茶 を飲みながら断している写真がありました 。まさに親戚の家を尋ねた時のような くついだ雰囲気でした。職員も利用者も 本当にリラックスした表情をしていて、 写真を見ているだけですみ子も穏やかな 気持ちになりました。親しみやすい人間 関係が気づきやすい環境ですという説明文 がす子の心に深く響きました。大勢の中で は緊張してしまう方、静かな環境を好む方 に適していますという記述もありました。 これはまさに住み子のような人のための 場所かもしれません。すみ子は4冊の パウフレットをテーブルに並べてそれぞれ を見比べました。同じデイサービスという 名前でもこれほど内容が違うことに驚き ました。機能訓練に特化したもの、様々な 活動を楽しむもの、認知症の方に特化した もの家庭的な雰囲気を重視したもの。 それぞれが異なるニーズに答える要設計さ れていました。すみ子は自分の鞭をはまし た。テレビで見た1つの例だけで全ての デイサービスを判断していた自分の朝博さ を痛しました。世の中には本当に様々な形 のサービスがあり、それぞれが利用者の ことを真剣に考えて運営されているのです 。そしてす子はもう1つ重要なことに 気づきました。これほど多様な選択肢の中 から自分に最適なものを見つけるためには 専門知識を持った人の助けが必要だという ことです。斎藤さんのようなケア マネージャーの存在の価値を今になって 理解することができました。以前列のケア マネージャーが来たことがありました。 その人は機械的で近所にある1つの施設の パンフレットを置いて帰っただけでした。 気があるからとりあえず行ってみて くださいという程度の説明ですみ子の 気持ちや希望を聞こうともしませんでした 。その経験がレイサービスはどこも同じと いう潜入感を作り上げていたのです。 しかし斎藤さは違いました。す子の生活 状況や性格を理解しようと務め複数の選択 肢を提示してくれました。無理に進める こともせず、すみ子の意思を尊重してくれ ました。その差は歴前としていました。雨 は相変わらず降り続いていましたが、 すみ子の心は不思議と晴れやかになってい ました。パンフレットを読んでいる間、 時間を忘れて集中していました。久しぶり に何かに興味を持って取り組むという感覚 を味わいました。すみ子はパンフレットを 丁寧に重ねて再びテーブルの上に置きまし た。しかし今度は敵退使することはあり ませんでした。むしろ新しい世界への扉を 開いてくれた貴重な情報源として感謝の 気持ちさえ湧いてきました。夕方になって 雨が小ぶりになってきました。すみ子は 夕食の準備をしながら今日知ったことに ついて考えを巡らせていました。サービス という世界が自分が思っていたよりも ずっと多く深く多様性に飛んでいること、 そして適切な情報と指導があれば自分にも 会う場所が見つかるかもしれないという こと。夕食を済ませてすみ子は夫の家の前 に座りました。あなた今日はとても勉強に なりましたと報告しました。私は何も知ら ないで勝手に決めつけていたようですと 続けました。もしかしたら1度話を聞いて みてもいいかもしれませんねと小声で つぶやきました。その夜すみ子は久しぶり にぐっすりと眠ることができました。夢の 中で縁側でお茶を飲んでいる自分を見まし た。隣には知らない人たちが座っていまし たが、なぜか安心できる人たちでした。 みんなで穏やかに話をしているそんな夢 でした。翌朝めを覚ました時、すみ子は 昨日とは違う気持ちでした。パンフレット を見る目も変わっていました。恐怖や拒絶 ではなく、興味と希望を持ってみることが できるようになっていました。そして心の 奥底で小さな声が支いていました。もしか したら電話をかけてみてもいいかもしれ ないとすみ子の長い戦いの第1段階がこう して静かに終わりを告げようとしていまし た。固定観念という熱い氷が溶け始め、 新しい可能性の扉がわずかですが開かれ 始めていたのです。窓の外では咲夜の雨が すっかり上がり、薄が差し込んでいました 。まるです子の心境の変化を祝福するかの ように翌朝すみ子は目覚めと同時に心臓の 鼓動が早くなるのを感じました。昨夜夢の 中で縁側でお茶を飲んでいる自分を見て から何かが変わり始めていることを実感し ていました。しかし実際に行動を起こすと なるとまた別の話でした。朝食を済ませて もすみ子は落ち着きませんでした。いつも のようにテレビをつけましたが内容が頭に 入ってきません。画面を見つめながらも頭 の中では斎藤さんに電話をかけるかどうか という考えがぐるぐると回っていました。 電話をかけるということは自分の今までの 決意を覆返すということです。そして未知 の世界に足を踏み入れるということでも ありました。時計は午前10時を指してい ました。斎藤さんは仕事中でしょうか? こんな時間に電話をかけても迷惑ではない でしょうか。すみ子はそんなことまで考え てまた躊躇してしまいました。名刺を手に 取っては置き、また手に取っては置くと いう動作を何度も繰り返しました。お昼に なってもすみ子は決断できずにいました。 簡単な昼食を取りながらも食べ物の味を 感じることができませんでした。口の中が ずっと乾いているような感じで何を食べて も砂を噛んでいるようでした。これほど 緊張したのはいつ以来でしょうか?午後1 時を過ぎた頃、すみ子はついに腹を決め ました。このまま1日中悩んでいても何も 変わりません。最悪の場合断ればいいの です。ただ話を聞くだけなら何も失うもの はないはずです。そう自分に言い聞かせ ながらすみ子は震える手で樹を取り上げ ました。番号をダイヤルしながらす子の 心臓は激しく鼓動していました。呼び出し 音がなり始めると今すぐ電話を切って しまいたい衝動に駆られました。しかし2 回3回と音が続くうちにもう後戻りはでき ないと観念しました。はい。許託会護支援 事業所です。斎藤ですという声が聞こえて きました。すみ子は一瞬言葉を失いました 。電話が繋がると何を話せばいいのか 分からなくなってしまったのです。あの 藤井ですとすみ子は震え声で言いました。 先日はありがとうございました。あ、藤井 さん斎藤さんの声が明らかに明るくなり ました。お電話いただけて嬉しいです。 いかがなさいましたか?すみ子は深呼吸を してから話し始めました。実はあの パウフレットを拝見させていただきまして 色々な種類があることに驚きました。もし よろしければもう少し詳しくお話を聞かせ ていただけないでしょうか?斎藤さんの 返事はすみ子の予想を上回る温かさでした 。もちろんです。お時間をいただけるの でしたら今日にでもお伺いしたいのですが いかがでしょうか?すみ子さんのお気持ち が変わらないうちにお話ししればと思うの ですがその日の夕方斎藤さんが再びす子の 家を訪れました。今度のすみ子は前回とは 明らかに違っていました。緊張はしてい ましたが拒絶的な態度はありませんでした 。むしろ何かを学びたいという意欲が感じ られました。斎藤さんはすみ子の変化を 敏感に察知しました。パンフレットをご覧 になったのですねと微笑みながら言いまし た。どちらに興味を持たれましたか? すみ子は少し照れながら答えました。民家 を回したという小さなところがなんだか 良さそうに思えました。それは素晴らしい 選択ですねと斎藤さんは頷きました。実は 藤井さんのような方にはとても適している と思います。ではまず大切なことをお話し させてください。デイサービスはいきなり 契約するものではありません。斎藤さんの 説明はすみ子にとって目から鱗でした。 法律で定められているのですが、必ず見学 や体験をしてから決めていただくことに なっています。つまり藤井さんが実際に 行ってみて雰囲気を感じて本当に自分に 会うかどうかを確かめてから決めればいい のです。すみ子はアンドのため息をつき ました。てっきり1度行くと決めたら 後戻りできないものだと思っていました。 体験だけなら気楽に考えることができます 。もし合わなかったら断ってもいいのです かと恐る恐る訪ねました。もちろんですと 斎藤さんは即頭しました。それが体験の 目的です。利用者さんにとって本当に良い 場所でなければ続ける意味がありません から。そしてもう1つアドバイスがあり ます。斎藤さんは身を乗り出して言いまし た。もし週に1回通おうと考えているなら 体験も同じ曜日にすることをお勧めします 。施設によって曜日ごとに利用者さんや スタッフが違うことがあるからです。 雰囲気も少しずつ変わるので実際に通う 予定の曜日に体験されるのが1番良い でしょう。この説明ですみ子の最後の不安 も解消されました。体験という安全猛が あること。そして自分のペースで決め られることが分かり心が軽くなりました。 それでは来週の水曜日に体験をお願いでき ますでしょうかとすみ子は言いました。 斎藤さんはすぐに電話をかけて体験の予約 を取ってくれました。電話での斎藤さんの 話し方を聞いていると施設との信頼関係が よく気づかれていることがわかりました。 丁寧で的確な説明を受けてす子は来週への 期待と不安を同時に感じていました。 見当日の朝、すみ子は普段より1時間早く 目を覚ましました。緊張で眠りが浅かった こともありますが、何十年ぶりかの新しい 場所への外出に心がざわついていました。 何を着ていけばいいのか、何を自賛すれば いいのか分からないことだらけでした。 結局すみ子は普段より少しだけきちんとし た服装を選びました。派手すぎず、地味 すぎず、清潔感のあるのブラウスと黒い スカートです。鏡を見ながらこんなに 見出し並みを気にしたのはいつ以来だろう と思いました。夫の葬儀以来かもしれませ ん。朝食もいつもより丁寧に作りました。 今日は特別な日だという気持ちが普段の 行動にも影響していました。味噌汁の味み をして少し薄いかもしれないと思い醤油を 言ってきたしました。こんな細かいことを 気にするのも久しぶりでした。午前9時 ちょうどに小さな和言者がすみ子の家の前 にとまりました。運転手は若い男性で車内 にはすでに3人の高齢者が乗っていました 。皆さん、新しい方ですと運転手が紹介 すると3人とも振り返ってすみ子に笑顔で 挨拶をしてくれました。おはようござい ますとすみ子も挨拶を返しました。車内の 雰囲気は思っていたより名古屋かですみ子 の緊張も少し柔らぎました。窓際の席に 座ったす子は久しぶりの外出の景色を 楽しみました。普段は歩いて買い物に行く 近所でも車の窓から見ると違って見えまし た。15分ほどで目的地に到着しました。 本当に普通の住宅を回送した建物で パウフレットで見た通りでした。玄関先で はスタッフの女性が笑顔で迎えてくれまし た藤井さんですねとすみ子の名前を覚えて くれていることにちょっとした感動を覚え ました。建物の中に入ると木の香りが ほのかに漂っていました。新築ではあり ませんが清潔で温かみのある空間でした。 普通の家のリビングルームのような部屋に 利用者の方々が思いに過ごしていました。 テレビを見ている人、新聞を読んでいる人 、お茶を飲みながら断笑している人、 すみ子は田中という若いスタッフに案内さ れました。田中さんは20代後半と思わ れる女性で明るく親しみやすい人でした。 今日は体験ということですので無理を なさらずご自分のペースで過ごして くださいと優しく説明してくれました。 午前中は特に決まったプログラムはあり ませんでした。すみ子は静かな隅の席に 座って周りの様子を観察していました。 利用者は全部で8人。年齢も様々でした。 皆さんリラックスしていて自然体で過ごし ている様子が印象的でした。1人の女性が すみ子の隣に座りました。石田く子さんと いうすみ子と同じくらいの年齢の女性でし た。初めていらしたのですねと優しく声を かけてくれました。すみ子は緊張している ことを正直に話すときく子さんは理解の ある笑顔を見せました。私も最初はとても 緊張しましたとき子さんは言いました。で もここのスタッフの方々はとても親切で 無理じーは一切しません。自分のしたい ことをしたい時にすればいいのです。 そんな自由な雰囲気がすみ子には新鮮でし た。お昼の時間になると食堂で皆で一緒に 食事をしました。メニューは栄養師が考え たもので高齢者に適した柔らかく薄味の 料理でした。しかし味は決して悪くあり ません。むしろ素材の味を生かした上品な 味付けでした。何より驚いたのは1人で 食事をするのとは全く違う感覚でした。隣 の人とこのお魚美味しいですねと話したり 、向いの人とお味噌汁の具について 語り合ったり、こんな何気ない会話が こんなにも心を温めてくれるものだとは 思いませんでした。午後は簡単な思考芸の 時間がありました。折り紙で季節の花を 作るという内容でした。すみ子は手先が 器用な方ではなく、最初は参加を躊躇して いました。しかしきく子さんが分からない ところは聞いてくださいねと声をかけて くれて勇気を出して参加しました。最初は うまくいかず髪を破いてしまったりしまし た。しかし田中さんが丁寧に教えてくれて きこさんも手伝ってくれました。完成した 時、すみ子は久しぶりに達成感を味わい ました。上手にできましたねと皆に褒め られて、顔が赤くなるほど嬉しかったです 。午後3時頃、お茶の時間がありました。 手作りのおやつと一緒に温かいお茶を いただきました。この時間はすみ子にとっ て1日の中で最も印象深いものでした。 特別なことは何もしていません。ただ みんなでお茶を飲んで体のない話をして いるだけです。しかしその何でもない時間 がすみ子の心に深く刻まれました。誰かと 一緒に過ごす時間の温かさ、人との繋がり の大切さを改めて実感しました。1人で 飲むお茶とは味さえ違って感じられました 。夕方お迎えの車が来る時間になりました 。田中さんがすみ子を車まで見送ってくれ ました。今日はいかがでしたかと尋ねられ て、すみ子は素直に答えました。とても 良かったです。皆さん親切で居心地が 良かったです。田中さんは嬉しそうに 微笑みました。それは良かったです。また 来週もお待ちしていますねと言いました。 すみ子は深く考える間もなくはいと答えて いました。その返事はすみ子自身が驚く ほど自然で迷いのないものでした。帰りの 車の中ですみ子は今日1日を振り返ってい ました。朝の緊張と不安が嘘のように消え て心は満足感で満たされていました。同場 していた他の利用者の方々もすみ子に今日 の感想を聞いてくれました。楽しかった ですと答えるすみ子の顔は朝とは全く違っ て明るかったです。家について1人になる とすみ子は改めて今日の出来事を整理し ました。自分が想像していたデイサービス とは全く違っていました。子供扱いされる こともなく無理じされることもありません でした。ただ温かい人たちと一緒に穏やか な時間を過ごしただけです。夕食の準備を しながらすみ子は気づきました。今日は 1度も時間を持て余すことがありません でした。むしろ時間があっという間に過ぎ てしまいました。久しぶりに充実した1日 だったと感じています。夜夫の家の前で すみ子は今日のことを報告しました。 あなた今日はとても良い1日でした。 新しい人たちと出会って楽しい時間を 過ごしました。きっとあなたも喜んで くれるでしょうねと話しかけました。その 夜すみ子は深く眠ることができました。夢 の中で今日で会った人たちと一緒にお茶を 飲んでいました。き子さんも田中さんも みんな笑顔でした。そしてなぜか夫も一緒 にいてすみ子の決断を温かく見守ってくれ ているように感じました。翌朝めを覚めた 時すみ子の心は決まっていました。来週の 水曜日が待ち同しいという気持ちで いっぱいでした。長い間閉ざしていた心の 扉がついに開かれた瞬間でした。新しい 生活への第一歩すみ子は確実に踏み出して いたのです。体験から1週間が過ぎ、 すみ子は水曜日を心待ちにしている自分に 驚いていました。月曜日の朝目を覚ますと あと2日で水曜日だと指折り数えている 自分がいました。こんな気持ちになったの は本当に久しぶりのことでした。夫が生き ていた頃2人で近所の温泉旅行を計画して いた時のようなそんなワクワクした気持ち でした。火曜日の午後斎藤さんが正式な 手続きのためにすみ子の家を訪れました。 すみ子は今度は心からの笑顔で斎藤さんを 迎えました。体験はいかがでしたかという 問いかけにすみ子は嬉しそうに昨日のこと を話しました。想像していたものとは全く 違ってとても良い時間でした。皆さん親切 で無理じーもされませんでした。斎藤さん はすみ子の変化を見てとても嬉しそうでし た。それは良かったです。では正式に サービスを開始させていただきましょう。 ただしまず料金体系について詳しくご説明 させていただきますねと言いました。 すみ子は少し見構まえました。お金の話は いつも緊張するものです。斎藤さんは丁寧 に説明を始めました。介護保険のサービス は少し複雑な仕組みになっています。まず 基本料金があります。これは藤井さんの 妖怪5度妖怪後に基づいて決まります。と して各種加算があります。入浴解除、機能 訓練、送迎など受けるサービスによって 少しずつ料金が加算されます。すみ子は 真剣に聞いていました。例えば入浴のお 手伝いをしていただくと50円の加算機能 訓練の指導を受けると42円の加算送迎 サービスを利用すると片道47円の加算と いった具合です。子は計算が苦手でしたが 、一生懸命メモを取りました。さらに施設 によって人員配置化さというものもあり ますと斎藤さんは続けました。例えば理学 療報士や作業療報紙などの専門職が多く 配置されている施設ではその分料金が高く なります。でもその分専門的なケアを 受けることができます。そして最も重要な のは自己負担割合だと斎藤さんは説明し ました。藤井さんの所得では1割負担に なります。つまりサービス費用の10% だけお支払いいただければ良いのです。 ただし所得の高い方は2割、さらに高い方 は3割負担になります。すみ子はアドの ため息をつきました。思っていたより負担 は軽いようです。しかし斎藤さんは続け ました。注意していただきたいのは中職代 です。これは介護保険の対象外で実費をお 支払いいただくことになります。1 500円程度ですが、これは全額事故負担 です。全ての説明を聞いて住子は介護保険 制度の複雑さと同時にその公平性を理解し ました。所得に応じて負担割合が変わる こと。専門性の高いサービスにはそれなり の対価があることなどよく考えられた 仕組みだと感じました。そしてこの制度を 支えるために多くの人が努力していること も理解できました。手続きが完了して斎藤 さんが帰った後す子は1人で考え込みまし た。自分はこれまでこのような制度がある ことを知りませんでした。介護が必要に なった人を社会全体で支える仕組みがあり 、多くの専門家がその中で働いているの です。自分の鞭をはじると同時にこの制度 に感謝の気持ちを抱きました。翌日の 水曜日2回目のデイサービスに向かう すみ子の気持ちは前回とは大きく違ってい ました。緊張よりも期待の方が大きく朝の 準備も手際はよく進みました。ピ子さんや 田中さんに再び会えることを楽しみにして いました。お迎えの車に乗ると前回と同じ 顔ぶれでした。すみ子を覚えていてくれて 今日で2回目ですねと声をかけてくれまし た。すみ子は嬉しくなって。はい。今日も よろしくお願いしますと元気に答えました 。デイサービスに到着すると田中さんが 玄関で迎えてくれました。すみ子さん、お 帰りなさいという言葉にすみ子は心が 温かくなりました。お帰りなさいと言われ たのは夫が亡くなってから初めてでした。 自分を待っていてくれる場所、迎えて くれる人がいるということの意味を改めて 実感しました。その日からすみ子の新しい 生活が始まりました。毎週水曜日のデイ サービスがすみ子の生活のリズムを作って くれました。月曜日は水曜日の準備。 火曜日は楽しみに末日。水曜日は充実した 1日。木曜日は余院に浸る日。金曜日から 日曜日は次の水曜日を待つ日。1週間の それぞれに意味ができました。しかし全て が順調だったわけではありません。3週間 ほど経った頃す子は初めて困った経験をし ました。ある朝気少体調が優れず頭痛も ありました。普段なら横になって休む ところですが、今日は水曜日です。みんな が待っているのに休むわけにはいかないと 思いました。すみ子は無理をして準備を 始めました。しかし動けば動くほど体調は 悪化していきました。お迎えの時間が 近づいてもまだ着替えも済んでいません でした。これは本当に無理だと思いました が、どうすればいいのか分かりませんでし た。迷った末え、すみ子は勇気を出して デイサービスに電話をかけました。田中 さんが電話に出てくれました。申し訳 ございません。今日は体調が優れなくてお 休みさせていただきたいのですがと申し訳 なさそうに言いました。田中さんの返答は すみ子の予想を完全に裏切るものでした。 すみ子さん、体調が悪い時は無理をしない でくださいね。それが1番大切なことです 。お休みは全く問題ありませんよ。 ゆっくり休んで体調が良くなってからまた いらしてください。すみ子はアと同時に 申し訳ない気持ちでいっぱいになりました 。せっかく準備してくださったのに本当に すみませんと謝りました。すると田中さん は笑いながら言いました。すみ子さん、 ここは学校ではありませんよ。体調の良い 時に来ていただければそれで十分です。 さらに田中さんは続けました。もし毎週 来るのが負担でしたら2週間に1回にする こともできます。しばらくお休みしてまた 行きたくなったら再開することもできます 。すみ子さんのペースですみ子さんらしく 利用していただければいいのです。この 電話ですみ子は大切なことを学びました。 デイサービスは義務ではなく選択なのです 。自分の体調や気持ちに合わせて自由に 利用できるものなのです。この理解が すみ子の心の負担を大きく軽減してくれ ました。その日すみ子は1日中ベッドで 休みました。久しぶりに何の予定もない 水曜日でしたが不思議と少層感はありませ んでした。田中さんの言葉が心に残ってい て、罪悪感を感じることもありませんでし た。むしろ自分のことを気遣ってくれる人 がいるということが何よりの薬になりまし た。翌週の水曜日、すみ子は元気にデイ サービスに向かいました。田中さんが先週 のお休みについて尋ねてくれて、隊長は 大丈夫ですかと心配してくれました。 きく子さんもすみ子が来ないので心配して いたと言ってくれました。自分のことを気 にかけてくれる人がいるということが こんなにも嬉しいものだとは思いません でした。1ヶ月ほど経った頃すみ子は古い 友人の森千代から電話を受けました。千オ も最近レイサービスを始めたという話でし た。すみ子は嬉しくなってどちらに通って いるのか尋ねました。千は自宅から1番 近い施設の名前を答えましたが、その声に はあまり元気がありませんでした。数日後 、千代から再び電話がありました。今度は レイサービスをやめたという報告でした。 すみ子は驚いて理由を尋ねました。千の話 を聞いて、すみ子は胸が痛みました。千が 通った施設は活動重視型のデイサービス でした。毎日のようにカラオケ大会があり 、ゲームやレクリエーションが盛んでした 。スタッフも利用者も皆ても元気で活発 でした。しかし千オは静かに本を読んだり 修芸をしたりするのが好きな人でした。 最初の日は隅の方で静かに過ごそうとし ました。しかしスタッフの方が気を使って 一緒にカラオケを歌いましょうと誘って くれました。は断りたかったのですが、 せっかくの親切を無限にするのは申し訳 なく、仕方なく参加しました。その後も 毎回のように様々な活動に誘われました。 みんなで楽しくやりましょうという雰囲気 の中で千オは自分だけが浮いているような 気持ちになりました。スタッフの方々は 本当に親切で地を楽しませようと一生懸命 でした。しかし、それが千オにとっては 苦痛でした。1ヶ月も経たないうちに千オ は通うのが嫌になりました。しかし スタッフの方々があまりにも親切なので 正直に自分には合わないということができ ませんでした。結局体調不良を理由に休む ようになり、そのままやめてしまいました 。千の話を聞いてすみ子は改めて自分の 恵まれた状況を実感しました。もしすみ子 が最初に千与と同じような施設に行ってい たら同じような結果になっていたかもしれ ません。斎藤さんが複数の選択肢を示して くれてす子の性格にあった施設を見つけて くれたからこそ今の幸せがあるのです。 同時にすみ子は千が自分の希望をはっきり と伝えなかったことも問題だったと感じ ました。占量や気遣いも大切ですが、自分 の気持ちを正直に伝えることも同じくらい 大切だということを学びました。この 出来事の後、すみ子は田中さんとより直に 話すようになりました。今日は手芸の気分 ではありませんと言ったり、お茶を飲み ながらゆっくり過ごしたいですと希望を 伝えたりするようになりました。田中さん もすみ子の気持ちを尊重してくれて無理じ することは一切ありませんでした。2ヶ月 が過ぎた頃すみ子の生活は明らかに変化し ていました。表情が明るくなり、主性も 良くなりました。栄養バランスの取れた 昼食と適度な運動のおかげで体調も改善し ていました。何より週に1度でも人と会話 することで精神的な充実感を得ていました 。ある日、すみ子は鏡を見て驚きました。 方にうっすらと赤みが刺していて、目にも 正規が戻っていました。久しぶりに自分が 生きていると実感できました。夫が 亡くなってから失っていた生きる意欲が 少しずつ戻ってきているのを感じました。 デイサービスでの人間関係も深まってい ました。子さんとは特に親しくなり、お 互いの孫の話をしたり、昔の思い出を 語り合ったりするようになりました。き子 さんの方も1人暮らしで似たような教遇 だったことが真金感を深めていました。 田中さんとの関係も最初の頃とは大きく 変わっていました。田中さんはす子の好み や体調の変化を細かく把握してくれていて 、その日その日に合わせて適切な配慮をし てくれました。すみ子も田中さんが残量 続きで疲れていることを気にかけたり、 風邪気味だと心配したりするようになり ました。3ヶ月が経った頃すみ子は重要な ことに気づきました。自分がデイサービス に通う理由が最初の頃とは変わっている ことです。最初は1人でいる寂しさを 紛らわすためでした。しかし今は会いたい 人がいて一緒に過ごしたい時間があるから 通っているのです。これは大きな違いでし た。義務感や必要に迫られてではなく、 自分の意思で楽しみのために通っているの です。すみ子は人との繋がりの大切さを 改めて実感していました。水曜日の夕方 帰りの車の中ですみ子は運転手さんに訪ね ました。私たちを迎えに来てくださって 送り届けてくださっていつもありがとう ございます。大変ではありませんかと運転 手さんは笑顔で答えました。とんでもあり ません。皆さんの楽しそうな顔を見ている とこちらも嬉しくなります。その言葉で すみ子は気づきました。自分たちが楽し そうにしていることが周りの人たちの喜び にもなっているのです。お世話になって いるという一方的な関係ではなく、お互い に影響し合い、支え合っている関係なの です。その夜住すみ子は夫の家の前で報告 しました。あなた、私は今とても充実した 日々を過ごしています。新しい友人もでき て毎週楽しみな日があります。きっと あなたも喜んでくれるでしょうねと 話しかけました。家の中の夫はいつもの ように優しい表情ですみ子を見守ってい ました。すみ子は人生の新しい賞が始まっ たことを実感していました。夫との生活が 終わっても新しい形の幸せが見つかること 1人でも人との繋がりがあれば充実した 日々を遅れること。こんな大切なことを レイサービスを通じて学んでいました。4 ヶ月目に入った頃、すみ子は自分の変化を はっきりと自覚するようになりました。 以前は時間をモて余ましていましたが、今 では1週間があっという間に過ぎていき ます。水曜日を楽しみに待ち、水曜日を 充実して過ごし、次の水曜日まで良い気分 で過ごす。そんな心地よいリズムができて いました。子は霊サービスとの関係が 単なるサービスの利用を超えて人生の一部 になっていることを感じていました。そこ には支えられる側と支える側という一方的 な関係ではなくお互いを思いやり共に歩ん でいく仲間としての関係がありました。 それこそがすみ子が長い間めていたもの だったのです。第5は繋がりの式さえ半年 が過ぎました。すみ子にとってこの半年間 は人生の中でも特別な意味を持つ時間と なっていました。デイサービスに通い始め た頃の恐怖と不安は今では懐かしい思い出 となり、水曜日は住み子の1週間の中で 最も大切な日になっていました。調目を 覚ますと今日は水曜日だということに 小さな喜びを感じます。以前は毎日が同じ ような灰色の時間でしたが、今では1週間 にめり張りがあります。月曜日は水曜日へ の準備。火曜日は楽しみな気持ちで過ごし 、水曜日は充実した時間。木曜日は余韻を 楽しみ、週末は次の水曜日を心まちにする 。このリズムがす子の生活に安定感と希望 をもたらしていました。この半年間で すみ子は多くのことを学びました。何より 大きな発見は霊サービスがどれほど専門的 で深い思いやりに支えられた場所であるか ということでした。最初は単純に時間を 過ごす場所だと思っていましたが実際には 様々な専門家が連携して利用者1人1人の 生活の質を向上させるために働いている ことを知りました。季節長の山田さんは実 は生活相談員という資格を持った専門家 でした。す子が時々相談する家庭の小さな 悩みも山田さんは真剣に聞いてくれました 。電気製品の調子が悪いという話から将来 への不安までどんな相談でも真味になって 対応してくれます。時には斎藤さんと連絡 を取り合い、すみ子の生活全体をサポート してくれていることを知りました。午後の 軽い体操を指導してくれる佐々木さんは実 は国家資格を持った理学療報士でした。 すみ子が膝の痛みを訴えた時、佐々木さん はす子の歩き方や姿勢を詳しく観察し、膝 に負担をかけない歩き方を教えてくれまし た。自宅でできる簡単な筋力トレーニング も指導してくれて、実際に膝の痛みが軽減 されました。これは単なる遊びや レクリエーションではなく、専門的な治療 の一環だったのです。毎朝血圧を測って くれる看護師の井上さんはす子の体調の 微細な変化も見逃しませんでした。ある日 す子の肌が少し乾燥気味なのに気づき適切 な保湿を進めてくれました。1人暮らしの すみ子にとって毎週1回でも健康状態を チェックしてもらえることは何よりの安心 材料でした。そして田中さんのような介護 職員の方々は身体的なケアだけでなく精神 的なサポートも提供してくれていました。 すみ子が少し元気がないと感じた時、田中 さんは必ずすみ子さん今日は何かござい ましたかと声をかけてくれます。その一言 がすみ子の心を軽くしてくれることが何度 もありました。すみ子は気づきました。 ここは単に高齢者が集まる場所ではなく、 様々な専門知識を持った人たちが高齢者の 生活をより良いものにするために力を 合わせている場所なのです。そしてその 中心にあるのは利用者1人1人への深い 理解と思いやりでした。半年の間に住み子 の体調にも大きな変化がありました。規則 正しい生活、栄養バランスの取れた食事、 適度な運動、そして何より人との交流に よって明らかに健康状態が改善していまし た。朝の目覚めも良くなり、食欲も戻って きました。以前は階段を登るのが辛かった のに、今では手すりに頼らずに登れるよう になりました。しかし、最も大きな変化は 精神面でした。1人でいることの重さ、 時間の流れの遅さに悩んでいたす子が今で は毎日を充実して過ごしています。水曜日 に会う人たちのことを考えたり、そこでの 出来事を思い出したりすることで1人の 時間も豊かになりました。すみ子は自分が 社会の一員として生きていることを実感 できるようになりました。誰かが自分を 待っていてくれること、自分も誰かを気に かけていること、この相互の関係がすみ子 に生きる意味を与えてくれていました。 ある水曜日、すみ子は田中さんが少し疲れ ているように見えることに気づきました。 大丈夫ですかと尋ねると、田中さんは少し 困ったような表情をしました。実は最近 家庭の事情で少し大変でと小声で話しまし た。子は田中さんがいつも自分たちのこと を気にかけてくれているのに田中さん自身 の悩みを聞いてあげることができてい なかったことに気づきました。それからの すみ子は田中さんの様子により注意を払う ようになりました。田中さんが元気がない 時は逆にすみ子の方から明るく声をかける ようにしました。お互いを支え合う関係が より深いものになっていきました。き子 さんとの友情も深まっていました。お互い の生活の小さな出来事を報告し合ったり、 昔の思い出を語り合ったりする時間が すみ子にとって掛けがえのないものになっ ていました。き子さんの孫が結婚すると いう話を聞いた時は自分のことのように 嬉しく感じました。人の喜びを共有できる ことの幸せをすみ子は改めて実感しました 。新しい利用者の方が入ってきた時は すみ子が先輩として案内する役割を担う こともありました。最初は緊張している 新しい方にすみ子は自分の経験を話して あげました。私も最初はとても不安でした が皆さん親切ですぐに慣れましたよと話す と新しい方も安心した表情を見せてくれ ました。子は自分が誰かの役に立っている という実感を得ました。支えられるだけで なく支える側にもなれるということが すみ子の自尊心を回復させてくれました。 年を取ってもまだ人の役に立てることが あるのです。ある日す子は重要なことに 気づきました。自分がデイサービスに通う 理由が最初の頃とは完全に変わっている ことです。最初は寂しさを紛らわすため、 1人でいる時間を減らすために通ってい ました。しかし今は会いたい人がいて一緒 に過ごしたい時間があるから通っているの です。これは根本的な違いでした。必要に 迫られてではなく、自分の意思で楽しみの ために通っているのです。レイサービスが すみ子の生活の中で欠かせない部分になっ ていました。子は人との繋がりがどれほど 大切なものかを身を持って理解しました。 夫を失って1人になった時、すみ子は人生 が終わったような気持ちでした。しかし 新しい形の人との繋がりが新しい人生の 始まりをもたらしてくれたのです。家族と いう形の愛情だけでなく友情や専門的な ケアを通じた温かい関係そして支え合う コミュニティの一員としての充実感これら 全てがすみ子の心を豊かにしてくれてい ました。ある水曜日の帰り道すみ子は運転 手の高橋さんに話しかけました。高橋さん いつも安全運転でありがとうございます。 私たちのことをいつも気にかけてくださっ て本当に感謝していますと言いました。 高橋さんは嬉しそうに答えました。すみ さん、こちらこそありがとうございます。 皆さんが楽しそうに過ごされているのを見 ていると私も嬉しくなります。皆さんの 笑顔が私の仕事のやりがいなんですよ。 この会話ですみ子は深い気づきを得ました 。自分たちが楽しく過ごすことが周りの人 たちの喜びにもつがっているのです。一方 的に世話になっているという関係ではなく 、お互いに影響し合い、支え合っている 関係なのです。住子は高齢者として社会の お荷物になっているのではないかという 不安を抱いていました。しかし今では違い ます。自分も社会の一員として価値のある 存在なのです。笑顔でいること、感謝の 気持ちを伝えること、他の人を気遣うこと 、これら全てが社会への貢献なのです。 半年間の変化を振り返ってす子は自分でも 驚くほどの成長を遂げていることに気づき ました。恐怖と拒絶から始まった関係が今 では人生にとって欠かせないものになって います。固定観念を捨て新しいことに挑戦 する勇気を持ったことで新しい世界が開け ました。すみ子は同じような状況にある人 たちに伝えたいことがありました。年を 取っても1人になっても人生を豊かにする 方法はあります。大切なのは自分の本当の 気持ちを知ること、そして適切な情報と 指導を求めることです。決して1人で 抱え込む必要はありません。専門家の助け を借りて自分にあった選択をすることが できます。そして勇気を出して一歩 踏み出せば想像もしなかった素晴らしい 出会いと経験が待っているかもしれません 。その夜すみ子は夫の家の前でいつもより 長い時間を過ごしました。あなた私は今 本当に幸せです。あなたを失った悲しみは 今でも心にありますが、それと同時に 新しい喜びも見つけました。きっとあなた も私の今の生活を見て安心してくれる でしょうねと話しかけました。家の中の夫 はいつものように優しい表情ですみ子を 見つめていました。すみ子には夫が微笑ん でいるように見えました。として新しい 人生を歩むす子を応援してくれているよう に感じました。翌朝すみ子は特別に早く目 を覚ました気がしました。窓の外を見ると 桜のつぼみが少しずつ膨らんでいるのが 見えました。もうすぐ春です。すみ子の心 にも新しい季節の訪れを感じていました。 デイサービスに通い始めて半年。この期間 ですみ子が学んだ最も大切なことは人生に は何歳になっても新しい賞が始まる可能性 があるということでした。終わったと思っ た人生にまだ続きがあったのです。今日も 水曜日がやってきます。すみ子は心弾ませ ながら準備を始めました。きく子さんや 田中さん、そして他の皆さんに会えること を楽しみにして、1人1人との小さな やり取りがすみ子の1日を彩ってくれます 。お迎えの車が来る時間まで少しあります 。すみ子は鏡を見て軽く化粧を直しました 。方には自然な赤みが差し、目には正規が 戻っています。これは人との繋がりが もたらしてくれた最高の化粧品でした。車 の音が聞こえてきました。すみ子は玄関へ 向かいながら、今日はどんな話ができる だろう?どんな楽しいことがあるだろうと 考えていました。半年前の住み子には想像 もできなかった希望に満ちた気持ちでした 。外へ出ると春の温かな日差しがすみ子を 包みました。桜のつぼみだけでなく道端の 小さな花も春の訪れを告げています。 つみ子の人生にも新しい季節が確実に来て いました。車に乗り込み、いつもの仲間 たちと挨拶をかわしながら、すみ子は心の 中で思いました。あの時勇気を出して パンフレットを読んで本当に良かった。 斎藤さんに電話をして本当に良かった。 体験に行って本当に良かった。そして 何より新しいことに挑戦することを恐れ なくて本当に良かった。Aサービスの建物 が見えてきました。すみ子にとってここは 第2の家のような場所になっていました。 温かい人たちが待っていてくれる。安心 できる場所。そして自分が救いられる場所 。車がとまりすみ子は軽やかな足取りで 建物に向かいました。玄関では田中さんが いつものように笑顔で迎えてくれました。 すみ子さんおはようございます。今日も よろしくお願いしますという田中さんの 言葉にすみ子は心からの笑顔で答えました 。こちらこそ今日もよろしくお願いします 。すみ子の新しい1日がそして新しい人生 が今日もまた始まりました。人とのつがり という美しい色彩に満ちた豊かな1日が この物語を通して私たちは1つの大切な 真実を学びました。人生に遅すぎるという ことはありません。どんな年齢になっても 新しい出会いがあり、新しい学びがあり、 新しい喜びを見つけることができるのです 。大切なのは固定観念を捨てる勇気、 新しいことに挑戦する意欲そして何より人 との繋がりを大切にする心です。子のよう に一歩踏み出す勇気があれば想像もし なかった素晴らしい世界が待っているかも しれません。ここまで長い間物語にお 付き合いいただき本当にありがとうござい ました。すみ子の心の変化、成長の家庭が 皆さんの心に何かしらの響きを与えること ができたでしょうか?人生の困難に直面し た時、1人で抱え込まず周りの支援を 求める勇気を持つこと、そして年齢に関係 なく新しい可能性に心を開いていくこと。 これらのメッセージが少しでも皆さんのお 役に立てれば幸いです。もしこの物語が心 に響いたと感じていただけましたら、是非 いねボタンを押していただき、チャンネル 登録もしていただけると嬉しいです。これ からも心温まる実話をお届けしていきたい と思います。皆さん素晴らしい1日をお 過ごしください。そしてまた次回の物語で お会いしましょう。本当にありがとう ございました。

これは80歳のフジイ・スミコさんの物語。「あんな場所には絶対に行かない」と、デイサービスへの強い偏見を持つ彼女は、勧めをきっぱりと断ります。しかし、その頑固なプライドの裏で、彼女の日常は静かに色を失っていました。
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老後の物語
老後は穏やかな日々だけではなく、年金、社会保障、晩年の恋、離婚、再婚など、さまざまな悩みがつきものです。私は、そんなリアルな物語をお届けします。涙も笑いも、後悔も希望も詰まった人生の話。60歳からの人生に興味がある方、一緒に聞いて、共感しませんか?

VOICEVOX :青山龍星
VOICEVOX :Nemo

企画・制作部門

総合プロデューサー: 青木隆二 (Aoki Ryuji)
企画・構成: 西村智恵 (Nishimura Tomoe)
制作統括: 平野大輔 (Hirano Daisuke)
制作進行: 山本理沙 (Yamamoto Risa)
制作アシスタント: 池田美和 (Ikeda Miwa)
アソシエイトプロデューサー: 田村航 (Tamura Wataru)

撮影・映像技術

撮影監督: 森本健司 (Morimoto Kenji)
カメラディレクター: 浜田麻衣子 (Hamada Maiko)
第一カメラマン: 内田雄介 (Uchida Yusuke)
第二カメラマン: 片岡優太 (Kataoka Yuta)
照明チーフ: 坂口光男 (Sakaguchi Mitsuo)
照明アシスタント: 大野結菜 (Ono Yuna)
音声収録: 谷口真一 (Taniguchi Shinichi)

編集・ポストプロダクション

編集長: 柴田雅人 (Shibata Masato)
メインエディター: 水野愛美 (Mizuno Manami)
カラーグレーディング: 北村龍也 (Kitamura Tatsuya)
映像効果: 小川晃司 (Ogawa Koji)
モーショングラフィックス: 中島美咲 (Nakajima Misaki)

音響・音楽

音響監督: 藤原貴之 (Fujiwara Takayuki)
サウンドデザイナー: 吉野あかり (Yoshino Akari)
効果音制作: 上田翔太 (Ueda Shota)
音楽プロデューサー: 岩崎純一 (Iwasaki Junichi)
BGM作曲: 宮崎春花 (Miyazaki Haruka)
音響ミキサー: 村田慎也 (Murata Shinya)

ストーリー・脚本

脚本家: 渡邊綾乃 (Watanabe Ayano)
ストーリー監修: 高田修平 (Takada Shuhei)
物語構成: 横山千鶴 (Yokoyama Chizuru)
台本制作: 江藤美紀 (Eto Miki)
リサーチャー: 金子洋平 (Kaneko Yohei)

声優・ナレーション

メインナレーター: 久保田誠 (Kubota Makoto)
副ナレーター: 島田恵理 (Shimada Eri)
キャラクターボイス: 林田和樹 (Hayashida Kazuki)
特別出演: 石原麻希 (Ishihara Maki)

デザイン・アート

アートディレクター: 荒木直人 (Araki Naoto)
グラフィックデザイナー: 永井美穂 (Nagai Miho)
イラストレーター: 関根大地 (Sekine Daichi)
キャラクターデザイン: 竹内さくら (Takeuchi Sakura)
背景アート: 野田健太郎 (Noda Kentaro)
UI/UXデザイン: 山口花音 (Yamaguchi Kanon)

技術・配信

技術統括: 松井秀樹 (Matsui Hideki)
システムエンジニア: 佐々木純子 (Sasaki Junko)
配信技術: 伊藤翔 (Ito Sho)
品質管理: 小林真由美 (Kobayashi Mayumi)
データ分析: 鈴木拓実 (Suzuki Takumi)

マーケティング・宣伝

マーケティングディレクター: 田中康夫 (Tanaka Yasuo)
SNS運営: 大橋あゆみ (Ohashi Ayumi)
広報担当: 加藤雄大 (Kato Yudai)

サポートスタッフ

総務・経理: 長野美智子 (Nagano Michiko)
制作サポート: 福山咲良 (Fukuyama Sakura)
インターン: 山下蓮 (Yamashita Ren)

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